発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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成長。それは好きな場所を見つけること

2016年3月25日

TEENS新宿スタッフの金井です。私ごとながら、この4月にTEENSから、社内の就労支援部門に異動することなりました。当社のお子さん向けサービス(TEENS)と大人向けサービス(ガクプロ就労移行支援事業)の間では、積極的な人事交流、社内留学が行われ、合同会議や社員全員合宿も盛んに開催されています。こうした動きを通して、スタッフが目の前のお子さんだけではなく、5年後10年後15年後のお子さんの姿、就労という未来への見通しを持ったサービスの提供を目指しているわけです。また、スタッフが幅広い視野やスキルを持つことにより、人生の伴走者として長くサポートさせていただくことが可能になると考えています。

さて、私がTEENSに携わったのはほんの数年なのですが、その間に小学生だったお子さんが中学生になり、中学生だったお子さんが高校生になり、高校生だったお子さんがさらに進学されたり、社会人となって巣立って行ったりしました。お子さんの成長には目を見張るものがあり、あんなに人前に出るのが嫌いだったのに今では「はいはいはい!」と人を押しのけて発言するようになったとか、あんなに指示待ちだったのに今では「大丈夫?」と後輩の面倒を率先して見ているとか、1人で遊ぶのが好きだと思っていたのに今では輪の中で大笑いしながら遊んでいるとか、そんなお子さんは枚挙にいとまがないです。むしろ、変わらないお子さんはいないなぁと感じています。お子さんは変化の可能性を常に秘めた存在です。

そうは言っても、最初はなかなか心の内を見せてくれない、集団に入る時の緊張がとれないなど、シャッターを下ろしたままに見えるお子さんもたくさんいました。我々スタッフは、どうしたらTEENSを好きになってくれるかな、とあの手この手を考えます。何か特定のツールや方法論があるわけではなく、その押したり、引いたりのやりとり自体がお子さんとスタッフとの距離を縮めてくれるように思います。今日はこんな顔を見せてくれた、こんなことができるようになったというスタッフのささやかな喜びがお子さんにも安心感としてだんだん伝わっていくのではないでしょうか。

お子さんがTEENSを好きになってくれたんだなぁと実感することがあります。休み時間にみんなに楽しんでもらおうとクイズを作ってきてくれたり、休みの日に開催するイベントの企画書を持ってきてくれたりするお子さんがいます。また、毎月スタッフに「サンキューノート」という小さなお手紙を書き、感謝の気持ちを伝えてくれるお子さんもいます。思いがけない言葉に心底励まされます。

さらに最近の例をご紹介すると、あるお子さんがPCスキルを活かし、毎回TEENSのトピックスを記事にして掲示してくれる「TEENS新聞」というのがあります。毎月発行されるのですが、今月号の一面は「TEENSを卒業する先輩へのインタビュー」でした。TEENSの思い出や後輩へのメッセージが綴られており、それが後輩の手によって形になり、受け継がれていく、そこにはTEENSの歴史が紡がれていくようなちょっとした感動があります。機会があったら、読みに来てくださいね。

先日は、今春18歳でTEENSを卒業するお子さんのお祝いの場を現役生皆でプロデュースするというイベントがありました。当日、学校ではやったことがないであろう様々な役割にチャレンジするお子さん達の姿を見ていると、発達障害*のあるお子さんにとって、好きな場所があって、安心できる仲間がいることがどれだけの勇気につながるのかが分かります。

最後に皆さんへ。TEENSを好きになってくれて本当にありがとう。これからも大好きになれるものや場所はもっともっと見つかりますよ。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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