TEENSの飯島です。
さて、今回は『発達障害・グレーゾーンの子にオンライン支援は有効なのか?』について考えていきます。
本日からスタートの【ウェブTEENS】の宣伝をしたいがためでももちろんあるのですが…とはいえオンライン支援は向き・不向きがあります。
あまり向いていない子が時間とお金を浪費してしまうのはもったいないので、できるだけフラットにしたためていきたいと思います!
放デイTEENSは今現在9事業所、そして全国に10カ所のパートナー事業所があるのですが
放デイTEENSの利用待機者は全体で1,000人以上
…という恐ろしい状態です。本当なら事業所を増やしたいのですが、行政の規制などもありなかなか進まず…特に一番待機者が多い都内はこれ以上の開所は難しく、新規入所は年単位でお待ちいただくような状況です。
(なお、2月開所のTEENS北浦和はまだ余裕がありますので、お急ぎの方はぜひそちらご利用ください)
で、そんな中でコロナがやってきまして…TEENSは昨年4月から約1カ月半、すべてのプログラムをオンライン化し、ご自宅でセッションを受けられるように仕組み化しました。首都圏では再度の緊急事態宣言がでたこともあり、現在でも4割程度の方がオンラインでセッションに参加しています。
そのときはTEENS利用者のみに提供をしていましたが、「同じプログラムを受けることはできませんか?」というお問い合わせが相次いだため、この度【ウェブTEENS】として、全国どこでも受けられるオンラインサービスをスタートさせています。
オンライン、定額受け放題、医師監修プログラムを全国どこからでも…結構画期的だと思います。手前味噌ですが。
特に好きなプログラムを選べるというのがいいですね。手前味噌ですが。
発達障害*の子のSSTって指導者側が内容を勝手に決めて『与える』形式が多いですが、ウェブTEENSの場合はお子さん自身が興味のあるものを選び取ることができます。
今回、先立ってウェブTEENSのサービスを利用されてきた放デイTEENS生の保護者のみなさまからのアンケート結果を元に、発達障害の子へのオンライン支援、向き不向きを考えていきます。
オンラインの支援の良い所は?という質問に対して、一番多かった回答は『移動しなくてよいこと』でした。
当たり前と言えば当たり前なのですが…発達障害の子の場合、疲れやすい傾向があり移動が大きな負担になる子は多いです。
また、1時間以上かけてTEENSまで通っている子もいるので、往復2時間を移動に費やすのは確かに勿体ないでしょう。「家の近くに支援機関がない」…地方にお住いの方はこの問題は更に深刻なのではないでしょうか。
また、「放デイに通っていることを周囲の人に知られたくないので自宅で受けられるのは助かる」というご意見もありました。ご家族、ご本人ともに福祉施設を使うことに抵抗のある段階にいて、必要なサポートが受けられない…ということはよくあります。自分のペースで心の整理をつけながらも支援を受けていくには、オンラインでの受講は良いのかもしれません。
なお、ウェブTEENSは福祉サービスではないため診断書や受給者証の取得の必要はありません。診断が下りなかったけれど、お子さんの発達段階にあわせた学びの機会がほしい…という方にはおすすめしたいサービスです。
こちらはオンライン支援へ前向きな意見を寄せてくださった方の分析をしてみたところ、以下のような傾向がみられました
定型発達の子の場合、思春期に近づくにつれ保護者から離れ、同世代や先生などの親以外の大人との交流の中で、自己理解や社会理解を深めていきます。
一方で、発達障害の子の場合それがうまくいかないケースは多いです。
安心して交流できるのは家族だけ…
もっとおしゃべりしたいけど同年代との中では浮いてしまったり放課後待ち合わせしたりするのが難しい…
結果、Youtubeやゲームにのめりこんでしまう…
そんなお子さん、多いのではないでしょうか。
ウェブTEENSでは、チャットや投票、マイクを使いながら視聴者も発信しながら認知機能トレーニングやSST、お仕事体験に参加することができます。
ドキドキしながら自分の意見を人に聞いてもらったり、お互いの意見に共感しあったり…そんな風に思春期年代に必要な刺激を得られるのが、ウェブTEENSの魅力です。
オンラインの支援なので、身体をガイドしたり、環境を整えたりしながらの支援はできません。また、セミナー型のプログラムなのでひとりのお子さんに語りかけつづけているわけでもありません。
そのため多動だったり、具体物を使っての支援が必要な段階のお子さんにはオンラインの支援は不向きです。もう少し大きくなってからご検討いただくとよいかもしれません。
また、反抗期真っただ中のお子さんが親に勧められてこのようなプログラムに前向きに参加していくのはなかなか難しいかもしれません。心がイガイガしているタイミングでは、丁寧に関係性を構築していくような対応が求められます。こちらのケースの場合は、できるだけ『反抗期を迎えるの前に』ご参加いただくことが重要です。
一方で、いずれのケースも、オプションで用意しています『個別指導コース』であればはまる可能性があります。こちらは完全マンツーマンで、プログラム内容も調整しながら実施していきます。「近くに支援を受けられる場所がない!でもできるだけ早く始めたい!」という方は是非ご検討ください。
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本日初日、80名以上のお子さんが参加してくれました。
今まで首都圏のお子さんにしかプログラムを提供できていませんでしたが、こうして全国の子どもたちが必要なサポートを受けられる時代が到来しつつあることを思うととてもうれしいです。
TEENSの信念として「障害がない子でも受けたくなるサービスにする」というのを掲げています。
大人になるための【一歩先行く】準備。ウェブTEENS生たちのがんばりは、彼らが大人になったときにきっと財産になると思います。
みなさまのご参加をお待ちしています!
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます