インターンの魅力をお伝えしていくこのコーナー。今回はインターンを通じてTEENS常勤スタッフになった、野田さんの紹介です!野田さんは1年間のインターン期間を経て、去年の春から新卒社員として働いています。
今回は、なぜKaien TEENSを選んだのか、インターンを通じての学びを聞きました。
新卒でソーシャルベンチャーに就職!なんて聞くと、「すごい行動力のある人だな」と思われるかもしれません。でも、学生時代を振り返るといたって地味で平凡な大学生でした。新しいところに飛び込むのが苦手で、特に目立った活動をしていたわけでもありません。飲食店のバイトに精を出し、貯めたお金で長期休暇期間に海外旅行に行く。どこにでもいそうな大学生といった感じでした。積極的に外に出るタイプでもないため、狭いコミュニティで過ごしていたなあと今となっては思います。
両親が教師ということもあって、自分も漠然と「教師になるのかな」と思い教職免許のとれる大学に進学しました。具体的なイメージは持たないまま、”なんとなく”先生を目指していた学生時代でした。
漠然と教師になることを考えていましたが、その考えは徐々に変わっていきます。大学3年生の頃、小学校でボランティア活動をする中で、学校にいる集団の子ども達の中から、外れてしまっているお子さんがちらほらいることに気がつきました。ちょうどその頃、大学の心理学の授業で発達障害*について学んだところでした。知識として学んだことを実際の現場を目の当たりにして、「自分は集団の子ども達を教える立場より、集団の中でこぼれてしまう子どもをどうにかしたい」と実感していきました。集団の中からこぼれてしまうお子さんに、自分は寄り添い続けたいな、と思いました。漠然とした「教師になる」という目標から、やっと具体的な形が見えてきた気がしました。
そうした中で、発達障害のお子さんと関わる仕事がしてみたいと思い、インターネットで「発達障害」「支援」「企業」と検索。一番上に出てきたのがKaienでした。初めてそこでKaienのことを知り、世の中にこんな企業があるんだと目からうろこでした。見た瞬間、「ここで働いてみたい!」と思い、求人情報を見ると新卒採用はしていないが、インターンを募集しているようだったので、即応募。
それが大学4年の春休みの時期でした。就活が始まる頃ですね。新卒採用はされなくても自分の視野を広げたい時期だったため、インターンに挑戦してみようと決意し、働き始めました。インターンを始めてからは毎回の勤務が刺激的で、一緒に働くスタッフも面白く、世界がぐんと広がりました。
昨年の秋に行われたTEENSのイベント『ドミノクエスト』にて |
「発達障害のお子さんと関わる仕事がしたい」、漠然と思っていましたが、それがなかなか自分の就職には結びついていなかったんです。なぜなら当時の無知な自分は、福祉は資格が必要で閉鎖的なイメージがあり、新卒で就職する場ではないと思っていました。だからいわゆる大手の企業の就活していました。
就活をしていく中で、世の中にはいろいろな企業があり、非常にどの仕事も面白いな、と思うようになりました。しかし、ではいざ自分がそこで仕事がしたいかと言われると「うーん・・・。本当にここで自分は働きたいのかなあ」といった感じでした。大手企業だと大きな会社の中でほんの少しの裁量しか与えられず、ベンチャー企業の方が自分のやったことのインパクトが感じられて面白いんじゃないかなあと思うようになりました。
このようにぶれぶれの就活でしたが、最終的には「やっぱり自分は発達障害のお子さんに関わりたい!」との思いが強くありました。Kaienのインターンをしつつの就活でしたが、勤務回数を重ね仕事をしていくうちに、その面白さを実感していました。働く前はベンチャー企業や自分に発達に特性のあるお子さんを指導することができるのか不安に思っていましたが、働いてみると仕事すべてが自分の関心事に関わっているため、非常にやりがいを持って仕事をすることができました。鈴木社長の考えで、『多様な力を合わせてチームとして最大のパフォーマンスを発揮する』というものがあり、その通りでKaienには様々なバックグラウンドを持った人がいます。そうしたKaienスタッフやインターンとの出会いも非常に刺激的でした。
優柔不断な性格ですが、自分がこれだ!と思ったことには迷わずに進む性格です。自分の選択に迷いはありませんでした。しかし、親はとても不安に思っていたようです。直接聞いてくることはありませんでしたが、それでも内心いろいろ考えていたと思います。新卒でベンチャー企業に入社は、現在でも主流ではない選択なので心配するのは仕方ないですよね。最終的には、どうしてKaienがいいのか、自分がしたいことは何であるのか、きちんと伝えることにしました。今では親が一番応援してくれて、「日本の社会にとって、Kaienの存在は絶対に必要だよね。頑張れ!」と、言ってくれています。
いざ社員として働いてみると、今までのインターンでは一部の面しか見えていなかったことを実感しました。インターンとして働いていた頃は、正直自分がどう動くかしか考えていませんでした。しかし、今はチームでどう成果を出すか、自分はチームの中でどういった役割を果たすべきか、といったように、個人ではなくKaienのチームとして結果を出すことを意識するようになりました。また、元インターンということもあり、積極的に現インターン生の働き方を考えるようになりました。「自分だけよければいいや」ではなく、インターン生が働きやすい環境を作るにはどうしたらいいか、インターン生がやりがいを持って勤務できるようになるにはどうすればいいのか、試行錯誤する毎日です。
Kaienには「15%ルール」というものがあります。鈴木社長のブログにもありますが、基本残業が認められていない中、特例的にみなし残業をし、その中で成果を出すといったものです(詳しい説明は社長のブログから)。入社して半年後、周りの後押しもあり立候補しこのルールの中でインターンの採用や働き方を考えています。正解がない中、考え、実行して、それを振り返りながらまた考えて・・・の繰り返しです。正直、不安な気持ちになることもあります。しかし、社長の鈴木さんのアドバイスを受けながら自分で動くことは、何よりもやりがいが感じられることです。普通、新卒だったらこんなに責任感のある仕事を任されることはありません。会社のトップの人の意見を聞きながら、どんどん自分で動くことのできる経験は、そうそうあるものではないと思っています。責任はありますが、非常に刺激的な毎日です。
「15%ルール」の社内プレゼン。毎月一回、全社員の前で報告をしています。 |
TEENSにはいろんなお子さんが通われています。一人一人性格も違うように、そのお子さんが抱える課題も様々です。TEENSを通じて、どうやってお子さんが将来につながる「生きる力」を身につけられるか、考えたりスタッフに相談したりしながらの毎日です。インターンの頃からも感じていたことですが、そうした一人一人のお子さんの課題に寄り添い、それを達成していく姿を見ることができるのが、この仕事の何よりのやりがいなんじゃないかなあ、と思います。社員として働くようになってからは、よりお子さんのことを考え、お子さんと接する時間も増えたので、1人1人の明確な目標や課題がわかるようになりました。たくさん悩んで、お子さんと一緒に課題が一つクリアできたときは、喜びもまたひとしおです!
また今は、現場の仕事の他にインターンの人の採用やどうやって働いてもらうかについて考えているので、インターンの人がいろんな形で活躍をしてくれていることを見ると非常に嬉しく感じます。
野田さんはいつもインターン生のことを考えてくれ、インターン生がやりがいを持って働けるようにいろいろな案を実行してくださっています。
木内は採用業務で野田さんと数ヶ月共に仕事をさせていただきましたが、比較的年齢の近い野田さんが大きなプレッシャーの中、試行錯誤しながら仕事に真摯に取り組まれている様子は、非常に勉強になりましたし、尊敬の気持ちでいっぱいです。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます