TEENSでは、毎月 思春期 発達障害に関するイベントを開催しています。先月、約170名の方が参加された『発達障害の子の進路選択~高卒後の進路ってどう決めるの?~』を実施。TEENS卒業生と親御様に体験談をお話しいただきました。
今回は、ご参加されていない方向けに本イベントであがった「3つの親としての心構え」をご紹介します。
❶好きなこと、したいことはご本人の実体験から見つける
将来について考えるのは誰にとっても難しいこと。特に体験していないことを想像することが苦手なタイプの発達障害*の子にとっては、そのハードルは更に高くなります。そのため、幼い頃から様々な体験機会をもち、自分にとってどんな活動が楽しいのか得意なのかを知っていくことが重要です。
❷第一希望が叶わなかったときのことも想定もしておく
発達障害のお子さんの中には非常に繊細で、失敗に対して極端に弱いタイプも多いです。「うまくいかない場合もある」という前提のもと第二、第三の選択肢についても事前に親子間で話し合って備えておきましょう。
❸親にとっても子にとっても信頼できる伴走者を
思春期年代の子から本音を引き出していくのは一筋縄ではいかず、無理に進めると親も子も追い詰めれてしまうリスクがあります。そのため、親子だけで解決しようとするのではなく、発達障害の知識や将来のロールモデルを理解している伴走者と一緒に考えていけるとよいでしょう。
4/24(土)10:30~「元教員に聞く!発達障害のこと 学校にどう伝えればいいの?」@Zoom 無料で実施します。ぜひ、みなさまご覧ください。
https://www.teensmoon.com/information/onlineseminar/
なお、3月のイベントの様子は、『ウェブTEENS』の会員様に期間限定でアーカイブ配信をしています。
https://www.teensmoon.com/about/webteens/
TEENSでは、毎週木曜日19:30~「ゼロから学べる 発達障害子育て応援セミナー」も開催しています。
https://www.teensmoon.com/information/onlineseminar/
また『実践みんなの特別支援教育』 4月号、シリーズ『放課後等デイサービスの取り組みと学校連携』に寄稿しました。
TEENSの飯島が、Q&Aにお寄せいただいた質問にお答えします。
Q. 本人に「困り感」が無いため、早急な通所開始はできませんが、親としては真剣に支援を受けたく思っています。どのように説得すればよいでしょうか。
A. 2月に「鈍感力が強み!(本人が)困っていない発達障害の子の自己理解」というタイトルのセミナーを開催したのですが、保護者の方々から共感の嵐でした。タフで魅力的な子とも言えますが、人生の中で大きく挫折してしまわないように日々サポートに回られている保護者の方からするとやきもきしちゃいますよね。
ぜひお願いしたいのは、現在の「困り感」ではなく、未来の「希望」に目を向けさせてあげてほしいと思います。
「あなたは学校で馴染めていないからXXに通いなさい」ではなく、「友だちを増やしたいんだね。じゃあそのコツを教えてくれるところを一緒に探してみようか」といった具合ですね。
子どもは楽しくないことにはとりくめません。逆に、ワクワクしながら活動できれば勝手に成長していきます。それは発達障害の子にとっても同じことです。
(ちなみに…タフなタイプの子が周囲とのちがいを意識するのは早くて高校生、大学生でも未だな方も多い、働き始めてから気づく…という方も少なくないです。鈍感力が高さはもちろん強みでもありますが、将来困らないような工夫を早いうちから考えていけるほうが確かにいいでしょう。そのためにも早めに支援を受けることは大切ですね)
支援や療育が子どもたちにとって凹を埋めるための苦行ではなく、凸を伸ばすための大切な時間になることを願っています。
★参考 オンラインSST『ウェブTEENS』では、4月より同じ趣味の仲間が集まる「サークル」を発足しています。電車サークル、ゲームサークル、アニメサークルなど…ぜひご参加ください! https://www.teensmoon.com/about/webteens/
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます