発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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海外メディア「ADHDの診断がASD(自閉スペクトラム症)の診断を約3年遅らす」 Q&A「発達障害児の友人作り」他2015年10月号

  1. インターン説明会を開催
  2. パンフレット「こんなときTEENS」を作成
  3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース
  4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

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  • 第1号 特集「10代の発達障害」
  • 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
  • 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
  • 第4号 特集「Kaien創業期~発達障害の子を持った私が起業家になったわけ~」

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1. インターン採用説明会を開催

来年(2016年)早々、川崎駅近くにTEENS新拠点を開所予定です。TEENSのインターンは、発達凸凹のあるお子様の学習支援や生活支援に入るだけではなく、お仕事体験での上司役や、プログラム作成、営業など、個々の興味・能力に応じてビジネスと福祉の両方の最前線を体験できる、要求度の高いインターンです。

この度、11/15(日)、11/29(日)にTEENS川崎(予定地)でインターンの採用説明会を行うことになりました。採用説明会へ参加希望の方は、以下のウェブサイトからオンラインフォームにご記入ください。

なお、川崎での勤務のほか、横浜・新宿・御茶ノ水の既存拠点での勤務を希望される方も、この説明会の機会をご活用ください。

<リンク>

2. パンフレット「こんなときTEENS」を作成

学習支援とお仕事体験の二本柱で提供しているTEENS。しかし、ただ学習支援をするだけではなく、ただお仕事体験を提供するだけではなく、もっと幅広いサポートをしています。

例えば、学習支援と言ってもExcelやパワーポイント、タッチタイピングなど、ビジネスで必要なパソコン練習をすることも可能です。教材は、大人向けの就労移行支援や学生向けのガクプロでも活用している、動画解説付きの資料を用います。

「こんなときTEENS」はダウンロードが可能です。以下のサイトからご確認ください。なお、ブログでも解説しています。

<リンク>

3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害*に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①自閉スペクトラム症だらけの結婚式 米国・カリフォルニア』、『②ADHDの診断がASD(自閉スペクトラム症)の診断を約3年遅らす』の2本です。

①自閉スペクトラム症だらけの結婚式 米国・カリフォルニア

Autistic couple marries in first ‘all-autism’ wedding where the entire wedding party and nearly all of the guests are somewhere on the spectrumblank

米国で自閉スペクトラム症の人だらけの結婚式が185人のゲストを集めて行われたというニュースです。米国の各メディアが伝えています。結婚したご両人だけではなく、司祭や付添人、そしておそらくパーティーを盛り上げたDJも自閉スペクトラム症の診断を受けた人たちだったようです。

米国では同性婚が(今までは州レベルでしたが)国家レベルで認められたばかりで、いわゆるマイノリティの人たちの権利擁護の機運が高まっています。自閉スペクトラム症もそういった運動の中に入っていることを記事を読みながら感じました。

日本でも自閉症など発達障害の人の結婚は実は大きな、でもあまり語られない話題です。Kaienで就労移行支援にはいる成人の場合をみても、具体的な調査はまだしてはいませんが、女性は結婚している割合が多いものの、男性は低い割合にとどまっています。良く言われるように、収入と結婚の率は関係がありますので、当社としてもまずは仕事にしっかりついて自分の人生の幅を広げやすくすることを支援していきたいと思いますが、その次にプライベートの時間の充実に何かできることがあるのではないかという気持ちは常に持っています。

この記事のように、発達障害者同士が結婚することもあるでしょうし、そうでないこともあるとは思います。ただAll Autism(自閉症だらけ)でインパクトを出して社会へのメッセージを送るという今回のイベントは米国ならではだと感じました。

②ADHDの診断がASD(自閉スペクトラム症)の診断を約3年遅らす

Is your child’s ADHD actually autism? Symptoms may ‘mask the condition -delaying diagnosis by three years’ blank

米国では医療や福祉の現場で、ADHDと自閉スペクトラム症をはっきりと分ける傾向があります。日本では専門家は発達障害という大くくりで見る方が多く、つまりADHDと自閉スペクトラム症が重なることが一般的と考えている人が多いですが、まだ幼い我が子を診断されたばかりの親御さんは、「我が子はADHDで自閉スペクトラム症ではないから」などくっきりと分けて認識しようとする方が一定層いると感じています。

今回の記事では、ADHDの診断を先に受けた場合、ASD(自閉スペクトラム症)の診断が約3年遅れているという調査結果が出ました。誤診ではなく、両方の診断を受けるべきだったが、特徴が似ている部分が多いため、より早期介入が必要と言われる自閉スペクトラム症の診断が遅くなってしまっているということです。

具体的に数字を見ていくと以下のようになります。すべて米国の数字です。

  • 1,496人の自閉スペクトラム症の診断がある児童のうち、42.9%はADHDの診断もある。
  • また、そのうち、44.5%の児童はADHDの診断が先行した。(ASDの診断が同時だったり、先行したり、しなかった。)
  • ADHDと診断されたお子さんの場合、(自閉スペクトラム症の傾向があって診断を受けるべきだったとしても)、6歳以降まで見逃される確率が、自閉スペクトラム症の診断のみの場合の、30倍にもなる。
  • 自閉スペクトラム症の診断の中央値は、4歳である。
  • ただし、何らかの特別教育が必要な自閉スペクトラム症の児童で、6歳以降まで診断が遅れるケースは40%ある。

当社のウェブサイトでもすでにお伝えしている通り、お子さんの場合は多動の部分が当初目立ちますが、概ね中学校以降は自閉スペクトラム症の傾向が目立つようになるお子さんがかなりの割合に上ります。診断名を厳格に理解してほしいということではありません。特徴をとらえて、すこし幅のある認識をして頂ければと思います。

<参考>

4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

友人作り

Q1. 息子は高校2年生なのですが、いろいろとあって自信を無くしております。勉強の意欲もわかず、大学には興味はあるものの大学受験の勉強の仕方がわからいといい家では勉強が手につきません。他にも悩み事がいつまでも解決したいのに解決できず、悩んでいます。集って同じ楽しみを共有できる友達もいないので悶々とすることが多いです。できれば、想いを共有できたり理解してくれて話すことのできる同年代の方がいたほうがいいと思っています。

飯島. 同年代との友人関係というのは、精神的な成長を促すために非常に重要です。一方で、対等な関係である友人関係は、それを維持するためにお互いに対人力と努力が必要となります。そのため、配慮をしてくれる大人とのコミュニケーションはとれるが同年代とのやりとりは難しい、という発達障害のお子様は少なくありません。今回ご相談いただいた方のお子様がどの程度コミュニケーションがとれるのかは分かりませんが、理解のある、家族ではない大人と信頼関係を気付くことが最初の一歩としてはよいかと思います。その後に同年代との関係に応用していくことをお考えください。

場面緘黙

Q2. 高校2年生(過年度入学の為、年齢は18歳です)の息子がいます。広汎生発達障害と診断されたのが中学3年の時です。気づいてあげる事が出来ず、2次障害を発症してしまい、場面緘黙の診断も受けました。自分の思いを伝える事に、かなり臆病になっています。そんな状況下でも、ご指導上、支障はありませんでしょうか?

飯島.利用されているお子様の中で、場面緘黙がある方もいらっしゃいます。なお、その場合お仕事体験のような集団セッションではなく、学習支援のような個別セッションの参加からお勧めします。お仕事体験は言語によるコミュニケーションが主で、また個別への配慮が学習支援と比べ難しいためです。まずは緊張度が比較的低い場面で、理解のある大人相手と関わる機会をもって場に慣れていってもらうことが重要となります。

障害の種類・程度

Q3-1. 放課後デイサービスを利用してましたが、(重い子供など)息子に合うところがなくて探していました。息子は、普通級の通級で、勉強を見てくれるところを探しています。勉強をなんとかしたいです。

Q3-2. 療育手帳A2ですがパソコンには興味があり座ってられますが障がいが重めでも大丈夫かが心配です。今は他の放課後支援で週3回お世話になっています。

Q3-3. ダウン症の小学校3年生です。ダウン症児でも大丈夫でしょうか?TEENS横浜様へ通えないか伺いたく、説明会の参加を希望しております。

飯島. 利用されているお子様の中で、ごく一部ですがダウン症の方もいらっしゃいます。障害名は特に考慮はしておらず、基本的には(1)他者に影響のあるような大きな行動障害がなく (2)口頭言語での指示を理解できる方、を対象としています。障害程度が中~重度のお子様向けのデイサービスは多数存在しますが、軽度のお子様が通いやすい場所は少なく、結果的にそういった困り感は見えにくいが実際には困っている子の居場所が確保されていない、という現状があります。そのため、TEENSではそういったグレーゾーンのお子様を対象に支援を行っております。お仕事体験についてはプログラムごとに対象者像が変わりますので、詳しくはウェブサイトをご参照の上是非体験セッションにご参加ください。

遠方からの長期休暇の利用

Q4. 高校2年生で普通高校に通っていますが、いろいろ苦手があり、このまま大学に進学しても・・・と悩んでいます。御社のようなところが関西にもあればと願うばかりです。質問ですが冬休みや春休みだけ通うことは出来ますか?希望としては、コミュニケーションをもう少し上手にとれて楽しいと思えるようになってほしいことと、進路の方向性の相談にのっていただけたらと思っています。

鈴木. 放課後等デイサービスは、親御様への支援も行いますが、まずベースとしてお子様の通所利用があり、それに付随する形で親御様との関係が生まれます。このため、遠方からでも定期的に通っていただく必要がございます。ごく一部の場合(具体的には飛行機を使って通うなど遠方の場合)、長期休暇だけまとまって利用している方もいらっしゃいますが、その際はあまりに短い間でのアセスメントとなるため、親御様へのフィードバックも限定的になる可能性がございます。その点、ご了承いただけますと幸いです。

事業所による利用層の違い

Q5. 横浜には高校生が少ないと拝見しましたが新宿の方がよろしいでしょうか?

飯島. 確かに新宿の方が年齢層は高めですが、わずかな差ですので、ご心配いただく必要はございません。また同じ事業所でも曜日や時間帯によって年齢層や雰囲気が異なります。学習支援の場合は、横浜でも遅い時間(18:00以降)であれば小学生のお子様はほとんどいない状態になりますし、逆に新宿でも早い時間は小学生が多い日もあります。利用開始後に、どうしても環境的に合わない場合は曜日の移動や事業所の変更を相談させていただくことも可能ですので、まずはご本人にとって通いやすい事業所をお選びいただくことをお勧めします。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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