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【2022年度版】TEENS進路実績レポート(中3・高3)

2023年5月3日

TEENSでは毎春に進路納得度調査を実施しています。今回は2022年度のアンケートについてご報告をさせていただきます。

  1. 中3・高3の進路結果
  2. 合理的配慮について
  3. 進路の相談先
  4. TEENSのサポート
  5. 進路納得度
  6. まとめ

調査実施日:2023年3月2日~21日
調査回答:TEENSご利用の卒業学年の高校生80名、中学3年生60名とそのご家庭

1.中3・高3の進路結果

まずは、中3生の進路から。詳細はグラフの通りです。

中3生 卒業後の進路

中3生については、一見すると全日制高校を選んだ割合が多く見えますが、それぞれの選び方を見ると違った事情が伺えます。例えば高卒後進学志望のため支援級から通信制+サポート校に進まれた方や、通常級や通級利用から就労を見据えて特別支援学校に進学された方、通級が設置されている都立高校などでは、サポートを受けながら高校生活を送る中で、その後の進路を探していく方など、お子様それぞれの状況に合わせた選び方が見られていました。4/26に開催したウェブセミナー「進学進路研究会 放デイ中3生の高校選び」にて詳しくお話しております。今後まとめ動画を配信する予定ですので、ご期待ください。

なお「全日制私立高校」の中には中高一貫校で内部進学された方もおり、中学選びの段階でご本人に合った私立中学校を選ばれた方もいらっしゃいます。次年度以降の選択肢では「内部進学」などの項目を加えることで、より正確なデータとなるように努めます。

続いて、高3生の進路。詳細はグラフの通りです。

高3生 卒業後の進路

高3生について、昨年と比べると割合として就労や就労準備をされる方の数が増えています。今後の傾向を見てまいりますが、それぞれの項目について補足します。

「就労」については特別支援学校等から障害者枠で就労するケース、就労継続支援事業所に福祉就労するケースがほとんどで、配慮を受けながら働く選択をされていることが伺えます。

「就労準備」については就労移行支援事業や、生活訓練(自立訓練)事業等の障害福祉サービス事業所、障害者職業能力開発校などの公立機関などで就職や進路決定に向けた準備をする方としており、昨年に比べると10%ほど増えています。当社Kaienでも「じぶんを再定義し、みらいを再設計する場」と位置づけた自立訓練(生活訓練)の事業所を拡充しており、TEENSのすべての直営事業所の近隣地域に自立訓練(生活訓練)事業所が設置されたことで、高卒後の第三の選択肢として選びやすくなったことも背景として挙げられると考えています。

※各進路については「発達障害*と進路 | 学校選び・高卒後進路まで解説」ページもご参照ください。

2.合理的配慮について

22年度から合理的配慮に関する小目追加をさせていただきました。TEENSの受験生の実施は1割程度、そのうち試験時間の延長、文書等による注意事項の伝達、別室設定などが多い項目となっています。

 なお受験時に合理的配慮を受けるには、医師の意見書個別の教育支援計画、これまで学校内で行ってきた支援の実績などの「配慮の必要性」を証明できる書類などを求められることが多くなっております。

一定の準備負担もかかってはしまいますが、お子様にとってフェアな環境での受験実施が可能となりますので、TEENSでも合理的配慮が広がるよう、これからも働きかけてまいります。

図表でわかるシリーズの「受験時の配慮」にて詳しく説明しており説明しておりますので宜しければお読みください。

3.進路の相談先

学校、TEENSに次ぐ相談先として、今年は3番目に「その他の支援機関」が入りました。相談先の選択肢が年々広がっている印象です。昨年の記事でも触れたように、目的に合った機関を選び、うまく使い分けて相談ができると良いと同時に、TEENSも引き続き多くの方に相談先として選んでいただけるよう、努力を重ねたいと思います。

またアンケートの回答からは少数派ではありますが、どこに相談したら良いかわからない方は、ひとまず所属されている学校にて相談いただくことからはじめていただき、自身の特性や考えなどを整理しつつ進路を具体的に考える際にはTEENSなどの支援機関をご利用頂けると良いかもしれません。

4.TEENSのサポート

保護者様向け

ご本人様向け

TEENSで効果的だったサポートについての回答です。保護者の方・ご本人ともに「進路情報を知ることができた」「アドバイスをもらえた」が上位となりました。人生に関わる大切な進路選択にあたって情報を求めている方が多いのだと推測します。また情報を得たことが「不安が和らいだ」につながっているとも考えられますので、今後もご本人や親御様が進路を絞れるような「あと一押し」の情報提供をできるように努めたいと思います。

自分ひとりで正しい情報を得る事は難しいことと思われますので、ぜひ相談機関などを活用して情報を得て頂きたいと思います。

5.進路納得度

まずはご本人向けの回答です。

決まった進路先の温度感(本人)

決まった進路先の納得度(本人)

「とても納得している」「納得している」方の合計が8割ほどで、ほぼ「この進路を希望していた」方の割合と近い値が出ています。一方で第二志望の学校などへの進学になった方の納得感、というのはどうしても低くなってしまっています。入学後、ご本人が学校生活に前向きになれるようなサポートがTEENSに求められていると考えております。

続いて保護者の方向けです。

決まった進路先の温度感(保護者)

決まった進路先の納得度(保護者)

「納得している」「とても納得している」が8割を超える結果となりましたが、決まった進路が第一志望ではなかった方にとっては、相対的に現時点では納得とは言い難い状況もあるかと存じます。こちらも進まれた進路で充実した生活が送れるように日々のサービスの中でサポートをさせていただきます。

6.まとめ

情報社会である今、「いかにして情報を得るか」に皆様関心が高いことが感じられるアンケート結果でした。昨年のまとめでも書かせて頂きましたが、まずは<自己理解>、「どんな環境ならパフォーマンスを発揮し、健やかに働けるか」「自分にとってのやりがいとは何か」をぜひ深堀りしていって欲しいと思います。その方法がわからなかったり悩んだときは、いつでもお気軽にTEENSにご相談ください。

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TEENSでは、放課後等デイサービスオンライン講座の2つのサービスで、小中高生が楽しみながら就職・自立への準備ができるプログラムをご用意しています。

また、保護者の方向けに無料のウェブセミナーも開催。2023年5月20日(土)『TEENS公開保護者会 学習に困り感のある子へ上手なICT活用法』や2023年5月24日(水)『進学進路研究会 高校入試の合理的配慮』は進路選択に繋がる情報が得られたり子育ての先輩方とも繋がれる機会とりますので、是非ご参加くださいませ。

その他

【2021年度版】TEENS進路実績レポート(中3・高3)

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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