発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
MENU

千葉県千葉市 / 東京都中野区 「明聖高等学校」| 発達障害に理解のある学校 インタビュー特集 vol.002

専門学校を招いての職業体験 具体的に将来をイメージしていくための仕掛けづくり

森谷 ありがとうございます。卒業後のキャリアのサポートはどのように行っていますか?

長谷川先生 去年は現役で大学に進んだ生徒が51。専門学校の方が少し多くて70くらい。就職も90超えましたね。進学校ではないので、大学大学!というよりもやりたいことをみつけて、それを後押ししていくというような体制になっています。

まず進路指導についてお話しすると、全日コース、全日ITコースでは、例年5月の下旬に、進路ガイダンスをやるんですね。我々は進路対策ウィークと呼んでいるんですけど、一週間かけて1~3年生までが自分たちの将来に向き合います。

ほんの一例ですが、色々な分野の専門学校の先生にきていただいて、校内で体験授業をやるんです。動物系だったら犬を連れてきていただいてトリミングしたりとか。自動車の学校だったら、小さなエンジンを組み立ててみて、屋上で動かしてみるとか。パティシエの学校がきたらお菓子作りをしたりとか。福祉の学校がきたら目の見えない、ブラインドの体験とか、車いすの体験をしてみるとか。いろいろな分野について生徒に体験させてみて、これはできそう。これは本当に無理、というのを絞りをかけていって。世の中には様々な職業があるのだということを知ってもらうことから始めます。

で、高校3年生の春になったころにこれだ!というものが見つかったら、具体的に進路を考えていきます。じゃあこれならこういう大学だね、これならこういう専門学校だね、家から遠い方がいいか、近いほうがいいか、というようなことも含めて一緒に考えながら条件にあうような進路先を探していきます。

あとは3月には、近くのホテルを貸し切って60校くらいの学校を招いて進路ガイダンスをやるんです。で、保護者の方も子どもと一緒にブースに回って、資料をもらいながら進路相談ができるような、独自イベントも実施しています。学校全体で徹底的にサポートしていきますよ。

進学に不安があるような生徒には、進学先の学校と事前にコンタクトをとって、保護者の許可も得ながら実際にお子さんの様子を見てもらうこともあります。事前に躓きそうなポイントを率直にシェアしていくんですよね。進学後、きちんとサポートをしてもらえるかどうか、本人が安心して通える環境かどうかすり合わせをしていくんです。そういう繋がりをもっている学校はいくつかあります。

森谷 なるほど。就職を選択したい場合はどんなサポートがありますか?

長谷川先生 基本はハローワークの「高卒見込みの求人票」の紹介と学校独自求人の紹介となります。「障碍者枠」で、ということであれば、登録をするための適性検査の紹介もします。

必ず保護者と担任が立ち会っています。公文みたいなプリントを取り組んだり、砂袋をもちあげられるとか、バラバラになった水道の蛇口を何分で組み立てられるかとか、番号札を何分で色わけの整理が的確にできるかとか…。やっていくんですよね。

森谷 生徒たちはどのように就活をするのでしょうか?

長谷川先生 職種や給与額、自宅通いか一人暮らしか?様々な希望や条件について一緒に面談をしながら決めていき、一緒に求人を探します。あわせて、面接指導や小論文対策もします。

あとは、希望の会社をひとつに絞らずに、不採用だった時に備えて3,4つは考えるようには促しています。ひとつうまくいかなくなったときにめげないように。事前に見通しがつくように、ひとつダメでも次がある、となるように、作戦を練っておくのが大切ですよね。

忙しい保護者とも密な連携を「夜間の保護者相談室」

森谷 保護者の方との連携体制も整っている印象ですね。

長谷川先生 電話や面談でこまめに連絡が取りあえるようにしていますが、ユニークなものとしては夜間の保護者相談室を開いています。

共働きだったり、シングル家庭だったり、お忙しい親御さんも増えていますから。。平日日中子どものことを相談したいけど、なかなか時間の確保が難しい。なので、週1回、火曜日18:00~20:00に相談窓口を開いています。本校が時間をあわせることで、密な連携体制が維持できています。

森谷 入学前の保護者とのやりとりはどのようにしていますか?

長谷川先生 登校が苦手・集団が苦手・学力に不安がある、という生徒が多い学校ですから。当然親御さんも不安を抱えています。なので、もし興味があれば一度見学にきていただくことをおすすめしています。いらしていただければ、実際に使っている教材などもご確認いただけるので。

色んな子どもたちが通ってくれている環境ではありますが、誰でも何でもOK、というわけではありません。明聖高等学校がその子にとって意味のある教育が提供できるかは、きちんと見極めて真摯にお伝えするようにしています。

ここで学びなおしのプログラムに参加するのがよさそうな子もいれば、中には勉強よりもより生活や仕事に密着したスキルを身につけた方がこの子の将来のためになるのでは、と思われる子もいます。そういう子には他の道を薦めることもあります。

本校の教育目標は『自主自立』。ここ何年か学校案内やHPにも掲載していますが、『君の笑顔のために』、というスローガンを掲げています。本校に通うことが決まった子どもたちには、みんなが楽しく学校にきてほしいと思っていますし、そういう風に導いていくのが私たちの責任だと思っています。

森谷 そのスローガンが、手厚いサポート体制を実現させているのですね。本日はどうもありがとうございました。

凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹

マイクロフォンのマークインタビュー校を募集!

TEENSでは発達凸凹の子どもたちの進路選択の幅を広げるべく「発達障害*に理解のある学校」の情報を集めています。
「我こそは発達障害フレンドリー校だ!」という学校関係者のみなさま
「わたしの通う学校こそ発達障害フレンドリー校だ!」という在校生・保護者のみなさま
「この学校について詳しく取材してほしい!」という受験生・保護者のみなさま

ぜひこちらのページで紹介させてください。情報をお待ちしております!
teens@teensmoon.com (学校インタビュー担当 宛)

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

 
1 2 3 4 5
ページトップへ