発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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障害者手帳・受給者証

こちらのページでは、発達障害児に関係する「障害者手帳」と「障害福祉サービス受給者証」について解説していきます。

障害者手帳

障害者手帳現在発達障害*のある方が取得できる可能性のある障害者手帳は療育手帳または精神障害者保健福祉手帳の2種類です。多くの場合はどちらか1種類ですが、2種類お持ちの方もいらっしゃいます。障害者手帳を取得すると様々なメリットがある一方でご本人や周囲の捉え方によってはデメリットが生じる可能性があることも事実です。手帳保有のメリット・デメリットをあらかじめ検討された後、申請されることをお勧めします。

名称 療育手帳
(愛の手帳、みどりの手帳など
名称は自治体によって異なる)
精神障害者保健福祉手帳
対象者 IQ値が70~75以下の方。知的機能の障害が発達期にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にある方。

※一部自治体では、境界知能域(知能指数91以下)でも、自閉症の診断を受けると療育手帳(B2)が交付される。

精神障害や発達障害があるために日常生活・社会生活への制約がある人
申請方法
  1. 本人(保護者)が、自治体の福祉事務所または障害福祉担当窓口へ申請する
  2. 児童相談所(18歳以上の場合は知的障害者更生相談所)で、心理判定員・医師による判定を受ける
  1. 本人(保護者)が、福祉事務所または障害福祉担当窓口で申請書を受け取る
  2. 医師の診断を受け、診断書をもらう
  3. 申請書・診断書・写真を担当窓口に提出する
再判定

原則2年毎の更新だが、実情は自治体によって大きく異なる。以下は東京都の場合。

  • 18歳未満 3歳・6歳・12歳に再度判定
  • 18歳に達した場合 18歳で更新判定
原則として2年ごと
区分

等級
自治体によって異なる

例1)2区分
<A>IQが概ね35以下の人。又はIQが概ね50以下で、肢体不自由などの身体障害を重複する人。
<B>IQが概ね35~50の人。

例2)4区分
<A1>最重度の知的障害(IQ19以下)
<A2>重度の知的障害(IQ20~34)
<B1>中度の知的障害(IQ35~49)
<B2>軽度の知的障害 (IQ50~75)

1~3級までの等級がある

  • <1級> 自立しての生活が困難な方。他の人の手を借りながらでなければ日常生活が送れない方。
  • <2級>  常に人の手を借りなければならないほどではないが、日常生活が困難な状態の方。
  • <3級>  障害は軽度だが、日常生活や社会生活で何らかの制限を受けている方。
サービス
  • 税金の優遇措置
  • 医療費の助成
  • 公共料金・電話料金などの割引
  • 公共交通機関・公共施設・映画館などの無料化・割引
  • 生活保護の障害者加算
    (サービスの内容は障害区分・自治体によって異なる部分があります)
メリット
  • 特別支援学校高等部に進む場合は療育手帳の取得が条件になっている場合がある
  • 大人になった後、障害者雇用枠での就職もできる。(一般枠でも可)
  • 上記、行政サービスや優遇を受けられる。
  • 大人になった後、障害者雇用枠での就職もできる。(一般枠でも可)
  • 上記、行政サービスや優遇を受けられる。
デメリット
  • 家族を含め周囲からの理解が得られない場合がある
  • 「障害者」と認定されることへの抵抗感から、ご本人の心的ストレスが増える可能性がある
  • 障害者雇用の場合、昇進や待遇面で一般のルートから外れる可能性がある
その他   療育手帳と併せて取得することも可能だが、受けられるサービスとしては療育手帳の方が手厚い

申請にはどのような手続きが必要なのでしょうか?

障害者手帳は、お住まいの自治体経由で、都道府県・政令指定都市に申請し、数か月で取得ができます。まずお住いの自治体の窓口(○○市役所障害福祉課、保健センター等)にご相談され、申請書類を確認してください。医師による診断が必要になりますので、病院・クリニックにも赴く必要があります。

障害者手帳を取得すれば、障害基礎年金をもらえるのでしょうか?

障害者手帳は未成年でも取得できますが、障害基礎年金は成人(つまり20歳以上)の制度で、二つの制度は別物です。このため未成年は障害基礎年金は申請できませんし、受給もできません。

次に基準です。障害者手帳の取得の基準と障害基礎年金受給のための基準は異なります。そのため、仮に精神障害者保健福祉手帳1級を取得していても、障害基礎年金の1級の基準を満たすとは限りません。(ただし一つの目安にはなりますので、詳しくは障害基礎年金に詳しい社会保険労務士に相談することをお勧めします。)

療育手帳を取得している場合も同様で、IQではなく障害によって日常生活にどの程度支障があるか、援助の必要があるか、を判定基準に支給の可否を決定します。

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障害福祉サービス受給者証

障害者総合支援法や児童福祉法に基づいて運営をしている事業所のサービスを受けるためには、障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)を取得する必要があります。こちらを取得することにより、行政からの給付金を受けながら福祉サービスを利用することができるようになります。

受給者証を使用しながら利用できる福祉サービスにはどのようなものがあるのでしょうか?

以下が受給者証を使用しながら利用できる福祉サービスの一例です。

  • 指定障害福祉サービス
  • 居宅介護
  • 重度訪問介護
  • 同行援護
  • 行動援護
  • 療養介護
  • 生活介護
  • 短期入所(ショートステイ)
  • 重度障害者等包括支援
  • 施設入所支援
  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援(A型・B型)
  • 共同生活援助
  • 指定通所支援
  • 児童発達支援
  • 医療型児童発達支援
  • 放課後等デイサービス
  • 保育所等訪問支援
  • 指定入所支援
  • 福祉型障害児入所施設
  • 医療型障害児入所施設
  • 指定相談支援
  • 地域相談支援
    (移行支援・定着支援)
  • 計画相談支援
  • 障害児相談支援

受給者証の取得にはどのような手続きが必要なのでしょうか?

基本的には以下のような流れで受給者証を取得したあと、各種福祉サービスを利用することができます。自治体によって手続きが異なる場合がありますので詳しくはお住まいの自治体の担当窓口(市役所障害福祉課、保健センター等)にお問い合わせください。

  • 利用したい事業所を決定し、利用開始の内定をもらう
  • お住まいの自治体の障害福祉課などに必要書類を揃えて「利用したい事業所」を伝える
    ※必要書類は自治体によって異なります
  • 認定調査員によるご家族へのヒアリング調査を受ける
    ※申請状況によっては実施せずに取得できる場合があります。
  • 取得後、利用希望の事業所へ受給者証を提示し利用契約を交わす

すぐに福祉サービスを利用できるよう、利用事業所が決まる前に受給者証を取得することはできるのでしょうか?

原則としてできません。受給者証の申請にあたっては、利用事業所が内定している状態で利用開始日や月の利用回数などの情報が必要になります。

障害者手帳はとれませんでしたが、受給者証の取得も難しいでしょうか?

受給者証と障害者手帳の取得基準は全く異なるため、障害者手帳を保有していなくとも受給者証を取得できる場合は十分にありえます。手帳をお持ちでない場合には、診断や特別支援級・通級の利用実績が勘案されます。

障害者手帳があれば受給者証の取得は必要ないのでしょうか?

障害者手帳と受給者証は全くの別物であるため、障害者手帳をお持ちの方でもTEENSのような福祉サービスを利用する場合は受給者証の取得が必要になります。

参考URL・その他ページ

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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