発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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発達障害専門塾”まなびTEENS” オープン2018年2月号

  1. 発達障害専門塾”まなびTEENS” オープン
  2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「オンライン・ゲーム”マインクラフト”が自閉症児を救う」他
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「先生に発達障害への理解がないとき」他

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1. 発達障害専門塾”まなびTEENS” オープン

今回は3月よりスタートする予定のTEENSの新サービス『発達障害専門塾 まなびTEENS』 についてご紹介いたします。本サービスでは発達障害*のあるお子様の学習における根本的な躓きにアプローチする特別なプログラムをご提供します。利用枠を限定してスタートいたします。ご興味がおありの方はお早めにお申込みください。

★こんなお子様におすすめです…本物の学力を身につけたい方にお勧めのプログラムです

  • 学年相応の授業についていかれず、学習における達成感を味わう機会が少ないお子様
  • 支援級に通っているが、非常に簡単な問題しか取り組んでおらず実際にどれくらいの学力があるかわからないお子様
  • 目先の成績を上げることではなく、将来的に活きる知力・理解力の向上を目指したいお子様

★3月31日までにお申し込みいただいた方は入会金 無料!

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2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「オンライン・ゲーム”マインクラフト”が自閉症児を救う」他

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①オンライン・ゲーム”マインクラフト”の自閉症児支援ツールとしての可能性ーTEDより』、『②怪しい自閉症療法:危険かもしれないセラピーや商品にご用心』の2本です。

①私はどのようにマインクラフトで自閉症児を救っているか:”自閉症の父”ステュアート・ダンカン氏@TEDxYorkU

How I use Minecraft to help kids with Autism: Stuart Duncan at TEDxYorkU

オンラインゲーム”マインクラフト”の自閉症児専門MOD”オートクラフト”で、多くの自閉症児のコミュニケーション能力を飛躍的に向上させたステュアート・ダンカン氏がTEDに登場し、奇跡の核心に触れています。

自身も長男も自閉症というダンカン氏は、マインンクラフトで遊ぶ自閉症児達が、「傷物・欠陥・知恵遅れ」と罵倒され、傷つく酷さを「なんとかせねば」と決心。自閉症の子供達が安全に遊べるMOD「オートクラフト」を開発します。当初子供たちが安全に遊べることだけを配慮したオートクラフトでしたが、ゲームで遊ぶうちに読み書きを覚える、全く言葉を発しなかった子が話すようになる、学校で友達ができて物を共有したり、あげたりできるようになる、といった事例が囁かれ出し大きな話題を呼ぶことになります。

どうしてそんな変化が起きたのか? その支援機能についての分析は、”Would You Be Mine: Appropriating Minecraft as an Assistive Technology for Youth with Autism”に詳しいですが、ダンカン氏本人は変化の核心を以下のように述べています(一部発言を要約しています)。

――慈善団体にいようと、教師だろうとセラピストだろうと、ベストを尽くす自閉症児の親であろうと、私のように自身が自閉症であろうと、誰であろうと、何かをする前に、絶対的に自閉症児の恐れを取り除く必要があるのです。というのは、恐れをなくさない限り、彼らは無理強いされている、と感じるからなのです。だから肯定的励ましは、どんなときでもいかなる懲罰よりも良いことなのです。子供たちは安全で楽しいと感じるときに学びたいのです。学びは自然に起こるものです。学ぼうと意識することすらありません。
私が皆さんに取り除いて欲しいと思うことは、彼らが人生において直面している、あるいはするであろうあらゆる困難に際しての恐れです。学校や家でいじめに遭い、あるいは自閉症の世界ではよくあることですが、自身のセクシュアリティやジェンダーについて悩んでいたり、孤独を感じ自殺さえ考えているときに、その人があなたになら相談できると思えるような生き方を、皆さんにはして欲しい、ということです。あなたにそのことを相談することが、完璧に安全だ、と彼らが思える必要があるのです。

自閉症者は反社会的で共感を欠く、という間違った理解をしておきながら、その彼らに共感にあふれフレンドリーで寛容な見たこともないようなコミュニティーを築くことを期待する――そういうことを社会はしています。けれど彼らは克服せねばならない大きな困難を抱えています。そして、もし彼らに「本当に恐れなければならないことは自分を疑うことだけだ」ということを示す手助けができる誰かがいれば、真の助けになります。ですから皆さんには、彼らにとってそういう人であって欲しいのです。なぜなら、そうした子供たちにとって、それが全てだからです。

全ての支援者が肝に銘じたい言葉ですね。

②自閉症:危険かもしれないセラピーや商品にご用心

Autism: Beware of potentially Dangerous Therapies and Products

発達障害の症状が少しでも症状が緩和する、と書かれていると、試してみたくなるのが人情というもの。しかし、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、以下の自閉症療法について、健康を損なう危険があると指摘しています。

  • キレート・セラピー:体内の有毒化学物質や重金属をを化学的に結合させ、除去する、とうたうもの。
  • 高気圧酸素療法:高気圧室で高濃度の酸素を吸入させる療法。スプレー、座薬、液体、泥風呂など様々な形態がある。
  • その他、ラクダの生乳、エッセンシャルオイルなど。

また、危険な療法や商品を見分けるためには、以下に留意するよう勧めています。

  • 様々な病気に効く、という療法は怪しい。
  • 個人的体験談は科学的エビデンスの代わりにはならない。
  • すぐに治る病気や症状はほとんどない。即効をうたうものは疑わしい。
  • いわゆる科学的ブレークスルーや秘密の成分を含む”奇跡の治療”はペテンであることが多い。

報告は「医学的に証明されていない療法である場合、買ったり試したりする前に専門家に相談する、ということだけは最低限押さえておきましょう。」と結ばれています。

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 『先生に発達障害への理解がないとき』他

ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。

親自身の勉強は?

Q1. つい先日、子どもが診断をされました。我が子の将来が不安で仕方がなく、本などを読み漁っているところです。今後子どものために、親としてどういった勉強をしていくべきなのでしょうか?

A. スタッフ(つまり支援者)に対して知識を身につけたいときは①発達障害自体に関する知識、②支援方法に対する知識、③発達障害を取り巻く社会・環境に関する知識、この3つについてバランスよく学んでいくように話をします。

保護者の方の場合はまずは①、次は③をお勧めします。②の支援方法について勉強されるのももちろん無駄ではないですが、①の発達障害自体に対する理解が適切であれば、「接するときのポイント」がわかっていればさしあたっては十分だと思います。世の中には発達障害の子のための”支援法”がたくさんありますが、その子に合わせて適切にカスタマイズするのはなかなか難しいです。少しやり方を間違えると逆効果になってしまうようなものもあるため、特別な手法を家庭内で用いる場合は専門家と相談しながら取り入れることをおすすめします。

また、③はとても重要です。学校に関する情報などは進路選択の大切な材料となりますし、先の見通しがたつと保護者様ご自身も心理的余裕がでてくると思います。こちらについては本などで学ぶというよりは、親の会などにご参加いただいて生の声を聞いたり、情報交換会などに参加するとよさそうです。学校情報に限らず福祉制度のことなど、詳しい先輩保護者の方は結構いらっしゃいます。

ただ、最終的には親と子として、人と人としてどう向き合うかという話になります。お子さんにどうやって愛情を示すか。どうやってお互いに信頼関係を築いていくか。それは本を読み漁っても正解はでてこず、お子様と触れ合っていく中で見つけていくしかないのでしょう。将来がイメージできずご不安がある中とは思いますが、未来のために知識をいれることに神経をすり減らしすぎないよう、今現在のお子さんとの時間を大切にしてあげてください。

先生に発達障害への理解がないとき

Q2. 自閉症スペクトラムの子をもつ親です。4歳の時に我が子が診断を受けてから、この子がどういう障害があるのか、どういった教育をすべきなのか必死に勉強しながら、子どもと二人三脚で頑張ってきました。先日小学校に上がり、学校の支援級の担任に、面談の場でどういったフォローをしてほしいか熱心に伝えたにも関わらず、そのほとんどを実践してくれませんでした。発達障害に関する知識も薄いようで、非常に心配しています。こういった先生とどのように付き合っていけばいいでしょうか?

A. 真っすぐ言ってしまうと、学校の先生は”当たるも八卦当たらぬも八卦”です。よい先生はたくさんいます。逆に発達障害への理解・関心が乏しい先生も残念ながら存在しています。先生自身の対応力や強み・弱みも様々で、仮に熱意はあっても、30人いるクラスの中で集団生活が苦手な子へ目を配るのは難しい方も、当然ながらいらっしゃいます。

また、学校が組織的に発達障害児教育の拡充を目指している、という例は少なく、個々の先生の力に依存してしまっているのも大きな課題と言えるでしょう。「発達障害の支援が充実している支援級がある」と評判だった学校にいざ入学してみると、力のあった先生が異動してしまっており想像とは違った学級になっていた…というのはよくある話です。

では、必要な支援がえられなかった場合、保護者としてどのように先生と向き合うべきでしょうか。実際は先生のタイプや学校の方向性などにもよるので一概にはいえないですが、よくアドバイスするのは「担任の先生以外にも働きかけてみましょう」ということです。

最近ではスクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターを置いている学校も増えてきています。子どもの心理や発達に詳しい専門家に間に入ってもらい先生とのコミュニケーションの仲介をしてもらえるとよいでしょう。保護者はお子様自身の専門家で、先生は学級運営の専門家です。お互いの事情をすり合わせるためには、橋渡しができる第三者が必要なのです。

ご質問の文章からは、これまで真剣に子育てと向き合われてきたことがひしひしと伝わってきました。今後、お子様が大きくなるにつれて”二人三脚”では難しくなってくる場面もでてくるかと思います。保護者の方にとってもお子様にとっても信頼のできる人物や機関、場をお探しいただくことをお勧めします。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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