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新しい同級生、先生、教室、ルールなどなど…”見通しをもてないのが苦手”・”暗黙の了解がわからない”タイプの発達障害*のお子さんたちにとって、新年度は苦しい季節になりがちです。そこで、TEENSでは発達障害の子どもたちが新年度のスタートで躓かないよう、『進学・進級時に必要な知識を学ぶ講座』を開催します。
講座は小学生の部、中学生の部、高校生の部に分かれ、それぞれ前半には新年度特有のイベントとの向き合い方を学びます。自己紹介のコツ、友達の作り方、担任の先生との向き合い方、学年ごとに知っておきたい「あるある」などについて、誰も教えてくれない”アタリマエ”を丁寧にお伝えします。
そして後半は、「スタートダッシュを成功させよう」をテーマに、一学期の最初に習う内容を先取りで学習します。発達障害のお子さんのために開発したTEENSオリジナル教材を用いて、取り組むのは一教科のみ。小学生は算数または漢字(一年生はひらがな)、中学生以上は数学または英語からお選びいただきます。勉強に苦手意識をもたないためには、導入が重要です。最初の授業で「できる!」「わかる!」が実感できるよう、準備をします。
5,000円
このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『ADHDの診断割合の増加が止まる』、『自閉症とADHDの重なりを検証する』の2本です。
ADHD Diagnosis Rates Appear to Flatline
米国での調査結果です。これまで調査が行われるごとに増加していた、18歳未満の子どもたちの中でのADHD診断率が今回初めて前回とほぼ同じ数字になりました。
それでも全体の9.4%の子どもたちに診断があり、そのうちの約60%が服薬治療を受けている一方、療育を受けているのは半分以下にとどまるとのことです。
2018年1月号のニュースレターでは自閉スペクトラム症の診断割合の増加が止まることをお伝えしたばかりでしたので、ADHDも増加が止まってきたということ。これまではいかに認知を広めて早期療育をするかという段階でしたが、今後はよりその支援の質や中長期での支援体制などが話題に登ることが多くなるでしょう。
【参考】TEENS2018年1月号 自閉症の診断割合の上昇が止まる
Decoding the Overlap between Autism and ADHD
自閉スペクトラム症とADHDは現場では重なりが見られ、日本では発達障害と一括りにされることが多くあるほどです。例えばこの記事でも、ミスが多いことはADHDと思われるが自閉スペクトラム症の人も感覚過敏などによる情報過多を受けるとADHDのようにミスを急に起こすようになることや、自閉スペクトラム症の代名詞のように言われる対人関係の困難さという点もADHDの人が衝動的にやりとりすると人間関係でトラブルを起こしやすくなるということが挙げられています。
日本と違って米国では割合に診断を分けて支援法も変えていくことが多いのですが、この記事ではその重なりについて医学的に切り込んでいます。
記事によると自閉スペクトラム症の診断のあるうち30~80%程度はADHDの診断基準にも当てはまり、逆にADHDの診断がある子どものうち20~50%は自閉スペクトラム症にも当てはまるという調査結果が出ています。このため科学者たちは一つの障害が、違う出方をして違う診断名につながっているのではないかという人もいます。
この記事では結論として、今の段階では様々な研究結果があり、一つの障害が複数の見え方をしているということを示唆する研究もあれば、逆の(つまりまったく違う別の障害が似たような見え方をしている)ことを示唆する研究もあるということです。
例えば遺伝子の研究で、また違う研究では脳の画像を細密に分析することで、ADHDと自閉スペクトラム症が一緒のものなのか違うものなのかを細かく論じています。英語が読める方は現在の研究の最先端が分かる記事ですのでぜひご一読ください。
なお当社でもADHDと自閉スペクトラム症の見分け方については過去に記事を書いています。大人向けサービスのサイトとなりますが、こちらもご参照ください。
【参考】ADHDとアスペルガー症候群・自閉スペクトラム症の見分け方は? 専門家でも難しいADHDとASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)の違い
ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
