TEENSの飯島です。今回はお仕事体験紹介シリーズ第3段です。8月に実施する運動系新プログラムのご紹介をします。
●参考
【人事部】発達障害のあるお子さんに「他者目線」を教えるには?
【Kaien義塾】お仕事体験プログラムで学習の”くせ”をアセスメント
知的障害については肥満の発症率は知的障碍児の方が定型発達児に比較して高くなるといわれていますが、発達障害と肥満の関係についてはまだ研究段階のようです。
が、確かに発達障害のお子さんの特性というのは生活習慣に影響を与える可能性が十分にあります。例としては以下のようなものが考えられます。
☆偏食がある…特に自閉症のお子さんは、味覚や触覚、嗅覚などの感覚の偏りの問題や慣れない食材への恐怖心などから偏食になりやすい傾向があります。
☆運動不足…発達障害*のお子さんは発達性協調運動障害を併発しやすいと言われています。体を動かすことの苦手さから運動をする機会が減りやすくなります。
☆薬の副作用…リスパダールやデパケンといった、発達障害のお子さんが処方される可能性のあるお薬の一部は食欲亢進や体重増加といった副作用があります。
ただ、実際には以上のような特性が全て肥満につながっていくかというとそうとも限らず、逆に瘦せ型になる子も多いようです。偏食で食が細くなったり、運動不足で筋肉量が少なくなったり、薬の副作用で食欲が減衰したり、多動気味でエネルギー消費が激しかったり…ということですね。ある研究ではADHDの特に男児は痩せ傾向がでやすいとも言われているので(逆のことを言っている研究もありますが…)、発達障害の人が必ずしも太りやすい、というようには今のところ考えなくてよいでしょう。
とはいえ、(私も人のことを言えませんが)体の使い方を知ったり、運動習慣の必要性を理解していくのは大切なことです。そこで今回作ったのが『KAIZAP(カイザップ)』という名前のお仕事体験プログラムです。名前からお分かりいただけるかと思いますが、トレーニングジムのトレーナーとして働いてもらう、という内容です。
ストーリーとしては、まずお客様のオーダーに合わせてトレーニングの内容とスケジュールを組みます。その後お客様がご家庭で自主トレができるように「お手本動画」の撮影をおこなう、というものです。
運動嫌いなお子さんが多いのでどうなるものかと思い今月に実験的に実施をしてみたところ、かなり好評でした。というのも、多くのお子さんは体を動かすこと自体は嫌いではありません。ただ、元々の粗大運動の苦手さからスポーツでは勝てない、学校ではクラスメイトに動きのぎこちなさを馬鹿にされてしまうといった劣等感が積み重なってしまいやすいのです。
今回のプログラムは仕事として運動をしてもらうので、勝ち負けはありません。メニューはストレッチが中心であり、素早さや複雑さよりも丁寧さや正確さが求められるため、粗大運動が苦手なお子さんでもボディイメージをもちながら体を動かすことができるようになっています。
また、プログラムの最後に撮影した「お手本動画」を見直すことで、自分の体の動きを客観的に見返すこともできるます。恥ずかしがって嫌がる子どもが多いことを想定していましたが、みなさん案外楽しまれていたようです。
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来月は「営業部」というこれまた新しいプログラムを行います!9月になったらご紹介しますので乞うご期待です。
●参考
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます