発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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「はたらく力」を育てるTEENS

ティーンズ御茶ノ水 2016年11月1日

 はじめまして、TEENS御茶ノ水の上田です。

 10月に入社し、早くも1か月が過ぎようとしています。TEENS御茶ノ水で勤務を始めた頃は、半袖で過ごせる暑さでした。この1か月であっという間に上着が必要となり肌寒くなりました。今年の夏は多くの台風が日本列島を通過しました。そのため、野菜価格が高騰しています。野菜が好きな私としては困った事態です。野菜の話から突然ではありますが、私の前職について話したいと思います。

野菜を育てる→はたらく力を育てる

 私は以前、知的障害・発達障害*の成人の方々と畑作業を行っていました。季節によって様々な野菜を栽培し、収穫した野菜はその日の昼食としておいしく食べていました。作業では、彼(彼女)らが丁寧に辛抱強く取り組む姿に感心させられました。そして一緒に活動する中で、一生懸命働く彼らに見合った対価が払われないのはなぜ、と疑問に思うようになったのです。施設側も少しでも賃金が上がるよう努力をおこたっていません。けれども、私の疑問は解決できないままでした。

冬の畑は白菜や大根が育っています。

冬の畑は白菜や大根が育っています。

 

 そんな時にKaienのサイトに出会ったのです。「発達障害の方のための就職応援企業」の文字に引き寄せられ、Kaienという会社に興味を持ちました。こういった出会いが始まりとなりTEENSで働くこととなりました。そこで次は、TEENSで働き始めて驚いたことをお話しします。

はたらく力を身につける場=TEENS

 TEENSの学習支援で驚いたことは、「単なる学習の支援」にとどまらず、「仕事」の場と意識して学習支援を行うことです。私は最初、お子さんに「仕事」を意識した助言を行うことに戸惑いました。「コミュニケーション力」の支援として、学習支援の中ではスタッフがお子さんに厳しく言葉遣いや姿勢、距離感などを訂正することがあります。厳しく、と言うと怖いイメージを持ち、悪い印象に思われがちですが、「はたらく力」が成長し、将来大人になったときに就労へとつながると考え、厳しく真摯に接しています。

 TEENSサイトにも書かれてあるのでご周知かと思いますが、TEENSでは「はたらく力」は「コミュニケーション力」「段取り力」「自尊心」の3つに分類しています。「段取り力」はセッション前に立てる計画表(セッションシート)などがあてはまります。3つ目の「自尊心」も大切にしており、できていることはその場で評価し伝えています。

 土日に行われる、お仕事体験の場では、平日の学習支援の場以上にお子さんの「はたらく力」を育てることを意識して支援を行っています。平日との違いのひとつに、お子さん同士がチームとなり、チームで職務を遂行することにあります。そこでスタッフは上司や先輩社員という立場からお子さんに助言し、チーム内のコミュニケーションが円滑に進むように橋渡しを行います。お子さんはお仕事体験プログラムを通して、いろんな失敗をしながら「はたらく力」が少しずつ育っていきます。体験後に「難しかけど楽しかった」「仕事って大変ですね」と述べるお子さんたちの表情には、達成感や充実感が満ちています。

 最後に、セッションやお仕事体験でお子さんに伝えている「はたらく力」が私自身に十分にあるのだろうか?と日々自問しています。「仕事人」ポイントがまだまだ低い私ですが、お子さんの良きカーナビになれるように頑張りたいと思っています。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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