発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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【ティーンズ利用者の声】提出物は気合や根性でどうにかなるものではない(Hさん・女性)

ティーンズ公式YouTubeで放送した「発達障害の子の通級入門~高校編~の記事サムネイル
保護者インタビュー通級高校 公開日:2024年11月18日(月)

保護者・Hさんプロフィール

お子さんについて:小学校1年生~高校生の現在も通級利用を継続中。現在は高校2年生(2024年時点)

抱えているお悩み:診断名はASD・ADHD・書字障害。提出物やスケジュール管理の苦手さがある。

利用しているサービス:放課後デイサービス

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小・中・高と通級を利用されているのですか?

ティーンズ編集部:野田渓介

今回は高校での通級利用について伺うため、保護者のHさんにインタビューをしました。
さっそくですが、お子さんのこれまでの経歴を教えてください!

よろしくお願いします。本人は5歳のときにASDとADHDの診断が出ています。さらに小学校高学年で書字の障害(※)という診断も受けました。通級は小学校に入学したときから利用していて、中学校でも引き続き利用しています。今は高校2年生で通級の先生と打ち合わせなどをしており、今後通級を利用する予定です。

※書字の障害とは…全般的な知能の遅れはないが、読む・書くといった特定の学習行為にサポートが必要な特性のこと。

本人はこだわりの強いタイプではないため、日常生活であまり困り感はないのですが、物の管理やスケジュールの管理が難しいですね。そのため学校でプリントが管理できない、締切が管理できない、といった問題があります。

高校の通級利用のきっかけは?

ティーンズ編集部:野田渓介

今回のインタビューでは高校の通級についてお伺いしたいと思います。現在(高校2年生の4月時点)は利用にあたって打ち合わせなどをしているのですよね?

はい。主治医の先生から「高校でも通級を使った方が良いかもね」とアドバイスをいただいたことがきっかけです。実際に使うにあたっては、特別支援教育コーディネーター(※)の先生が本人への声掛けや書類の受け渡しなどをしてくださいました。在籍校の制度では基本1年間通級を利用できるため、1年生で利用すると申請にかかる時間の分、利用できる期間が少なくなってしまうとアドバイスを受けました。そのため高校2年生から利用スタートできるように手続きを進めています。

※特別支援教育コーディネーターとは…各学校に配置されており、学校内や保護者、関係機関との連絡や調整を行っている。

入学するタイミングで、小中学生のときに作成いただいた個別支援計画書や心理検査の結果などたくさんの資料を提出していました。そのため学校側も本人の状況を理解してくださっていました。実際に入学してから「提出物が出せない」などの課題が見え、先生方も通級でのサポートが必要と感じてくださったようです。

困りは根性でなんとかなる?サポートが必要?

ティーンズ編集部:野田渓介

では、実際にこれから高校の通級を活用されるのですね。今後通級の利用が始まるにあたり、どのようなサポートを希望されていますか?

主にスケジュール管理や提出物の管理のサポートを受けたいと思っています。プリントや提出物が多く、家庭では学校の机の様子などは見えないため…。より詳細を知っている先生にサポートいただいた方が効果的なように感じます。

ティーンズ編集部:野田渓介

通級を利用するにあたって、ご家庭での書類の準備やお子さんの心の準備など、必要なことや困ったことはありましたか?

家庭ではとくに追加の準備はなく、入学前に提出した書類で大部分の準備が整っていました。本人についても、通級を利用しても単位は変わらず取ることができる点、「やる気がない」「さぼっている」と先生に思われないためにも通級を利用できる点などで通級は必要であると感じていたようです。高校に入学できた時点で、周りからは「ある程度提出物や生活をこなせる」といった目で見られてしまうという視点もあり、実際に通級を利用することに対して悩む部分もありました。しかし特別支援教育コーディネーターの先生に「提出物やスケジュールの把握は根性でどうにかなるものではなく、サポートが必要」と後押しをしていただいたことで親子ともに気持ちが軽くなりました。

ティーンズ編集部:野田渓介

それはとても心強いですね!ありがとうございます。最後に、進路選択についてもお伺いします。なぜ現在の高校を選ばれたのでしょうか?

定時制の学校なども見学に行き検討したのですが、美術を学びたかったので単位制の高校が最適だと考えました。最終的に、苦手なことややりたいことを本人が判断してスケジュールを組むことのできるこの高校が、本人に一番合っていると判断しました。

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ティーンズスタッフからのコメント

ご本人は日常生活では困り感が見えにくいため、特性による「提出物管理の困難さ」「スケジュール管理の苦手さ」が「気合でなんとかなる」と思われてしまいがちでした。だからこそ専門性のある特別支援教育コーディネーターの先生に後押しされたことが、通級を利用するきっかけになったのですね。ティーンズでは、「なんとかなる」と思われてしまう部分についてもしっかり寄り添い、サポートしています!

この記事を書いた人

ティーンズ編集部:野田渓介

資格:小学校教諭一種免許状
一言:誇りをもって障害を受け入れられる世界に。
プロフィール:幼少期に走ることができない、ボタンを掛けられないなど些細なことから他者との違いを感じ、周囲や家族に違いがばれない様に学齢期を過ごす。大学生で発達障害の診断を受け、そのとき感じた疎外感や自身のような悩みを抱えたお子さんの力になりたいと感じて福祉の道へ。株式会社Kaienに入社後、自身の障害をオープンにしつつ、児童向けサービス”ティーンズ”のオンライン講座等のプログラム開発及び運営を担当。誇りをもって障害を受け入れることを目指している。

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