“発達障害*”にまつわる情報を3分程度で読める文章と1枚の図表にまとめてお届けします。
今回は「発達障害 × 疲れやすさ」についてご紹介します。
保護者の方からよく受けるご相談のひとつに、「うちの子、何かあるとすぐ疲れた、って言ってさぼろうとするんです」というものがあります。
確かに、活動自体への拒否(苦手意識が強いのか、やる意味を感じていないのか、別にしたいことがあるのか…)をストレートに表現できず、「疲れた」という言葉をつかってエスケープしようとしている場合もありえます。
一方で、発達障害の子どもたちの中には疲れやすさを抱えていることが多くあります。子どもたちの「疲れた」の背景にどんな理由が隠れているのでしょうか?考えてみましょう。
隔週金曜日!発達障害の子の
最新情報に関する LIVE を配信しています
ティーンズの公式 YouTube チャンネルに遷移します
今回、発達障害の子どもたちが疲れやすい原因として、代表的な5つをご紹介します。
あるASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)の成人の方が、こんな風に仰っていました。
「空気は読むのではなく解読するものだと思っています。私は常に状況を論理的に分解して、言動を選択している。だから疲れるんです」
定型発達の人の場合何気なく・自然に・無意識にできることでも、発達障害の人たちは頭や心や体をフル回転させて対応していることが多々あります。そのため周囲から見たら「普通にしているだけ」でも、それだけでたくさんのエネルギーを消費している可能性があります。
想像してみてください。工事現場で勉強がはかどりますか?強い直射日光の下で本が読めるでしょうか?チクチクした服を着てリラックスできますか?
感覚に過敏性のある人たちは、一般的な人たちよりもストレスにさらされている機会が多く、神経をすり減らしやすい傾向にあります。
発達性運動協調障害(DCD)とは、個々の身体機能に問題がないにもかかわらず、脳が運動をコーディネートできない障害のことを言います。
極端に不器用だったり、力加減を調整することに苦手さがあるため、「服を着る」「靴ひもを結ぶ」といった日常的に行われるような動作でも苦労するため、疲労感を覚えやすい傾向にあります。
思考や行動のコントロールが効きにくい多動・衝動性優勢型のADHD(注意欠如多動症)の方は、日常的に費やしているエネルギー量が他の人よりも多い傾向にあります。
また、単純な活動量の問題だけでなく、その衝動性をコントロールすることに神経をすり減らして疲れてしまう例も多いです。
以上のような理由から、発達障害のある方は緊張状態が続いたり、エネルギー消費が激しいといった傾向があると同時に、体や脳・心を癒すための休息をとることにも苦手さが見られます。
特にADHD(注意欠如多動症)の子どもの25~50%が睡眠に関する何らかの問題を抱えていると言われています。
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
このように、発達障害の子の「疲れた」という言葉の背景には様々な事情が隠れている可能性があり、同年代の定型発達や、自分の子どもの頃の体力と同じ尺度ではからないことが大切です。疲れやすいことを責めるのではなく、ストレスを減らす方法や休息のための手立てを教えてあげられるとよいでしょう。
※※図の使用について※※
発達障害啓発目的・非商用利用の場合に限り、引用・転載を許可します。その際には、引用元として本ページ名を明示してください。なお、著作権はTEENSが所有しており、図の二次利用・改変は禁止とします。商用利用を希望される場合は(teens@teensmoon.com)までご連絡ください。
「発達障害×思春期」の領域で講演、研修を承っています。オンライン・オフラインともに対応可。ご希望の方はこちらへ
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
こんなお悩み
ありませんか?
隔週金曜日!発達障害の子の
最新情報に関する LIVE を配信しています
ティーンズの公式 YouTube チャンネルに遷移します