発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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発達障害児のための夏期講習『仕事力診断』中高生が参加したリアルな就労体験 開催報告

2017年8月26日

TEENS川崎の穂刈です。

TEENSでは、2017年7月25-26日 ・8月8-9日に「発達障害のある小・中・高生のための夏期講習」を開催しました。本日はその『仕事力診断』のコースについてレポートします。

リアルな就労体験

このプログラムの特徴は何といっても「リアルな就労体験」です。お子様には「アルバイト」という設定のなかで、面接>研修>業務>振り返り…の流れを体験して頂きます。

まずは面接。実際に業務を行う前に仕事場に来て頂き、個室で面接を行いました。入退室の方法・身だしなみ・姿勢・話し方などを細かくみていきます。

面接官はKaien就労移行支援の職業訓練講師が担当。管理職経験の豊富な面接官からの質問は、アルバイトどころか企業面接そのもの。お子さん達も普段慣れない場所・人に緊張している様子が見受けられました。

面接をクリアしたら、いよいよお仕事です。スタッフからの業務説明を受けたのち、古本の『検品』『商品説明文作成』の2つの業務を行います。

検品業務の様子。本のどこに汚れがあるのか、汚れは消えるのか、折り目や破れはないか・・など細かくチェックしていきます。

商品説明文作成。パソコンでサイズ・出版社・発行年数などを調べ、シートに情報を落としていきます。もちろん検品した情報も忘れずに記入します。

自分が作成したシートは情報に間違いがないか・漏れがないか、他の人にダブルチェックを依頼します。

 

もちろん仕事ですので、学校のように手取り足取り教えることはありません。分からないことは自分から質問、与えられた業務を終えたら自分から報告・・といったように自主的な行動を促していきます。

また、上司に判断を仰ぐのも重要です。古本の汚れは数字のように明確なものではないので、「これは破れですか?」「書き込みは汚れに入りますか?」など基準を確認することも大事なポイントです。1人のお子さんが「この本は新品同様と書いてよろしいでしょうか」と上司に判断を仰いでいることに気が付くと、「私のも確認いただけますか?」と聞いてくるお子さんもいました。業務時間は約4時間×2日と短い時間ではありますが、その場で成長するお子さんの力に感心してしまいます。

お金を稼ぐことの難しさと喜び

このプログラムのもう1つの特徴は「報酬」です。2日間の業務を終えた後は、実際に給料をお渡ししました。参加者はほぼアルバイト初体験ということもあり、とても大事そうにお金を受取り、大きな達成感を感じている様子でした。中には「こんなに頑張ったのに、これだけしかもらえないのか・・」とがっかりしたお子さんもいらっしゃいましたが、それも1つの勉強。お金を稼ぐことの難しさを学ぶ良い機会となりました。

後日、1人のお子さんに「こないだの給料は何に使ったの?」と話を聞くと、「兄弟の誕生日プレゼントを買った。そのプレゼント代に全部使っちゃったよ。」と何とも微笑ましいエピソードを話してくれました。本当は自分の好きな物を買いたかった等、愚痴もたくさん聞きましたが、「でもしょうがないよね。誕生日だから好きな物あげなきゃ。」と表情は嬉しそうでした。きっとご兄弟もさぞかし喜んだのだと思います。Kaienの職場だけではなく、その後の経験も彼らの大きな糧となることを祈っています。

今回参加したお子さんはTEENSを利用している方ももちろんいらっしゃいましたが、利用者以外の方がほとんどでした。次回の開催は未定ですが、またこういった普段の生活・学校では出来ない経験を多くのお子さんにして頂くことができればと考えています。決まり次第、こちらのブログやニュースレターでお知らせしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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