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「発達障害*に理解のある学校の情報が知りたい。」 そんな悩みを抱えた保護者様・お子様のために、今年も”発達障害に理解のある学校”の先生方にお集まりいただき、合同で説明会を開催いたします。毎年満員となる人気企画です!本日よりご利用者様の先行予約受付を開始いたしますので、ご興味のある方はお早めにお申し込みください。
お申込みフォーム https://teensconference2018gs.doorkeeper.jp/
※参加者お1人につき1回ずつ(ご両親で参加の場合は2回)、 別アドレスにてお申込ください
このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『初の自閉症のプロ野球選手誕生 米大リーグ傘下のチームと契約を結ぶ』、『ADHDの子供は脳に負担をかけなければじっとしていられる』の2本です。
Royals sign player believed to be first professional baseball player with autism
今回契約を結んだのはTarik El-Abour選手。これまで独立リーグでプレーをしている選手で、今回メジャーリーグ、カンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだとのことです。知られている限りでは、自閉スペクトラム症をオープンにしている、初めてのプロ野球選手となります。
1年前にはロイヤルズと(大谷選手が所属している)エンゼルスとの対戦試合が”自閉症啓発ゲーム”だったことから始球式に参加したこともあるTarik El-Abour選手。今回はゲストではなく選手として参加することになりました。
記事ではEl-Abour選手が、概念よりも数字で物事を把握する傾向が強いこと、目標をもってそれにまっすぐ取り組むことなど彼の特徴が母親によって伝えられています。
ADHD Kids Can Be Still – If They’re Not Straining Their Brains
授業中や宿題をしている時には常にそわそわ、せかせか、もじもじしているのに、TVでSFやアクション、スリラーを観ている時には画面に吸い込まれるように静かに見入っている、という事態にイライラさせられている親御さんは多いことでしょう。
ADHDの多動は常に起こっていると考えられていますが、セントラル・フロリダ大学児童教育クリニックでディレクターを務めるマーク・ラポート博士は、ADHDの子供達がソワソワと動き回ったり足を踏み鳴らしたりするのは、脳の実行機能を使用している時だということを実験で突き止めました。
実験は8才から12才までの男の子62人を対象に行われました。うち32人はADHDで、残りの30人はADHDではない比較対象群です。そして子供達に2種類の映像(スター・ウォーズの映画と数学の映像)を10分ずつ見せたところ、教育ビデオでは動きっ放しの同じ男の子が、スターウォーズのときには文字通り微動だにせずビデオを観ています。ラポート博士の解釈は、ADHDの子供達が多動に陥るのは脳の実行機能(この場合はワーキングメモリ)を使っているときであり、映画を鑑賞しているときにはただ「見る」だけで、感覚は用いても実行機能は用いていないため、とのことです。
ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
Q1. 自閉症スペクトラムの小二男子の子供がいます。私立中学受験に関して検討中です。情報がなかなか得られません。
A. 私立中学での発達障害児への支援体制というのは、発達障害児の受け入れを大々的に掲げているような学校でなければ一般的には公表しません。
とはいえ、学校現場で支援が全く行われていないかというとそんなことはありません。発達障害の魅力の虜になっている人というのはやはりどこにでもいるもので、学校の方針とは違うけれど発達障害のある子のためのサポート体制を整えようと奔走されている先生にも、たくさんお会いしてきました。
そういった情報をお届けできるように、当社では「発達障害に理解のある学校 合同説明会」を毎年開催しています。今年は各学校との相談ブースに加え、(名前は伏せていますが)都内の私立中高一貫校の先生方にお集まりいただき、私立中高の特別支援の現状に関してお話いただく予定です。
毎年満員となってしまいますので、ご興味のおありの方はお早めにお申し込みください。
Q2. 発達障害の子供が2名います。10歳女子と7才男子です。10歳の子は小学校の学習について行けずに、情緒が安定しません。ワーキングメモリーのIQが低いです。本人の努力では学校について行けず、個別支援もしています。
A. ワーキングメモリが低い子の場合、板書ができなかったり(黒板を見たことを覚えて、ノートに書き写すということが難しい)、辞書を引くことができない(調べたい単語を覚えながら、ページをめくっていくことが難しい)など、学習面での困り感がでやすいです。学習内容の理解の前に、インプットのためのやりとりで躓いてしまうことが多いため、ストレスも溜まりやすい、という傾向があります。
10歳という年齢を考えると少しずつ練習をしていく必要もありますが、それが学習の妨げにならないよう、黒板の写真をとる、電子辞書を使う、といったサポートツールの使用を検討できるとよいかもしれません。
その他の検査結果とのバランスも見てみないと確実なことは言えませんが、「理解はできるのに思うように行動できない」というフラストレーションを抱えている可能性があります。保護者の方に「本人の努力では学校においつけない」というご理解があるのが何よりの救いですので、引き続きお子様のお気持ちに寄り添ってあげていただければと思います。
Q3. 中学生になり、注意欠陥によるADHDの疑がわれ、支援センターにて診断を受けました。ADHDだけでなくASDとの診断を受け、どのようなことを親として行わなければならないか途方に暮れています。親も仕事でなかなか時間がとれないなか、ご支援いただけるのはどんなことで、親とどう連携を取っていくことが必要なのか教えてください。
A. 最近では大人になってから診断を受ける方もたくさんいらっしゃいます。学生時代にお子様の特性や傾向に気がつけたことはよかったと思いますので、今からサポート体制を築いていきましょう。
TEENSのような放課後等デイサービスでは、お子様の学習面や生活面の困り感に寄り添った指導をしていきます。各事業所に特色があり、TEENSでは学習支援とお仕事体験と呼ばれるキャリア教育をメインに行っています。
保護者様との連携については、日々日々のセッション報告と半年ごとの面談が主です。ご家庭における困り感、学校における学習や人間関係における困り感など…。ご本人のご様子をお伺いしながら、具体的なアプローチの方法を決めていきます。場合によっては学校や医師など関係者で集まって支援方針を固めていくこともあります。
保護者の方もお忙しいとは存じますが、やはりサポート体制を築いていく段階ではやはり保護者の方のお力が不可欠となります。発達障害の専門家はたくさんいますが、お子様の一番の専門家はやはり保護者様だからです。お子様と、お子様にとって信頼できる居場所との懸け橋になっていただけるとよいかと思います。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます