「発達障害の特性を理解できる学校に進学したいけど、情報がない…」とお困りの発達障害キッズとその保護者のために、TEENSがおすすめしたい学校情報をお届けします!
Vol.003は神奈川県横浜市 「星槎中学校・星槎高等学校」事務長兼教頭の蓮田先生にお話を伺いました!
生徒全員に個別指導計画を作成!ひとりひとりの発達特性や状況をきめ細やかに把握するための仕組み
「人を認める・人を排除しない・仲間を作る」を実践する実直な生徒たちを育む風土
”普通”に打ち勝つ 秘めた才能を花開かせるための「ひと手間」
学校名 | 星槎中学校・星槎高等学校 |
所在地 | 神奈川県横浜市 |
形態 | 全日制 |
入試 | ウェブサイトを参照 |
ウェブサイト | (中学校)http://www.seisahighschool.ed.jp/jrh/ (高等学校)http://www.seisahighschool.ed.jp/ |
岸(TEENSスタッフ)今回、発達障害*に理解のある学校インタビューの第三弾として、発達障害への専門的な教育アプローチを行っていることで有名な星槎中学校・星槎高等学校の蓮田先生にお話をお伺いしたいと思います。蓮田先生、よろしくお願いいたします。
蓮田先生 はい、よろしくお願いします。
岸 早速ですが…先生のご経歴と、星槎中学校・星槎高等学校の成り立ちの歴史についてお伺いできますか?
蓮田先生 はい。元々は一般企業で貿易関係の仕事をしていました。そこではまあサービスに対する対価というものは得ることができるのですが、人との関わり合いというのはすこし物足りなかったんです。
同時に学生時代から、子どもたちにバスケの指導もプライベートで行っていて。その活動の中では、子どもたちから泣きながら「ありがとう」という言葉をもらえたりするんです。お金ももちろん大事ですが、自分が働くにあたって、労働の対価としてどっちでを大切にしたいかな、と考える機会があって、そこから教員を目指すようになりました。
私が入った当初、15年くらい前ですが、星槎はフリースクールの運営をしていました。バスケの指導で子どもたちと接する機会というのはこれまでもありましたが、そこで出会った子どもたちは全然違いますよね。不登校の経験があったりとか、すごく自尊心が傷ついていて問題行動に走る子どもたちとか…。そんな子どもたちが学年に12名くらい、全体で40名くらいいる規模で、プレハブの教室から勤務をスタートしました。
当初、バスケの指導をしながらもらっていた感動以上のものをたくさん体験しましたね。ここにきている子どもたちはいじめだったり、不登校だったり、というような経験があって、先生からも周囲の仲間からも理解されていない子たちでした。でもここできめ細やかなやりとりを実現していくと、明らかに表情が変わっていくんですよね。みなさまもご経験されていると思いますが、彼らは本当に素直で、こちらが真摯に接すればそれは跳ね返ってくる子どもたちですから。たくさんの成長と出会うことができました。
その後、旧内閣府の不登校に係る構造改革特区(現文部科学省「教育課程に関する文部科学省指定校」)の学校として星槎中学校を開校することになって。正直言うと、その時揉めたんです。今まですごく小規模でやってきたことが、ひと学年60名となったときに本当に実現できるのかという話になって。今までのきめ細やかさを引き続き実現できるかという不安は大いにありました。
でも、勇気を出して決断して、規模が大きくなっても元々の生徒主体という目線を忘れなければ、きちんと教育効果というものはでてきました。規模が増えたことで、新たな可能性というのも増えてきていますしね。人間は個だけではなく集団の中で成長していきますから。現状、60名程度の定員のところになんとか80名程度はなんとかお引き受けしていて。更に二倍の方が毎年受験してくれています。たくさんの子どもたちの教育サポートができる体制を築いていかなければいけないなあとは思っていますよ。
岸 定員を増やしていく予定ということでしょうか?
蓮田先生 はい。ここからほど近いところに校舎を移転させて、できれば定員を増やしたいと考えています。あるいは、今我々がやれていない小学校の設置も検討中です。TEENSさんですとか、発達障害の早期支援をされていると思いますが、保護者の方が手軽にそういった支援を選べるようにできる社会にしなくてはいけないと思っています。
岸 星槎小学校…!それは入学希望者がたくさんいそうですね。
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