発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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千葉県船橋市 「わせがく高等学校」| 発達障害に理解のある学校 インタビュー特集 vol.007

スモールステップで登校しよう 自分の段階に応じて変更できる登校コース

――――次に学校のことを詳しく伺いたいです。まず、わせがくの魅力とはどういった所ですか。

檜山先生 最近はIT化など様々な形で最先端のシステムを採用しようという学校が増えていると思いますが、基本的に私たちは対面指導を重視し、3つの登校型を採用しています。まず、月曜から金曜日までの平日に毎日通うコース、次に月曜と木曜の午後のみ通うコース、そして月1回相談日を設けた在宅学習のコース、をご用意しております。さらに、最初は「これだったら通えるよ」というコースから始めていただいて、徐々に自信がついたら登校のコースを変更できるという方法を採用している点も魅力だと思います。

――――それは安心ですね。コースを変更できるタイミングは決まっているのですか?1年で入ったら2年から変更できるとか。

檜山先生 原則としては半期ごとにはさせていただいているのですが、今がタイミングだ、という時には途中からでもコース変更が可能です。ですから、子どもたちの表情を見て、これなら通えるかな、という時に生徒に声をかけてみて、本人の意思を確認した上で保護者の方に「いかがですか」というお話をしています。

個人に合わせた授業形態で、中学校の基礎から3年間で高校に追いつくカリキュラム

――――生徒さんの状況に応じてどのタイミングからでも変更できるのは魅力的ですね。

檜山先生 自分のペースで学習できるというのが本学の売りだと思っています。

次に、学習内容に関してですが、国・数・英に関しては基礎科目という独自科目がございまして、例えば国語でいうと「聞く・書く・話す」や読書、数学なら掛け算九九、英語はABCのアルファベットから扱います。そのほかに商業などという科目もあります。また、コミュニケーション、つまり、どうしたら人とのかかわり方がうまく行くかを学ぶ独自科目などもあります。

――――いわゆる小学生の内容からでも学び直しができるのは安心できますね。また、発達障害のあるお子さんですと、コミュニケーションの取り方が難しいと感じている方も多いので、そういったコミュニケーションの授業があるのは心強いと思います。独自科目については小学校・中学校レベルの授業になると思いますが、そういったものも卒業の単位には入るのですか。

檜山先生 はい。やはりどうしても最初は苦手意識を強く持たれた生徒が入学してきますので、教科離れを防ぐためにも、まずは教科の勉強を好きになってもらうことを目指しています。数学でも、苦手だ、嫌いだという生徒さんが非常に多いのですが、苦手な単元を確認するためにも、まず最初は中学校の総復習から始める感覚で基礎固めをしていきます。それと同時に高校の内容も同時進行で取り組み、できれば3年後には追い付く、もしくは追い抜くところを目標にするのが本学の学習の進め方です。

教科学習や学校生活を通じて、なるべく笑顔を出せるような授業展開や、先生を身近に感じ、気軽に話せるような環境づくりというのも意識しております。例えば最近の終講式で、レポート課題とか冬休みの課題をHRに持っていくときにサンタクロースやトナカイになり生徒に渡すということもありました。

――――まさに型には捉われない、と。

檜山先生 こういった対応には賛否両論あると思いますが、子どもたちの学校へのイメージを変えて欲しくて意図的に行っています。子どもたちの物事の受け取り方も大人の出方で変わってしまいますから。暗く険しい顔で担任の先生がレポートを持って来るより、みんなが頑張った結果をプレゼントするよ、という雰囲気で返したほうが学校全体のイメージが明るくなると思います。学校は嫌なところ、勉強は苦手で嫌なもの、という子どもたちの捉え方が180度とまではいかなくても、今までより100度くらい良いイメージに変わってくれたらいいと思って行っています。

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