TEENSでは月に1度公開保護者会を行っています。12月のテーマは「親子で学べる!発達障害*の子のじぶん研究のススメ~似た仲間と深める前向きな特性理解~」です。
下記にご紹介の冬休み特別企画「じぶん研究集中講座」に向けて、これまでのTEENSでの支援事例も交えながら、発達障害のお子さんの前向きな特性受容・自己理解について保護者の方々と一緒に考えていきます。
セミナー後には保護者様同士でお悩みやご質問を相談しあえる座談会を開催いたします。保護者様同士の情報交換の場としてもぜひご活用ください。
オンライン療育「しごと未来塾」でこれまで夏休みに開催してきた「じぶん研究集中講座」。好評につきこの冬休みも開催が決定いたしました。
この講座は、お子様が日々の生活の中で感じている(あるいは自覚していない)困り感を言葉にして、その対策方法を似た困り感を持つ仲間たちと一緒に見つけていこうというものです。講座の中では、その困り感の背景にある発達障害についても触れ、特性を前向きに理解していくためのサポートも同時に行っていきます。最終日には対面セッションも開催し、合理的配慮申請時にもご活用いただける「じぶんだけのトリセツ」を作成します。
これから発達障害の告知するにあたり下地を作りたい、合理的配慮を受けるための準備として活用したいというお子様におすすめですので、ぜひご検討ください。
前回のTEENS公開保護者会「上手に頼ろう!発達障害の子の合理的配慮の活用法~大人になっても役立つ必須スキル~」でお寄せいただいたご質問を一部抜粋しお答えいたします。
<合理的配慮を根性論で跳ね返された>
Q 学校(高校)に合理的配慮をお願いしたら、やればできると、根性論をもちだされた場合の対処方法を教えてください。発達障害の診断書等は提出しています。
A まずはスクールカウンセラーなど他の先生に相談先を変えることがひとつの手です。発達障害の診断書があっても、学校によっては、あるいは先生によっては発達障害のリテラシーの高さには差があり、理解が得られにくい場合も少なくないかもしれませんね…。なお、放課後等デイサービスでは保護者の方の仲介があれば学校との連携も可能ですので、つながりのある支援機関に相談してみるのもよいでしょう。
【参考】わたしはADHD?両親が「発達障害なんて甘えだ!」っていうの…どうしたらいい?
<受験時の合理的配慮にはどんなものがある?>
Q 書字障害で漢字を書くのが難しいのですが、受験時の合理的配慮はどのような対応が可能でしょうか? 作文などかなりひらがな混じりになり、漢字指定問題は得点が取れなさそうです。
A 書字障害への受験での合理的配慮として、例えば大学入試においてはタイピングによる受験が認められた例もありますが、高校入試においては(現段階では)試験時間の延長や回答用紙の拡大などにとどまる可能性が高いように思われます。いずれの場合も合理的配慮の申請には受験までの実績(どんな配慮があるとどれくらい効果があるか)が重要となりますので、例えば、中1・中2の定期テストでタブレッド受験や時間延長を試してみてその効果を記録しておくといった準備が必要になります。学校の協力を得ながら進めていけるとよいでしょう。
【参考】受験時の配慮とは?学校選びの方法は?受験前に告知は必要?
<みえづらい困難への配慮を求めるためには?>
Q 子供が読み書き障害です。読み書きの書きができない点は周りからもわかりやすいのですが、疲れやすい点はわかりづらく、本人としても他人と比較しづらい部分のため客観的に困難を示しにくいです。このような場合は医師の意見書が有効なのでしょうか?
A 合理的配慮の申請に医師の意見書は必須とされてはいませんが話が進みやすい場合は多いです。加えて、「疲れやすさ」といった一見分かりにくい困難さは、ご本人が自分のことばで配慮(調整)を求められるようになることも重要でしょう。そのためには、まず①自分の特性を知り(自分の疲れはじめのサインを探る)、そして②困りごとの対策を知る(作業の量ではなく時間で休憩を決めておく)といった「じぶん研究」も大切になりますので、上記の冬休み企画もご参考の上、自分にあった学習方法/休憩方法を少しずつ身に着けていただければと思います。
【参考】セルフアドボカシーとは~発達障害の方向けの知識とアドバイス~
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます