発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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高機能の発達障害の子 どうやって将来の就労を見据えるべきか11/24 読売新聞「障害者雇用はいま」 に寄せて

2017年11月27日

TEENSの飯島です。2017年11月24日付の読売新聞朝刊にTEENSに関する記事が掲載されました(記事中でTEENSの開始が2014年となっていますが、正しくは2013年です。大変失礼いたしました。。。) 

特別支援学校に進学できない 高機能発達障害の子どもたち

障害者手帳

記事の中では、「心身障害のある子どもが通う特別支援学校高等部では、軽作業などの職業訓練に取り組む。一方、発達障害のある子どもは、多くが通常の小中高校や通信制高校などに通っており、将来の就労を見据え、障害の特性を考慮した教育は行われていない。」と書かれています。

特別支援学校と一口に言っても、学校によって方針は異なります。ですが、確かに軽度の知的障害のある生徒を対象としている特別支援学校高等部の中には、卒業後の就労を目指して職業教育に重点をおいている学校が多いです。そしてそれは、「将来に備えた教育をしたい」と考える保護者の方にとってはとても魅力的にみえるでしょう。

しかし、発達障害*のある子どもたちがそういった特別支援学校への進学ができるのかというと、そうもいきません。知的障害を伴ってないと基本的には難しいでしょう。例えば横浜市には日野中央高等特別支援学校など職業教育に力を入れている先進的な特別支援学校が3つありますが、いずれも「愛の手帳(療育手帳B2)を取得できる程度の者」という基準があります(※療育手帳B2というとIQ75以下が目安です)

では特別支援学校にはいかれない発達障害の子どもたちが、通常の学校生活で将来の自立のための力をつけることができるのか?定型発達の子ならば日常生活の中で無意識的に学ぶことができるでしょう。しかし発達障害のお子さんにとってはなかなかそれは難しく、意識的に学ぶ機会が必要です。

発達障害の子が将来自立するための3つの準備

TEENSでは実践的なキャリア教育の必要性をうったえ続けています。そこで身につけるべき力として推奨しているのが、「はたらく力」と呼んでいる①コミュニケーション力、②段取り力、③自尊心、の3つです。

「はたらく力」とは?

いずれも発達障害のお子さんにとって獲得することが苦手になりがちな分野です。とても大切なことなのに、教科書にはのっていません。そのため、TEENSではお仕事体験というプログラムを通して楽しみながら、緊張もしながら、実践を通して学ぶための場を提供しています。

記事の中に、「昨年から通う男子中学生は「人見知りで家族以外と話すのが苦手だったが、人と協力する大切さを学び、丁寧な言葉遣いができるようになった」と話す。」とあります。立派すぎるコメントですが、中学生のお子さんが本当にこのままの話をしてくれました。

私自身利用当初から彼を見ていますが、1年前は小さな声でぽつりぽつりとしか話せなかった少年でした。全く初対面の新聞記者の方に、自分のことを真っすぐ見つめて話すことは大人にだって簡単なことではありません。想像以上の成長を見せてくれた彼を見て、発達障害は発達しない障害ではなく、ゆっくり、ユニークに発達していく特性なのだと改めて感じた日でした。

発達障害の子の就労を見据えた教育 日本全国で

新聞に掲載されたことで早速反響がありました。TEENSは現在首都圏にしか拠点がなく、限られた方にしかサービスの提供ができていないのが現実です。地方の方からお問い合わせをいただいた時にいつも歯がゆい思いをしています。

まだパワーが足りずに首都圏ですらサービス提供のネットワークを十分には広げられていません。が、これからも少しずつにはなりますが拠点を増やします。更に、以下のように様々な形で日本全国に、発達障害のある子どもたちと「働く」ことを繋げるためのサービスをお届けしていきたいと考えています。

  • パートナーシップ制度

全国のパートナー企業・団体がKaienのプログラムを行う「地域パートナーシップ制度」。地方にお住まいの皆様にも当社サービスがご利用頂ける制度です。参加事業所にはプログラムの提供のほか、スタッフ育成ノウハウも共有いたします。

現在、子ども向けについてはお仕事体験プログラムがメインとなりますが、学習教材についても拡充させていく予定です。

▼事業主様 加盟団体募集のご案内

詳細はこちら

▼パートナー加盟団体

・岩手・一関市 一般社団法人Piece of happiness 【放デイ】
・宮城・仙台市 一般社団法人ぶれいん・ゆに〜くす(Schaleおおまち・しゃ~れ)  
【放デイ】
・岐阜・岐阜市 NPO法人きらきら(いろえんぴつ)
【放デイ】
・岡山・倉敷市 パントーン・フューチャー・スクール中島校
【放デイ】

  • 講演・研修

「発達障害」「就労」「教育」といったキーワードをもとにお話させていただきます。対象は支援者、保護者、当事者など幅広く対応可能です。

ご希望の方はこちらをご参照ください。

▼講演予定

・12/02 発達障害の会 神奈川オアシス「大人の発達障害についてのセミナー」(神奈川・相模原市)
・12/05 茨城県教育研修センタ-(茨城・笠間市)
・12/12 特別支援教育研修会(島根・松江市)
・12/12 名城大学 薬学教育開発センター(愛知・名古屋市)
・12/15 成城大学バリアフリー支援室(東京・世田谷区)
・12/16 早稲田大学教育・総合科学学術院教育会(東京・新宿区)
・12/27 早稲田大学『私学における特別支援教育』(東京・新宿区)
・02/15 東京都自閉症協会 アスペ部会『発達障害のお子さんにお勧めする学校選び 中高編』(東京・杉並区)

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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