TEENSの田生です。TEENSでは2017年6月10日(土)に、第3回「発達凸凹があるお子さんのための合同学校説明会」を実施します。おかげさまで定員を超えるお申し込みをいただき、現在キャンセル待ちとなっております。改めて関心の高さや、「我が子にあった進学先を探したい」という保護者様の強い思いを感じているところです。
イベントに合わせて『発達障害のある子どものための進路相談のシリーズ』をお送りしています。シリーズ1回目では『通常学級・通級・特別支援学級・通級指導教室の違いと学校・学級を選ぶときのポイント』をご紹介しました。シリーズ2回目の今回は発達障害*のあるお子様にとっての中学受験という選択についてポイントをお伝えします。
TEENSに通うお子さんには、中学受験を視野に入れて学習をしている方も一定数いらっしゃいます。
必ずしも中学受験をすると確定しているわけではなく、「今通っている小学校では素晴らしい支援体制に恵まれている」「地元の公立中学でも配慮は受けられそうだ」という方もいらっしゃいます。一方で、今が安定していたとしても、今後何らかの要因によって、うまく環境の変化になじめず不登校になっている可能性もあります。つまり、その時にならないとわからないのですが、中学受験の準備をしながら、同時進行で地元の公立中学の情報も集め、いざというときに選ぶことが出来るように準備をしているというご意見も聞かれます。
中学受験を考えた方・経験した方のお声としては以下のようなご意見があります。
このように中学受験に向けて前向きな声がある一方で、中学受験という選択は、発達凸凹を持つ全てのお子さんにお勧めできるものではない、と言えると思います。中学受験を目指すことでお子さんにかかる負荷、必要なスキル、それを乗り越えた後のメリット、お子さん本人の意思の大切さ…様々なことで迷われる親御さんも多いかと思います。一定以上の学力、集団授業についていける力、忍耐力、高いモチベーションなどが必要になってくるためです。
お子さん本人の意思も大切です。なんにでも興味を持つお子さんの場合、親御さんが道を示してあげただけでやる気になってくれることもあるでしょう。目標があることで学校生活へのモチベーションが上がるなどのメリットも期待できます。一方で、受験勉強のストレスなどに耐えられるかどうか、一度ご本人の意思と覚悟を確認する必要があります。
どちらにしても、お子さんたちが長い時間を過ごす学校が、自分の居場所を確保できる場所であることが一番大切なのではないかと思います。正直なところ、入ってみないとわからないことだらけですが、学習自体は続けながら、ご本人の力を引き出せる環境を選んでいけると良いのではと思っています。
勉強が出来るから、生きやすくなるかと言えばイコールではありません。ただ、勉強に限らず、自信の持てる何かがあるということは、お子さんの自己肯定感に大きく役立ちます。人より天才的な何かでなくとも、好きなこと、得意なことを見つけて、伸ばすことが出来れば、それがいろいろな面でプラスに作用するのではないかと思います。
次回は、通信制高校・通信制サポート校という選択についてお話ししたいと思います。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます