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TEENSの夏期講習で、”はたらく力”と”まなぶ力”をぐんぐん伸ばそうをテーマに、夏期講習を開催します。発達障害のある小中高生が、「得意なことを伸ばす・作り出す」「苦手なことに挑戦する・克服する」ための短期講座をたくさんご用意いたしました。ぜひご参加ください。
https://www.teensmoon.com/information/14643/
C1:5日間の本格的キャリア教育!「発達凸凹中高生のための仕事力UP講座」
C2:発達障害への理解・受容を高める「発達障害の子のための発達障害講座」
C3:3日間で読書と表現の楽しみを知る「読書感想文講座」
C4:3日間でつかむ文章題のコツ「算数・数学 文章題攻略講座」
C5:3日間で挑む図形の世界「図形問題攻略講座」
C6:新学期にむけて心と頭の準備をしよう「新学期準備講座」
C7:ひとりひとりのニーズにお応えします「個別指導」
このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『ウィンザー城、2度目のオーティズム・フレンドリー・アワードを受賞』、『ADHD薬を飲み過ぎている子供が米で増加』の2本です。
Windsor castle receives an autism friendly award for the second time
先日ハリー王子とメーガン妃の結婚式が行われ話題を集めたウィンザー城が、2度目の「オーティズム・フレンドリー・アワード」を受賞した、と英国ロイヤル・コレクション・トラストのウェブサイトが伝えています。
この賞は英ナショナル・オーティスティック・ソサエティーが与えるもので、賞創設の背景には同協会調査が明らかにした「79%の自閉症スペクトラムの成人は、社会的に孤立していると感じている」「28%の自閉症スペクトラムのいる家族が、自閉症的行動のために公共スペースから追い出された経験がある」という事実があります。
自閉症スペクトラムの人やその家族を一般顧客と同じように暖かく迎えられるよう取り組む企業や公共施設を広く世間に知ってもらうことで、自閉症に対する理解を広げるとともに、そうした取組をする企業に世間の関心と顧客が集まり、さらに多くの企業や公共施設が自閉症者やその家族に対して開かれた存在になることを目的としています。
ウィンザー城は自閉症者の訪問受入をウェブサイトで周知し、常時自閉症に理解のある職員を配して安全上やその他必要な支援ができる体制を敷く他、特別の見学ルートや一般客の訪問時間とは別に自閉症者と家族のために特別な訪問時間を設けています。また、2017年12月には自閉症者と家族のためのイベントとして「白雪姫」を上演しました。
荘厳な中に、これからのインクルーシヴ(包括的:誰も差別されない)な英王室像をそこここに垣間見せてくれた結婚式でしたが、舞台のウィンザー城にもその精神は貫かれていたんですね。
More U.S. kids overdosing on ADHD drugs
子供の10人に1人が注意欠如多動症(ADHD)と診断されるというアメリカ。ADHDの薬を処方される子供の急激な増加によって、より多くの子供や青少年がこうした薬を過剰に服用するという意図していなかった弊害がもたらされていることが明らかになった、とロイターが伝えています。
2000年から2014年の間に、米毒物管理センターは全国から156,000件――週に200件、一日29件平均――の、19歳以下の子供と青少年によるADHD薬の服用事故に関する電話を受けています。全国児童病院(オハイオ州コロンバス)傷病研究政策センター長のグレイ・スミス博士によれば、同時期にADHD薬の処方は61%増加しており、電話の増加は子供と青少年のADHD診断数と薬の処方の増加と一致しているそうです。
以下記事を要約してお伝えします。
電話の1/3は12歳以下の子供による誤飲で、6歳より小さな子供は適切に保管されていない薬を飲んでしまい、それより大きな子供は量を間違えることが典型的です。また少量のオーバードーズに相当する10代のおよそ半数は、薬を意図的に濫用、悪用、あるいは自殺のために用いていて、その結果、この年代の事故は深刻な結果を招きやすくなります。電話のほぼ半分は服用量か回数の過剰で全体の42%に上り、薬はメチルフェニデート(リタリン、コンサータ)とアンフェタミン(アデラール、デキセドリン)がほとんどです。大半は深刻なケースではなく、60%の子供は病院や医師にかかる必要もありませんが、約6%は入院を要した上、亡くなっています。
センターへの電話が、事故や意図的な過剰摂取のすべてとは言えません。また、過剰服用による有害な副作用は、心拍や血圧上昇、震え、興奮・動揺、さらに最悪の場合は妄想や幻覚といった分裂症的症状、心臓発作、脳卒中他の発作、そして死を招きます。
小さな子供を過剰摂取事故から守るためには、親が薬を子供の手の届かないところに保管することと、毎日の服用量をきちっと監督することが重要です。毎日飲んだかどうかがわかる1週間用のピルボックスなど利用したり、親が毎日必要量を取り分けるのを助け、できることなら学校の担任や保健室の先生などに朝の分を手渡ししましょう。自分で薬を飲める年代になっても、しっかりと服用量を見守ることは事故や悪用防止の鍵で、子供に薬瓶をそのまま渡して勝手に服用させるのではなく、毎日一日の必要量だけ渡すのが賢明です。
ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
Q1. ADD傾向にあると発達検査で診断されています。小学校では通級指導を受けていました。中学では学校を休んで通級指導を受けることを本人が嫌がり、現在は指導をうけていない状況です。 手帳もないのですが、TEENSでの指導の対象になるでしょうか。
A. TEENSのサービスを利用するにあたっては障害者手帳は不要ですのでご安心ください。放課後等デイサービスを利用するには『障害福祉サービス受給者証』が必要がですが、こちらは基本的には診断書があれば取得できます。提出書類は自治体によって異なる場合があるため、お住いの自治体の障害福祉課に問い合わせてみてください。
通級利用を嫌がった場合について。中学生くらいになると周りの目が気になって通級に通いたがらない…という例は少なくありません。年齢相応の反応で、TEENS生にもよくいらっしゃいます。ぜひ、成長の証だと捉えてあげてください。
一方で、必要なサポートを受ける機会を損ねてしまう可能性があると考えると、喜んでばかりもいられませんね。過去、「あなたは目の見え方が特異的だから、専門的な訓練が受けられる場所に行こう」と主治医から伝えられたことで、気持ちの切り替えがうまくいった例がありました。これは通級がお子さんにとってマイナスイメージが強かったところから、「専門的」「訓練」といった言葉を使うことで恥ずかしいところではない、自分のためになるもの(更に特別感もあって少し格好よさそう)という印象を与えられたことが大きかったようです。
もちろん、放課後等デイサービスを利用するなど学校外の支援機関を頼る、というのもひとつの手ではあります。お子様が納得できる形で学ぶ環境を選べるとよいでしょう。
Q2. 現在海外在住です。軽度知的障害(IQ 総合65)の中1の息子がいます。今後の進学、就職についての情報を検索していて御社のサイトに辿りつきました。年々IQが上がっており、しかし凸凹があるので普通での就職は困難だと思い特例子会社での就職を考えております。当初は特別支援高等学校を検討しておりましたが、その他の選択肢がありましたら、ご教授いただければ幸いです。
A. IQだけでいえば、通常の高校やサポート校なども選択肢に入ってくるかと思います。一般の高校を選択肢に入れる際の判断基準としては、(1)集団の中で過ごすことができるか、(2)学校生活の中で特別な配慮を必要としないか、(3)たとえ失敗があっても切り替えることができるかの3点がポイントとなりあます。例え赤点ばかりでもあまり気にせずうまく周りに助けてもらいながら学校生活を送れるタイプの発達障害のお子様もいます。逆に、感覚過敏だったり環境や状況の変化に弱いタイプですと、どんなに学力が高くても支援と配慮が得られる環境の方が望ましいでしょう。
一方で、特例子会社への就職という点でいうと特別支援学校への進学が一番の近道ではあります。特別支援学校は、企業と独自のパイプでつながっているので、企業実習なども体験でき就職にあたっては有利です。卒業後すぐの就職ではなく就労移行支援のような福祉サービスを利用しながら就職を目指す、といったようなゆっくりペースで将来を考えられるのであれば、特別支援学校に限らず様々な進路も候補になってくるでしょう。
最終的にはご本人のお気持ちが重要です。海外在住ということなので難しいかもしれませんが、見学や授業体験などを経てからの選択をお勧めします。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます