TEENSでは、10代の発達障害*の子の将来に備える無料イベントを開催していきます。
記念すべき第1回のテーマは、「発達障害×性教育×LGBTQ」。
NPO法人ReBit の藥師美芳さんとともに、発達障害と性や、現代社会における性の多様性についてお話しします。
思春期特有のこころと身体の変化を受け入れられるか…
性トラブルに巻き込まれたらどうしよう…
性別違和を感じているかもしれない…
そんな不安を抱える親御さま、支援者の皆さまへ。発達障害の視点を踏まえながら、思春期の子の成長に寄り添うヒントをお届けします。
お子様の将来について考えるとき…「大人になったら働けるようになるだろうか?」という心配がよぎることもあるかと思います。
かつて、発達障害は就労支援が「最も難しい障害」といわれていました。しかし、現在では就労定着率の高さや業務と強みがフィットしたときの活躍が知られるようになりました。それにともなって、より力を発揮しやすくなるよう働き方の多様性が進化しています。
今回はその一例をご紹介します。今はまだ”先進的”なとりくみかもしれませんが、子どもたちが大人になる頃にはスタンダードな選択肢のひとつになっていくことを願っています。
【図表でわかる発達障害シリーズ】はTwitter( @teensmn )でご覧いただけます。
お寄せいただいた質問にお答えします。
Q. 中学生の息子にあった放課後デイを探しておりました。自分の気持ちが言えないことや緘黙的なことで普段の生活に支障があるようでしたが、気が付くのが遅く今まで何の支援もしてあげられなかったので、せめてこれからは苦手なものを丁寧に克服させてあげたく、こちらの支援の内容に興味を持ちました。他の事業所さんのような託児所的な場所ではなく、社会に送り出したときの困り感を想定して練習してくださる場所が欲しかったので、是非参加したいと思っております。
A. 周囲が困っていない(でもご本人が静かに困っている)状況だと、幼年期にはなかなか気づきにくいことも多いです。特に心と体の最もアンバランスになる思春期の段階で親御さんに気づいていただけたのはご本人にとって大きな救いだったと思います。
一点、ぜひ先にお伝えしておきたいのは「苦手の克服」はゴールにしない方がいいです。
発達障害は脳機能の障害です。その凸凹は目に見えないので、どこまで本人の成長を応援するのか、どこまで代替機能を活用したり人に頼るようにするのか…たしかに見極めが難しいです。
ですが、やはり苦手に焦点をあてないことはとても大切です。学校生活ではさまざまな”普通”を求められます。それをクリアできるよう苦手の克服を目指しているうちに、心をすり減らしてエネルギーを失ってしまう子どもたちをたくさんみてきました。
アセスメントに基づいてご本人の得意を伸ばし、苦手は人や便利ツールも活用しながら補っていけるようサポートしていくことが発達障害の子どもたちへの支援の基本です。ご本人が等身大で輝くためにどうすればいいか、さまざまなサポーター(学校、医療、福祉)と一緒に考えていきましょう。
…と、ここまで書いたのはいわゆる一般論でして、おそらくもう耳タコですよね。正論を振りかざすだけではダメですね。ごめんなさい。
以前、「我が子には大富豪になってほしいなんて思わないけど月並みでいいから幸せな人生を歩んでほしい。そのための準備は親の務めだ」と仰られていた親御さんがいました。共感される方は多いのではないでしょうか。
そのためには、学校や社会で当たり前に求められることは人並みにできるようにさせてあげたい…というのは親心です。そして、苦手なことを無理にさせた先に本当に我が子の幸せがあるのか?と同時に迷い続けられいると思います。絶対的な正解はなく、その不安をどうしたら解消できるのか。私たちも日々模索しています。
私からおすすめしたいのは、大人の発達障害の方のお話を一度は聞いてみていただきたいです。ロールモデルがないことには、人は不安になると思います。王道の人生ではなかったかもしれないけど、発達障害由来の不便さはあるけど、豊かに幸せに暮らしている方って本当にたくさんいます。最近はSNSなどを通じて発信を積極的にされている当事者の方は多いですし、オンラインイベントなども増えているので、ぜひ参加してみてください。
Kaien特別セミナー「行政・メディアを通じて社会にインパクトを与えるには」(主催:これから会)
2名の当事者の方にご登壇いただきました。
■登壇者 みっと(大人の発達障害を明るく語る会 ここらぼ 代表)ウェブサイト
会社でのミス・事故が多いことから社会人2年目に ADHD の診断を受ける。石川県内外の福祉事業所・自治体等より大人の発達障害の体験談、および発達障害の普及啓発関係で講演多数。現在は石川県内の発達障害当事者会の設立のサポート、当事者発信による発達障害の啓発活動などに力を入れている。
■登壇者 石橋尋志(さかいハッタツ友の会 代表) ツイッター
27歳の時に発達障害の診断を受け、14年前から自助グループを発足。現在は31グループに拡大、年間250回開催している。堺市発達障害支援センター運営委員。堺市自立支援協議会当事者委員。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます