大橋 ちなみに、特別支援学校からの再入学をされる方もいらっしゃると聞いたのですが。どういう背景なのでしょうか?
大和先生 ここは正直なところ、少しややこしい話なのですが…。公立の先生は中学で支援級であれば高校は特別支援学校だろうという固定観念がある方が少なくありません。うちのような学校に来れば普通高校の卒業資格を得たり学び直しができるのに…そのあたり正しくご理解いただけていないんですよね。
学校の先生から説明がないと、特別支援学校が通常の高校と同じだと勘違いしてしまう方も多いんです。そのことに気がついて、うちの学校に転入を希望される方もいらっしゃるのですが、特別支援学校の2年になって、うちに入りたいとなったときに、転入や編入というのはできないんですよね。特別支援学校は高校としての単位が取れるわけでないので、途中から転入や編入はできないので、ということになる。
なので、最近は、中学3年生のご家庭に、直接このような情報を積極的に発信するようにしています。特別支援学校か興学社高等学院かどちらか迷っています、という方は、途中からこちらに編入はできないので、そこは踏まえて判断してくださいね、と。
大橋 再入学される方はどういったことを希望されているのでしょうか?
大和先生 やはり、特別支援学校では本当に望んでいる学びが得られなかった、というのが大きいと思います。
先生や親御さんが言うから特別支援学校に入ったけれど、やっぱり違った、と。勉強だってやろうと思えばできるのに、その機会すらほとんどなくなってしまって、自己肯定がすごく下がった状態で。
佐藤先生 重度な知的障がいがあったり、中学卒業後の就職を望んでいる子どもたちであれば特別支援学校というのは非常に大切なシステムだとは思いますが。でも、学ぶ意欲が高い、でも特性からなかなかうまくいかない、という子には合わないですよね。
子どもたちが生き生きと学べるような、彼らが望むような高校生としての人生を歩めるような学校にはなっていると思います。
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