TEENS新宿の木内です。TEENS受験生の合格体験記を紹介する「合格おめでとうシリーズ」。今回は、最後まで努力を惜しまず、見事第一志望校の高校に合格したIくんを紹介したいと思います。
ちょうど1年前の1月頃、「絶対に行きたい高校があるんだけど、今の成績じゃ足りない。でも、A高校にしか行きたくない!」と、Iくんとその親御さんからお話がありました。詳しく聞くと、鉄道関係の就職に強い高校があり、一般入試では自信がないため、推薦入試で合格したい。成績は今のところ全然足りないけれど、今から学校の成績を頑張って上げて、推薦の基準を満たしたい!とのことでした。
この時点で、Iくんは中学2年生。推薦入試が来年の2月ということを考えると、残り時間は限られていました。Iくんは、「この1年間、頑張って努力する。絶対にA高校に行きたいんです」と、決意は固い様子。TEENSとしても、お子さんが「これを頑張りたい」と考えて決断したことは、全力でサポートしたいと考えています。「じゃあ1年間、高校合格に向けて頑張りましょう」。こうして、Iくんの受験勉強はスタートしたのでした。
まずはじめに、高校合格のために何をすれば良いのか話し合います。TEENSに通うお子さんが苦手とする、「段取り力」を鍛える指導です。「学校の成績をあげる」と漠然と答えるIくんに、「どれぐらいあげれば良いの?あげるためには何が必要だと思う?」と問いかけるスタッフ。こうして、目標やすべきことを具体的に決めていきます。目標は、『今より評定平均を1〜2段階あげること。期末テストの点数を平均ぐらいまで上げること』。そのために行うことは、『宿題等の提出物を期日までに全て出すこと。テストでは平均点ぐらいまで点数を上げたいため、基礎の勉強をひたすら行うこと』。具体的な目標を立てることにより、お子さんが目指すべきゴールを分かりやすくします。そうすれば、そのためにやるべきことを月単位、一週間単位、そして一日単位で設定しやすくなるからです。
最初は見通しが上手く立てられず、数学だけに偏った計画や、いきなり難しい問題を解く、といった計画を立てていたIくん。自分が何ができて、何ができないのか、客観的に考えられていませんした。しかし、「この問題ができていないでしょ。解けるようにするには何が必要だと思う?」と、実際の学習の中でスタッフから問いかけ、一緒に計画を考えるうちに、徐々に自分の力を客観的に捉え、「自分ができていないこと」「そのために今やるべきこと」が分かるようになります。受験期後半では、「今は英語の◯◯の単元が理解できないので、このワークをやります。ワークの問題を参考にして、テストを作ってもらえませんか?」と、セッション前にスタッフに相談することすらできるようになっていました!
受験勉強を始めてからのIくんの努力には、スタッフも驚かされました。予定通り、提出物は全て提出し、ほぼ毎週、英単語テストや基礎的な数学の計算問題テストを実施。成績は少しづつ伸びていきました。しかし、ここで一つの壁に当たります。どんなに注意して、自分でも気をつけているつもりでも、数学の符号ミスや簡単な計算ミスといった、ケアレスミスが減りません。せっかく計算が早くても、問題の解き方が分かっても、細かいミスで点数を落としてはもったいありません。どうすればいいか悩んでいると、ある一人のTEENSスタッフが思いつきます。「マス目用紙を用意して、一つひとつ丁寧に計算式を書いてみたらどう!?」
早速マス目用紙をたくさん印刷し、計算問題を解いてみます。ポイントは、一つのマス目の中に一つの数字・符号を納めるように書くこと。すると、式を省いたり読めない字で書いたりすることがなくなり、ケアレスミスが徐々に減っていきます!スタッフもIくんもこれにはびっくり。それからは計算問題はマス目用紙を使い、省略せずに計算式を書くことを習慣付けました。
実際に使っていたマス目用紙 |
このように、試行錯誤しながら自分なりの勉強の方法を身につけていったIくん。しかし、推薦の基準を満たすには、まだ成績が足りない状況でした。そんなある日、英検一次試験の合格の知らせが届きます。英検や漢検の合格によって、推薦の成績に加点する学校は多く、A高校もそうでした。実はIくん、半年前に英検を受験していたのですが、その時は合格点に届きませんでした。今回も、一次試験後のIくんは「わからない問題が多かった・・・」と落ち込んでいたため、まさか合格するとは本人も思っておらず、英検のことは考えず、気持ちを切り替えて学校の定期テストに向けた学習をしていたのでした。
一次試験の合格を知り、そこから急いで二次試験の面接練習を実施。時間が無い中でしたが、入室から退室までの流れを繰り返し練習することにより、たとえ問題にうまく答えられなくても、それ以外の態度等で点数を稼げる自信を得て試験に臨みました。そして結果はなんと合格!本人から、「スタッフの皆さんにご報告があります。おかげさまで英検3級に合格しました。心から感謝しています」と報告を受けた時には、自然と周りから拍手が湧き上がりました。
英検合格を弾みに、学校の期末テストも全力で挑んだIくん。しかし、返却されたテスト結果は、一年前よりはるかに点数が伸びたが、最終的な評定は推薦の基準を満たせそうかというと、「うーん、どうだろう・・・」と、どちらとも言えない様子でした。しかし、ここでもまた壁を乗り越えます。推薦に必要な評定の基準を、見事クリアしたのです!
奇跡の英検合格、そして推薦基準クリアと、次々と壁を乗り越えていったIくん。素晴らしいのは、その後も今まで以上の努力を重ねたことです。入試の内容は3科目の筆記試験と面接。毎日のように英単語帳、漢字練習帳を開き、コツコツと努力を続けます。試験直前にはA高校の筆記試験に類似した問題をスタッフが用意し、問題の形式にも慣れていきます。面接練習は学校の先生やTEENSスタッフと、たくさんの大人を相手に練習することで、本番がイメージしやすくなりました。しかし、どうしても筆記試験では数学のケアレスミスや苦手とする長文問題が多くあり、直前まで不安はありました。
試験一週間前になると、できないところだけに目がいってしまい、難しい問題にどんどんチャレンジし、それが解けずに落ち込む・・・、という悪循環を繰り返していました。そこでスタッフから、完璧な人は一人もいないため、100%を目指すのは無駄なこと。試験直前は、新しいことに挑戦するのではなく、今までやってきた勉強を繰り替えし復習しましょう、とアドバイス。不安は消えないようでしたが、それでも今までの自分を信じて受験を迎えました。
受験の合否を気にしつつも、Iくんからの報告を待っていたTEENSスタッフ一同。実際に本人からの報告をもらったのは、合格発表の数日後、突然の電話でした。結果は見事合格!どうやら受かったことが嬉しくて、報告を忘れてしまっていたようでした・・・。「早く言ってよ!心配したじゃん!」と後で散々スタッフに言われたのはは言うまでもありません。
最初は勉強の仕方も分からなかったIくん。そこから自分の力を客観的に捉え学習予定を立てる「段取り力」を身につけ、ケアレスミスを減らすためにマス目用紙を使うといった「自分なりの学習法」も獲得します。そしてまさかの英検合格、推薦の基準をクリアし、最後に掴み取った『合格』。
TEENSスタッフは合格までの”道筋”を示しただけであり、その道を頑張って歩めるかどうかは、本人の頑張り次第です。もちろん、本人がゴールまで頑張って走り続けられるよう、伴走するのがスタッフの役目ですが、Iくんは伴走者が「もう十分頑張っているからゴールにたどり着けるよ!」と思っていても、最後まで気を緩めずに全力疾走し続けました。
もちろん合格できたこと自体も素晴らしいのですが、何よりも一年間努力し続けたことが、一番素晴らしいことです。この先の人生、お子さんにとって頑張らなければいけない場面がいくつもありますが、TEENSで頑張った経験が、今後の生きる力になっていると信じています。これからも、TEENSはお子さんが試行錯誤しながらも、チャレンジできる場所であり続けたいと考えています。
Iくん、本当に合格おめでとう!頑張った自分を誇りに思って、夢に向かって頑張ってくださいね。