Q1. ADHDの女子中学生の性教育についてです。最近異性の存在を気にするようになり、極端に短いスカートをはいたり化粧をするようになりました。それだけであれば年齢相応かとも思うのですが、危機管理意識があまりに低く、出会い系サイトに登録しようとするなどヒヤヒヤしています。
A. 女の子の場合、周りのお子さんの成長が早いのでそれに合わせているうちに大人びた視点をもち、一方で加減を考えたり、リスクを予測することが苦手なため極端な行動に走ってしまう、というということはままあります。
性教育は非常に重要です。ですが、日本人の場合親子間で性教育を行うことはあまり一般的ではなく、学校でもそれほど大きくは取り上げられません。お友達同士のやり取りの中で”空気を読みながら”自然に学習することが苦手な発達障害のお子さんには、顕在的に・意識的に学べる機会をもつことが重要です。
もしお子様が精神的にまだ幼さがあったり、お母様との距離感が比較的近いようであればお母様からお話をしてあげられるとよいでしょう。思春期が始まりやや距離ができていたり反抗的になったりしている段階であれば、別の大人の女性(可能であればお子さんにとって尊敬できる人がいいですね)から話をしてもらえる機会を作ってあげてください。
この際に重要なのは、清廉潔白を求めないことです。親からしてみれば確かにスカートの丈は気になるでしょうが、流行りに合わせて短めにしたい、というのは年相応の感覚です。過度な締めつけはかえって反発を引き起こしたりお子様自身の自我や自尊心の発達に不利益なため、”絶対にNGなこと”を示しながら、あとはルールの中での自由は許容してあげてください。
Q2. 自閉症スペクトラムの小二男子の子供がいます。私立中学受験に関して検討中です。情報がなかなか得られません。
A. 私立中学での発達障害児の受け入れ態勢の情報は、学校側が発信することはなかなかありません。
情報を表に出さない理由は各校様々ですが、実際に個別できめこまやかな配慮を行っている実績があっても、それを公にしてしまうと支援が必要な子が多く集まりすぎてしまい、結果として現在行っているような支援ができなくなってしまう…という学校側のジレンマもあるようです。どの学校も合理的配慮の心得があって当然、という状態にならないとこの問題の解決はなかなか難しいですね。
なお、今年の6月にも『発達障害に理解のある学校 合同説明会』を開催予定です。次回ニュースレターでは詳細をお伝えできるよう準備してまいりますので、今しばらくお待ちください。
Q3-1. 空き待ちはどれくらいになりますか?
Q3-2. 千葉県市川市在住でも利用できますでしょうか。年度途中でも利用開始のチャンスはありますでしょうか。発達障害のない弟が一緒に通うことは難しいでしょうか。
Q3-3. 見学とご説明をお願いしたいです。
Q3-4. 以前も説明会に申し込んだのですが、音沙汰がないので、再度申し込んでいます。中三になるため早めに機会をと、お願いいたします。
Q3-5. 次の開所の予定はどこですか?
A. 最近このあたりのご質問に回答していませんでした…。まとめてですがお答えします。
①空き待ちについて
拠点、ご希望コース、ご希望曜日によります。数カ月でご案内できる場合もありますし、年単位でお待ちいただくこともあります。現在でしたら、2月オープンのTEENS関内や、昨年9月オープンのTEENS吉祥寺は他拠点と比べると比較的早めにご案内が可能です。
②利用条件について
他自治体の方もご利用は可能です。利用の開始は待機登録後、空きが出次第なので年度途中の利用開始ももちろんありえます。放デイTEENSの利用にあたってはは障害福祉サービス受給者証が必須となります。なお、『発達障害専門塾 まなびTEENS』に関しては受給者証・診断がなくてもご利用いただけます。
【参考】発達障害専門塾 まなびTEENS
③利用までの流れ
見学は原則お受けできません(希望が後を絶たず、対応が難しいためです。ご理解・ご了承ください)ご利用を希望される場合は、無料の体験セッションのご用意がございますので、そちらにご参加ください。説明会は不定期開催となります。利用をお急ぎの方は体験セッションのご参加をお勧めします。
【参考】体験セッション
④次の開所場所について
決定ではないですが、年内に千葉や埼玉にも設立ができればとは考えております。利用希望の声が多く、働けるスタッフがいる地域に優先的に開設してまいりますので、ご希望の声をがあればぜひお寄せください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます