TEENS三鷹の豊田です。
TEENSには、様々な強みを持ったお子さんが通っています。今回は自分の考えを絵で表現することが得意なAくんが制作したTEENSのゆるキャラをご紹介します。
小学5年生のAくんは、セッションの合間を使って好きな絵を描いて過ごしています。気遣いするがあまり、気持ちを言葉にすることが苦手な面もありますが、絵を介することで、自分の中にある様々なストーリーをスタッフに示すことが出来るお子さんです。これまでも、掲示するカレンダーや注意喚起のポスターなどをお願いして書いてもらうことで、本人とのコミュニケーションをとりながら、働きかけにどう捉えるか、どう表現するかを見守ってきました。
少しマンネリ気味であったこの活動が動いたのが「TEENSのゆるキャラつくってくれる?」という言葉です。Aくんはゆるキャラという言葉に反応し、いつも以上に黙々と書き始めました。TEENSのロゴにある月をモチーフに自分なりのイメージを膨らませ素敵なキャラに仕上がりましたが、あまりにもパッと書き上げてしまいましたので、スタッフが「Aくん、仕事として頼んでるので、案は一以上出して検討してもらえるようにしたら?」「線がぶれているので、丁寧に描きなおしてほしい」「ブログに載せれるかもしれないからパソコンで取り込んでもよいような着色をしよう」など次々と注文をしてみました。
そのことも素直に受け入れ、こうしたい、この方がいいなど自分なりの考えを伝えながら、時間をかけ取り組みました。それでも自発的に「ゆるキャラは?」と聞くなど、長期に渡る活動でも意欲は衰えませんでした。
自分の作品がインターネットで公開されるかもしれないという非日常な活動が、本人の心を掴んだのだと捉えています。
ゆるキャラの背景など解説を書いて欲しいとの依頼には、当初「出来ません」と拒否されてしまいました。それでも会話の中から、月の満ち欠けのように気分によって色が変わる「つきの先生」、スタッフが太陽だと思っていたキャラクターは大きさが70cmで足が8本ある「つき虫」でという生物で「足し算がちょっと苦手」であることをポツポツと話してくれました。
本当はもっとたくさんの考えが、イラストの線や色合いひとつひとつに込められているのかもしれません。私たちがその全てを受け取ることは出来ないかもしれませんが、彼の全ては恐らく絵の中に込められているのでしょう。出来ないことを出来ることでゆるっと補う。見ている周りをその技でほっこりさせる、まさに子供たちの潜在能力はゆるキャラだと感じています。
発達障害*の子供たちは、日常の生活の中で自分の中のちょっと目立ってしまう部分で不自由さを感じ、自信をなくしてしまっていることも少なくありません。TEENSでは、プログラムを通じ、子供たちが、自分の特徴を強みと捉え、ひとつでも多くキラリと光る個性として感じられると良いと考えています。
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます