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TEENSでは新宿・横浜・御茶ノ水の各拠点の質を向上させながら、第4拠点の準備を進めています。ここ数か月採用サイトも充実させました。応募に当たって事前に当社での業務がより想像しやすくなっています。
またKaien/TEENSで働くスタッフのうち10人に一人ほどの割合で首都圏に引っ越して業務を行っています。発達障害*の支援の最先端で仕事をしたいという思いからです。このため以前より、首都圏以外からの応募の場合、面接にかかる交通費(例:飛行機代・新幹線代)を当社の負担としているほか、採用にあわせて引越費用の補助制度もあります。発達障害に関する支援で新しい世界を切り拓きたい方のご応募をお待ちしています。
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このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『「自閉症向け食事療法」 効果は認められず、栄養過多・不足の場合も』、『米国の男子 15%がADHDの診断有』の2本です。
‘Autism Diets’ Do Not Provide Children With Adequate Supplementation, Can Lead To Overuse
米国では自閉症の要因を探る動きが活発です。更には科学的な根拠がない状態ながら様々な治療法が出回っています。まったく化学物質の無いところで生活をするなど環境要因に原因を求める動きもありますし、今回のニュースのように食事に違いを求める場合もあります。
具体的な「自閉症向け食事療法」というのは、Gluten-free and casein-free (GFCG) の食事で、日本語訳するとグルテン・カゼインが入っていない食事のこと。頭文字を取ってGFCGとなっています。人は無数のたんぱく質によって構成されていて、このグルテン・カゼインもタンパク質であり、カゼインに至っては母乳にも含まれる要素ということで、そもそも盲目的にGFCGを信じたり、それが自閉症の症状の改善に効果があるというのは、親や本人の焦りに付け込んでいる商いの仕方だとも批判的に感じられます。
実際この療法には科学的な根拠はないということ。むしろ特定の栄養を取り過ぎたり、足りなくなったりという事態になりえるということです。あまり極端にならないように、つまり○○栄養法などを意識しすぎず、普段から健康的な適度な食事を心がけるに越したことはないということなのだと思います。もちろん子どもに食べたいように食べさせるというわけではありません。そもそも子どもの場合ですと抑制が聞きにくいですし、一部の発達障害のお子さんは太りすぎ(実際そのような傾向があるという研究結果も出ています)のケースもあり、あくまで常識的な範囲で体が欲するものを摂るということになるのだと思います。
ちなみにADHDが家庭用の殺虫剤と関係があるというニュースが、ここ1か月、様々な海外メディアで取り上げられています。英語が読める方は以下の記事をご覧ください。
ADHDと家庭用殺虫剤のリンク 男の子で殺虫剤への接触が多い場合にADHDの率が高まることを研究者が発表
今後もこのニュースレターでは様々な学説や取組をなるべく公平な目でご紹介していきます。
Over 13% of American Boys Have Had an ADHD Diagnosis
13%というのは、7,8人に一人。野球チームでもサッカーチームでも一人以上はいる計算になります。また以下に抜き出したように、女の子では5.6%、子ども全体では年齢に応じて2.7%(4~5歳)、9.5%(6~11歳)、11.8%(12~17歳)とのことです。
“For those aged 4–5, prevalence was 2.7%, 9.5% for those aged 6–11, and 11.8% for those aged 12–17,” stated a CDC data brief. “13.3% of boys and 5.6% of girls aged 4–17 had ever been diagnosed with ADHD.”
このニュースではその他、公的な保険に入っている人、民間保険に入っている人、そもそも保険に入っていない人によって、子どものADHDの割合に違いがあるということも伝えています。米国では一般的に富裕層が(より充実した)民間の保険に入っていますので、所得・資産との関係も診断率に関係があるというわけです。これによると、保険にはいれていない場合の診断率が最も低く、次に民間保険、最も高いのが公的保険ということです。おそらく無保険の場合はそもそも診断につながることすらできていないという貧困の問題と絡んでいる可能性があることがわかります。一方で公的保険の場合に診断率が民間保険よりも高いことはにわかにはわかりませんし、記事でも理由までは踏み込んでいません。
なおADHDなど発達障害の統計については以下にまとめています。ご参考までに。
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*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます
代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。
Q1. これまでの我々の対応が悪かったのだと思いますが、「勉強」という二文字への嫌悪感が尋常なく大きいです。考えるということは好きですので、先生方からはもったいないと嘆かれますが、本人はADHD傾向で書字障害があり、どうしてもできないことへの絶望感と、凹凸のギャップへの憤りから上述の嫌悪感を確立してしまっています。私も学習面に加え、精神面の支え方も試行錯誤しているのですが、精神面のフォローに関してはほぼ無力です。学習面以外でも誰かに力になっていただけたらと思うのですが、こういった問題にはどのように関わってこられたか、伺えたら幸いです。
飯島.勉強にこだわらず、好きなことから始めてみてください。考えることが好き、というのは素晴らしい才能です。まずはその力が活かせて、お子様が楽しんで行える課題を与えてみてあげてください。どんなに素晴らしい学習のシステムを用意しても、勉強が「やりたいこと/やった方がよいと思うこと」ではなく「やらされること」であるうちは、嫌悪感を消すことは難しく結果に繋がっていきにくいでしょう。まずはご本人の興味の強い事柄に取り組んでもらい、気が付いたら勉強に繋がる部分があった、というくらいの方が導入としてはよいかと思います。勉強ができなくても働く場所はありますが、自尊心が低くなりすぎると継続して働くことは難しくなります。勉強にこだわらず、沢山の成功と次に繋がる失敗を体験させてあげてください。
Q2. 高校一年の息子が学習障害のようで只今病院で検査をしていただいているところです。最終的に全ての検査結果が出るまでには数ヶ月先になるそうですが、検査途中段階で、学習障害に加えADHDの疑いも有りそうだとお話しして頂きました。先日神奈川オアシスの講習会に参加させて頂きました時、Kaienの就労施設に通われているお子様のお母様に高校生でも通えるTEENSがあるよと教えて頂きました。息子は大学進学を希望しています。しかし長文読解が困難なため入試をどうしたらよいのかなど不安がいっぱいです。
鈴木. 発達障害は純粋に、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD、学習障害(LD)のいずれかだけが見られるケースはむしろ珍しいというのが当社の現場を見ている時の実感です。診断名があると確かに傾向をつかみやすいですが、逆に診断名に縛られてそのお子さんの特徴を色眼鏡で見てしまうことにもつながりかねません。当社では診断は非重視で、(診断を一つの参考としながらも)改めてご本人に向き合うようにしていますし、ご家庭でも発達障害というキーワード以外でもお子さんを見つめてあげられれば良いのでは、と思います。
Q3. 小学6年の時、LD(特に書字)と言うことで、現在も支援センターに通っています。国語(漢字)と英語(最近ようやく英単語が読める?)程度なのですが、御社の学習支援システムがどのようなものか、また高校受験も2年後に控えている為、とても興味深く、説明会に参加させていただきたいと思いました。
飯島.いわゆる〇〇療法や〇〇式というような学習方法は取り入れておらず、特性に合わせて視覚的な解説と言語的な解説を使い分けています。また、現在学習支援では「教えられたことを吸収する」だけでなく「自立的に学習を進める方法を身につける」ことに重点を置いています。そのため目標設定からそこに到達するためのスケジュール立て、具体的な課題の取り組み方からサポートをしています。
Q4-1. 現在多摩地区に住んでいるものです。こちらは発達障害児の小学生の学習支援を受給者証で行っている事業所は数少なく、あっても入るのに3年待ち、、とかなり厳しいものになっています。放課後デイなどはかなりできてきたのですが、学習支援や将来の就職を意識した支援という画期的な事業所はまだ聞いたこともないです。親としては、こんなところがあったらすぐにでも入れたいです。是非とも多摩地区にも出してもらえたら、、、。検討をお願い致します。
Q4-2. 神奈川県にもう少し教室を増やして欲しいです。
鈴木. 現在神奈川県に第4拠点を作ることを計画して、オフィスを探し、スタッフなどを採用・実地研修を始めているところです。拠点を拡大することで質を下げないのが何より重要ですので、そこは何よりも気を付けてまいります。なお、多摩地区についてはまだ検討中という段階で、具体的なプランには移せておりません。
Q5. 説明会には、子供を連れて行っても大丈夫ですか?
鈴木. はい。可能です。ただし、別のスタッフが着くわけではございませんので、”発達障害”という言葉が使われる説明会にお子さんも同席する形になります。その点のみご承知おきください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます