――――授業形式は集団授業ですか?
檜山先生 生徒に合わせて受けられます。中にはこの科目が嫌いだ、みんなと同時に学習を進めるのは難しいという生徒もいるので、そういう場合は、個別で学習を進めていきます。お子様のペースに合わせてこの時間は個別、この時間は集団という様に使い分けて受けることもできます。例えば、数学が大嫌いで教科書開くのも嫌だという生徒で、ただ黙々とやらせても手がつかないので、個別指導で気持ちが盛り上がるように寄り添うことで、最終的には一人でレポートを完成させて「先生」と言って持ってきてくれるまでになった、という例もあります。苦手意識の強い科目は個別で、そうでない科目の授業は集団で、集団に疲れたら個別に戻して、といった様に少しずつ無理のない形で集団との関わりを継続し、慣れていけるよう配慮しています。
――――すごいですね。どのお子さんもオーダーメイドというか、その科目が得意か不得意か、集団が得意か不得意か、という点で自由に選んでいける。本当によいですね。集団だと理解が難しいけど個別だと理解が進むというお子さんも多いと思いますので。
檜山先生 はい。卒業したら大学、専門学校、就職するわけで必ず集団の一員として関わっていかなければならない。ですから、苦手だから集団に関わらないのではなく、関わる時間も作ろう、尚且つ、落ち着ける個別指導の時間でも能力を伸ばしていけるよう、生徒の状況を見ながら対応しております。
――――では次に、発達障害のある生徒さんも在籍されているかと思いますが、そういったお子さん方は何を魅力としてこちらに入学されてくるのでしょうか。
檜山先生 我々も入学した生徒・来校した保護者に何を魅力としてわせがく高校を選んだか と聞くと皆さん登校コースが選べるのが魅力と仰います。やはり、高校3年間週2日だけで満足ということは無いので、途中からコース変更を選択できるのが一番の魅力という方が多かったです。元々、中学校へは思うように通えなかったが高校へ入学したら毎日通えるように なりたいという方が多いので、現状も最初は2日制から始まって最終的には5日制を選択される生徒が多いですね。ですので5日制は満員なのですが、満員だからと言って2日制に戻してもらうこともありません。子どもたちの希望を受け入れていく方向で対応させて頂いています。
次に出てくるのは、やはり学習面の柔軟さです。先ほどお話しましたように中学の基礎から学べる、復習から始められる部分と、授業形態も集団と個別を自分のペースに合わせて進められる点も非常に魅力として感じていただいているという状況です。
――――学校の特色の部分がまさに発達障害のある生徒さんにも一番魅力になっているのですね。ところで、 パンフレットなどを拝見しても、生徒さんの笑顔が本当によいな、と感じます。そのような笑顔を引き出せる何か秘訣のようなものがあるのでしょうか。
檜山先生 入学される頃の生徒や親御さんの顔を見ると、どことなく沈んだお気持ちで来られる方がとにかく多い。相談会などで生徒さんに、最近心から笑ったことありますかと質問すれば、まず「ありません」と答える。なので我々は、そういった生徒さんたちをいかに笑顔に変えていけるか、笑顔の出る場面を増やしていけるかが使命だと思っています。
入学後、子どもたちが1年を振り返った時に、できなかったことを反省する数より、できたことに多く気づけるようになってほしいと思っています。我々職員も笑顔でいると、生徒は安心できる環境の中で学ぶことの楽しさを学び、学校の楽しさを知り、人との関わりの楽しさを知る中で自然と笑顔が増えるのだと思います。入学時とは別人のようによい顔で卒業していく生徒も多く、笑顔の力は抜群です(笑)。
特に、新入学ですと中学校は全欠だったという生徒が多くいます。ただ、そのようなお子さんも当校に入ってから皆勤ということも多々あります。もちろん本人の中でも変えようという意識も非常に大切だとは思いますが、行きたくないという気持ちになっている生徒から、いかに行きたい気持ちを引き出すかも我々の役目だと思うので、いろいろな角度から興味を引き出すようにしています。
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