「思春期 発達障害 × はたらく力」をテーマに綴ります
TEENSの飯島です。コロナコロナの激動の日々を超えて久しぶりのブログとなりました。
今回は、発達障害*の子どもたちの声に耳を傾けてみてほしい、というお話です。
8月某日、TEENSに通う高校生3名に全社のオンラインミーティングに登壇してもらい、お客様の生の声を聞くという新たな試みがありました。
結論からいうと…心震わすような熱い時間となりました。
今回登壇いただいたのはいずれもTEENS歴6年近い高校生3名でした。
なにがすごかったかというと、みんな『自分の言葉で話せる』ということ。
「TEENSは学校と比べると自由でいられる。やることも自分で決められるし、やったことのないことにもチャレンジできる」
「スタッフを先生、じゃなくて、さんづけで呼んでいいところを気に入ってる」
「将来は働きながらも独学でパソコンの勉強はしていきたい。転職もいずれはすると思う」
「コミュニケーションについて学んだ。簡潔に話せるようになって自信がついた」
「今は検定の準備とか、仕事に役立つ勉強をすすめたい」
「色々任せてもらえたから成長した。後輩にもそうしてあげてほしい」
高校生のときこんなに話せましたか…?ちょっと大人になった今でも自信がないですが…
では彼らが昔からそうだったかというとそういうわけではありません。
もちろん小学生の頃から芯の部分は健康的で素直さ、強さ、しなやかさのある魅力的な子たちでした。
一方で自分のことを表現したり、社会の中で自分らしさを発揮していくことにはさまざまな困難がある子たちでした。
なので正直言うと、緊張して固まってしまうのではにかと戦々恐々としていたのですが、蓋をあけてみればまったくの杞憂で終わり…。3人ともこれ以上なく立派で神々しく輝いていました。親御さんと一緒に観ていたら号泣しながら握手していたことでしょう。
彼らをみくびっていたのだなと深く反省。3人とも「自分は成長した」と仰っていましたが、それが言えるのってとんでもないことです。たくさんのハードルを超えてきた自信が垣間見えました。
これから先大人になってからも大変なことはあるでしょうが、多分3人とも大丈夫。困ったときには人を頼り、うまくいかないことがあっても自分を信じられる。そんなたくましい背中でした。
発達障害の子ってさまざまな”ズレ”を指摘されることが多い経験からあまり自分のこと話したがらない方がすごく多いです。でも自分の意見がないわけではなく、むしろ練りに練った考えを心に秘めている子はたくさんいます。そしてそれを言葉にしてみる経験は、自己理解や自信に繋がっていきます。
転ばぬ先の杖をだして彼らの言葉を奪ってしまうことのないように。発達障害の子たちの声を聞き逃さない支援を今後も心掛けていきたいなと思いました。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます