保護者・Hさんプロフィール
お子さんについて:現在は高校2年生(2024年時点)
診断名:ASD・ADHD。小学校高学年で書字障害の診断も出ている。
利用しているサービス:放課後デイサービス
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インタビュアー:よろしくお願いいたします。まずはお子さんについて、可能な範囲で教えていただけますか?
Hさん:はい、本人は今高校2年生で、都立高校の普通科に通っています。未就学の時からASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けており、小学校の高学年で書字障害の診断も受けました。勉強はあまり得意ではなく、とくに試験での解答記入やノートを取るときに時間がかかるので、受験でもその点が課題だと思っていました。
インタビュアー:診断がついたのは小学校高学年からだったのですね。今回お話いただくのは「高校受験のときに受けた合理的配慮」とのこと。では、きっかけや流れについて教えていただけますか?
Hさん:高校受験のときに合理的配慮を受けようと思ったきっかけは、中学の頃からお世話になっていた言語リハビリの先生のアドバイスです。その先生は本人が小学生のときから月1回のペースでお世話になっていました。
すでに学校ではiPadを持ち込んでノートテイクをしてよいといった配慮を受けていたこともあり、「受験で合理的配慮を申請してみたら?」とアドバイスしていただいたことを覚えています。私も考えたことはあったのですが、具体的な方法が分からず…。12月の初め頃に言語リハビリの先生のところに行ったとき「締め切りがもうすぐだよ」と言われて、半月しか猶予のない中急いで申請を準備しました。
インタビュアー:かなり直前の準備だったんですね!このインタビューを読んでいる人の中には安心する人もいるかもしれませんね。どのような準備や手続きをされたのか詳しく教えてください。
Hさん:事前準備はせず、都立高校の合理的配慮の申請書を東京都のウェブサイトからダウンロードして、自分で記入しました。その後、担任の先生に内容を確認してもらい、中学校の校長先生を経由して高校の校長先生に渡っていったようです。
事前準備や工夫はゼロですが、WISCの結果に基づいて書いたためスムーズに手続きができたと思います。
インタビュアー:具体的にどのような配慮を希望されましたか?
Hさん:2つの内容で申請しました。1つ目は、試験時間の延長です。彼は処理速度が遅いので、時間に追われることがストレスになるという理由で出しました。2つ目は、書字が難しいため、ICT機器(たとえばタブレット)を使用したいとお願いしました。ただ、ICT機器の持ち込みは厳しいようで…。代わりに「選択式の試験形式であれば受験可能」と提案をいただき、全教科で10分ずつ延長していただく配慮を受けることになりました。
インタビュアー:配慮が通らなくても代わりの提案があったことは良かったなと思います。試験当日、お子さんの反応はいかがでしたか?
Hさん:本人は「書かなくていいならラッキー」という感じで配慮を前向きに受け入れていました。でも試験当日は延長で試験時間が長くなり、皆が帰った後も試験を受けていたので、夕方5時頃にはヘロヘロで出てきました(笑)。寒い中、真っ暗になってからの帰宅でしたが、無事に合格できてホッとしました。
インタビュアー:受験後、現在の高校生活でも配慮を受けられているのでしょうか?
Hさん:はい、高校では先生と直接交渉して、配慮をお願いしているようです。授業中のノートは重要な部分だけ記入するプリントを用意していただいたり、黒板を写す負担が軽くなるようにしていただいています。おかげで少しずつ学校生活にも慣れ、自信をつけているようです。
この先も一応進学を視野に入れており、高校でも配慮の申請について先生方がサポートしてくださっています。今後も支援を受けながら、少しずつ社会で自立できるように準備していけたらと思っています。
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ティーンズスタッフからのコメント
配慮を受けるにあたっての手続きは多く、時間もかかるイメージですが、今回の事例はまさに直前駆け込みでの配慮申請でした!ただし、事前にWISC(心理検査)を受けていたことでスムーズに進んだようです。また、申請した配慮が通らなくても代替手段の提案があったことは嬉しいですね。現在も高校生とのこと、素敵な学校生活となることをスタッフ一同応援しております!