これであなたもパワーアップ!日々のバトルを生き抜く”セルフアドボカシー”講座
苦労や悩み多き子どもたちにセルフアドボカシーのスキル(自分を活かす交渉術)と行動力を授けるシリーズ。
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はい、じゃあ今日は飯島先生から、みなさんに『セルフアドボカシー』についてのお話をしまーす
なんですか、『セルフアドボカシー』って。日本語で言ってくださいよ。
アボカド??アボカドならおれはきらいでーす
わたしは好きでーす
予想どおりのいい反応ね~。アボカドは私も好きだけど、アボカドじゃあないのよ。『セルフアドボカシー』っていうのは、日本語では『自己権利擁護(じこけんりようご)』って言って、自分に必要なサポートを、自分でまわりの人に説明して、理解してもらう活動のことをいうの。
例えば足に障害のある方がいて、立ち上がって歩けないとします。こんなとき、こころちゃんだったらどうすればいいと思うかな?
え!?う~ん…車いすを使えばいいんじゃないのかな?
なるほど。でもみんな立って歩いてるのに、ひとりだけ座ったままなんてずるいと思わない?
誰もそんないじわる言わねーよ!足が動きにくいなら、自分の力でどこでも行けるように使えるモノを使うのは当たり前じゃん!
あら、ハイパー君いいこと言うわね。そのとおりだと先生も思うわ。今ハイパー君が言ってくれたみたいに、自分の力を引き出すために何か使う必要がある!と主張するのは、まさに『セルフアドボカシー』だね。
でも、飯島先生…ぼく、この前、ノートを書きうつすのが間に合わないから、国語の先生にパソコンを使いたいって言ったんです。そしたら、「しずか君だけパソコンを使うのは不公平になっちゃうからダメだよ」って言われたんです。
ぼくも昨日、周りがうるさいから授業中にイヤーマフをつけていたのですが、失礼だから外せって怒られましたよ。
たしかに、みんなの苦手なことって、目に見えることじゃないから理解してもらえないことがたくさんあるよね。例えば耳が聞こえない人にはどういうサポートがあるといいかは、私たちもなんとなくならイメージができるけど、みんなの場合はなんで困っているのか周りの人にはよくわからないから「頑張ればできるでしょ」って誤解(ごかい)されちゃうんだよね。
それに、たしかに教室にはなにをもちこんでもOK!っていうわけにはいかないから、先生たちもルールどおり動こうとするし、特例を認めるっていうのはなかなか難しいんだよね。
だから、「どういう配慮(はいりょ)が必要か」だけじゃなくって、「どうして配慮が必要か」というのもきちんと説明しないといけないね。
え~…せつめーってどうすればいいの?
診断書(しんだんしょ)とか、検査結果(けんさけっか)とか、お医者さんがだしてくれるような紙をみてもらうというのがまずひとつと、…あとはそれだけじゃなくて、自分の口から、自分にはどういう特性があるから、どういう配慮が必要で、それをするとどういうことができるようになるのか説明ができた方がいいよ。最初は親御さんや私も協力するけど、大人になったときのことを考えると、今から練習していった方がいいからね。
そのために、まずはみんなが自分自身の強みと弱みを理解していこう。他の人に理解してもらうためには、まずは自分で自分のことをわかっていないといけないからね。
そっかあ…ちょっと大変そうだけど…がんばってみようかなあ。ちゃんとズルいことじゃないって、私ががんばるために必要なコトだって、自分で言えないといけないですもんね。
うん、そのとおり!覚えておいてほしいのは、セルフアドボカシーは、ワガママでもあまえでもなくて、フェアな形で挑戦(ちょうせん)していくためのものなのよ。ひとりひとりの考える力や表現する力、行動する力を目いっぱい発揮できるように、まわりの人にもできるかぎり協力してもらって、環境を整えるっていうのはとても大切なことなの。
こういうのを「合理的配慮(ごうりてきはいりょ)」って言うんだけど、それはまた、今度お話するね。
セルフアドボカシー
略してセルアド。自分の権利を自分で主張すること。例「ぼく昨日、先生にセルアドしたんだ」
▼セルフアドボカシーとは?
”アドボカシー”とは、元々社会的に立場の弱い方に代わって権利を主張することを指します。これまで権利擁護の歴史の中では、障害のある子どもたちの意思や欲求は保護者や支援者が代弁をしてきました。
しかし、近年では『自己決定の権利』という考えのもと、当事者自らが実現したいことを考え・言葉にしていくことの重要性が見直されるようになりました。これを”セルフアドボカシー”と呼びます。
▼自立にむけてセルフアドボカシーのスキルを育てる
発達障害*のある子どもたちは、自分の考えを相手にわかりやすいように伝えることに苦手さがあります。また、目に見えない障害であるがために周囲も彼らの状況を理解することが難しいです。そのため、周囲の大人たちはつい子どもたちの気持ちや思いを代弁してしまいがちですが、それを続けてしまうと彼らが本当に叶えたいことが置いてけぼりになってしまいます。また、彼ら自身が発信をする機会やそのための力を奪ってしまうことになりかねません。
”転ばぬ先の杖”を与えるだけでは、子どもたちの自立には繋がりません。彼らが、自分たちの手で周囲と交渉していくための力を授けられるようなサポートをしていきましょう。
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
このページでは、発達凸凹のある子どもたちが自分の特性を理解・受容した上で、どのように社会に対して権利主張をしたり合理的配慮を求めればよいかをご紹介しています。子どもたちが生活の中で困り感を感じることがあった際に、参考にしてください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
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