TEENS横浜の飯島です。
本日は、お子さんにとってのお仕事実践「アルバイト」のお話です。TEENSでは発達障害*のあるお子さんの「はたらく力」を育てるべく「お仕事体験」というプログラムを通して段取り力や質問・相談力を高め、働くことへの理解を促しています。
そんなお仕事体験ですが、その成果を発揮して、なんと数名のお子さんがこの夏実際にアルバイトを始めるに至りました。
あるお子さんは学習支援の時間を使って、まずアルバイト先候補の選定からTEENSスタッフとともに始めました(実はそんなことにも対応しています)。地元の駅から情報誌をもってきて、読み込んでいきます。「時給1200円!」なんて文字に目がくらみがちですが、お給料が高いということは大体大変なお仕事なのです。家から、学校から無理なく通えるか。テスト期間などが配慮してもらえるようなシフト制か、そもそもできそうな業務内容なのか。イメージさせて、現実を教えて、その上で取捨選択していきます。
「職歴」の欄に「お仕事体験」 と書こうとしたお子さんも、、、 |
次に、面接のアポ取りです。電話の受け答えから切るタイミングまで…細かくシミュレーションしてからいざ本番。無事アポイントメントがとれて涙ぐむ子もいましたが、本当に大変なのはこの後。面接練習と履歴書準備開始です。
高校生のアルバイトの面接ですと、正直なところそんなに難しいことは聞かれません。「飯島さんとの練習の方が厳しかった」と言われることもしばしば、、、。志望動機、アルバイト経験、勤務可能日などなど、聞かれそうなことは一通り練習します。そして重要なのが表情と姿勢と言葉遣い。面接練習の様子を動画で撮影し、それを見ながらフィードバックします。
そんなこんなで採用が決まり、晴れて働き始めたお子さんたち。シフトの申請方法が分からずに怒られた、疲れたので座っていたら注意された、などなど色んなエピソードがありますが、お給料がもらえるということが何よりも大きなモチベーションになっているようです。「リーダーの人に話しかける時、「ただいまお時間よろしいですか」って聞いたら褒められたよ。TEENSのお蔭」という話しをしてくれたお子さんもいました。我々も胸いっぱいです。
お仕事体験ではリアリティを重視してはいるものの、本物のお客さんもいなければ利益が生れるわけでもないためやはり現実とは異なります。お仕事‘実践’に踏み出した彼らを、TEENSでできる限りサポートしていけたら嬉しいです。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます