これであなたもパワーアップ!日々のバトルを生き抜く”セルフアドボカシー”講座
苦労や悩み多き子どもたちにセルフアドボカシーのスキル(自分を活かす交渉術)と行動力を授けるシリーズ。
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あら、しずか君、こんにちは。今年もハロウィンが盛り上がったわね!
そうですね。飯島先生、あの、ぼく、あの、相談なんですけど、文章をすらすら読めないんです…。
お医者さんからは「ディスレクシアだからだね」って言われたんですけど、ディスレクシアってなんですか?
あらあら、そうだったの。なるほどねー。
ディスレクシアっていうのは限局性学習障害の一種よ。SLDとか、LDとかっていったりするわ。学習障害っていうのはね、知的な問題はないのに、聞くとか、話すとか、読み書き計算とか、勉強にかかわることだけすごーーく苦手な人のことをいうのよ。
その中でも、しずかくんはディスレクシアって言って、読み書きが苦手なのよね。
確かに、ぼく聞いたことはすぐ理解できるんですけど…どうして読み書きだけできないんですか?
人によって原因はちがうのだけれど、しずか君の場合は他の人と文字の見え方がちがうみたいね。
え、そうなんですか!?
うん。例えばこーんな風にぼやー、とか
反転して見えたりとか
ぐにゃーとか
見えたりしない?
確かに、字を見て少しするとぐにゃーって見えてます。それが普通なんだと思ってました…
見え方が違うときはね、専門機関(せんもんきかん)でトレーニングを受けたりとか、色つきのメガネとか、自分に合うグッズを見つけて見えやすくなるための工夫をしたりするのだけれど、聞く力の高いしずかくんにおススメしたいのはこれかな.
テレテテッテテーン!音声教材(おんせいきょうざい)!
なんですか、これ?
これはね、教科書の内容を読み上げてくれる教材なのよ。
ええ!すごいですね。でもお高いんでしょう?
ふふふ、なんとこちら、無料で使えるのよ!「デイジー教科書」で検索してみてちょうだい。
大変だ!すごい!わかりました!
【関連ページ】ディスレクシアのしずかくん 板書が間に合わない…ICTを活用しよう!
限局性学習障害(げんきょくせいがくしゅうしょうがい)
色々な呼び方がある。LD(えるでぃー)とかSLD(えすえるでぃー)とか、特異的発達障害(とくいてきはったつしょうがい)とか…。メンマとしなちくのようなもので、呼び方は違うが中身は大体一緒なので気にしなくてよい。
エジソンとかアインシュタインも学習障害だったらしい。最近だとスティーヴン・スピルバーグさんという映画監督が有名。
ディスレクシア(読み書き障害)
友達にディスカリキュリア(算数障害)、ディスグラフィア(書字障害)がいる。
▼子どもたちが発達障害*を正しく理解するために(SLD(限局性学習障害)編)
SLDは発達障害の中でも特に理解されにくい障害です。名前の通り、学習にかかわることでか”限局的に”困り感がでてくるためできることとできないことの差が激しく、「さぼっている」「努力が足りない」と誤解を受けやすいのでしょう。
今回の記事やディスレクシアのしずかくん 板書が間に合わない…ICTを活用しよう!でもご紹介しましたが、便利なツールをうまく活用して、苦手を補いながら本来の力を引き出すような働きかけができると理想的ですね。
▼啓発と同時に目指す、子どもたちの自己理解
発達障害への理解を高めるための啓発活動は重要です。しかし、実はそれ以上に大切なのは当事者である子どもたち自身が発達障害への正しい理解をすすめていくことが大切です。
お子様が誰かと”発達障害”について話す機会はどれくらいありますか?多くの方は診断を受けるときなど何か特別なタイミングに限定されているのではないでしょうか。子どもたちはインターネットを通じて自分で情報をとりにいくことが少なくなくなってきましたが、いかんせんネット上の情報は玉石混合であり、子どもたちが誤った情報に触れてしまうリスクは非常に高いです。
▼性教育ならぬ”特性教育”の必要性
子どもたちと発達障害について、フラットに話す場を設けるのはなかなか難しいでしょう。しかし、悪意ある誤った情報に子どもたちが触れてしまったときに、傷つくのは彼ら自身です。
別の分野ですが、日本では性教育が遅れている反面「性情報」に触れる機会は年々増加していることが問題視され、教育の場で躊躇せずに正しい情報を伝えていくことの重要性が叫ばれています。同じように、発達障害についても、子どもたちが正しく学ぶ権利を保障していく必要があるでしょう。
子どもたちが発達障害について正しく理解すること。そのうえで自己理解を深め、ありのままの力を活かした人生を送っていくこと。その姿自体が最大の啓発活動に繋がっていきます。
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
このページでは、発達凸凹のある子どもたちが自分の特性を理解・受容した上で、どのように社会に対して権利主張をしたり合理的配慮を求めればよいかをご紹介しています。子どもたちが生活の中で困り感を感じることがあった際に、参考にしてください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
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