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TEENSでは3カ月に1度ほどイベントを開催しています。この夏はアナウンサー体験とペンション企画を行いました。ペンション企画では、実際に神奈川県内にあるペンションを貸切。宿泊して楽しむだけではなく、1日目はペンションオーナーから接客を学び、2日目に現れる親御さんをもてなすというお仕事体験の番外編として開催しました。
TEENSに通うといっても違う拠点だったり、違う曜日だったりで、一堂に顔をあわせる機会はありません。宿泊ならではの結びつきが得られたという声を参加した方々から頂きました。イベントは予定通り無事終了。今後もお仕事に絡めたイベントを計画中です。
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TEENSでは、放課後等デイサービスに期待されている”お子様のお預かり”の機能を大きく超えて、生活面や学習面でも付加価値を付けることを目標にしています。この度平日夕方の学習支援プログラムの運営方法を大きく変更しました。
これまでは少人数制で教えるというオーソドックスなスタイルでした。が、発達障害*の特性をかんがみ、『見える化=動画の活用』と『切り替えしやすい環境』をキーワードに、TEENS独自の運営方法に様変わりしました。
時間的にも物理的にも人的にも、教える過程と段取りをする過程を切り分けることで、お子様の頭の切り替えがしやすく集中が維持しやすい運営であるだけでなく、勉強の様子を録画することでご家庭でも何度でも動画が見られるため、ご本人も親御さんも躓きのポイントが理解でき、”自分だけの授業”で繰り返し学べる形となりました。間違った事例をすでに数百というレベルで蓄積していますので、学習障害の躓きポイントをライブラリー化する取り組みにもつながっています。
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このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①スタンフォード大研究 利尿を抑えるホルモン“バソプレシン” 自閉症との関連が明らかに』と『②アスペルガー症候群の学生本人による記事 他の学生と暮らす難しさ』の2本です。
Low levels of hormone linked to social deficit in autism
利尿を抑えるホルモンであるバソプレシン(vasopressin)の血中濃度が低い自閉症児は、より社会性に困難があるという研究がスタンフォード大学の研究チームによって報告されました。
研究の概要を読んでいくつか気になる点がありました。
一つは、東大等で大規模に行われている(行われる予定である)オキシトシンと自閉症との研究にも実は関連するようです。オキシトシンは「良好な対人関係が築かれているときに分泌され、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させる」(ウィキペディア)ホルモンですが、今回スタンフォード大学の研究者が注目した“バソプレシン”は、オキシトシンと構造上非常に似ているホルモンであり、“バソプレシン”自身も利尿抑制だけではなく、社会性についての働きがあるとみられているからです。
もう一つは、“バソプレシン”が低濃度であっても、すべての人が自閉症の診断があったり、あるいは社会適応に困難を変えたりしているわけではないことです。研究の概要にも、“バソプレシン”だけが自閉症の要素である可能性はなく、今回は「統計上優位な相関関係が見られた」ということであり、自閉症と関係があったとしても“バソプレシン”以外も絡む複合的な原因で発症するのであろうということです。
自閉症の研究は他の疾病に比べると取り組みが遅いと言われていましたが、様々に研究が進んでいることがわかります。発達障害の中ではADHDは治療薬があるものの、自閉症はまだ抜本的な医学的な治療薬は見つかっていません。今回の研究報告により、自閉症について医学的なアプローチが切り拓かれる可能性がまた一歩高まったように思います。
My Asperger’s makes living with other students a struggle
イギリスのガーディアンにアスペルガー症候群と診断されている学生本人による手記が掲載されました。欧米では9月に学期がスタートする国が多く、今の時期は新しい環境に適応できるか不安を抱えることを取り上げた記事が多数みられます。
特に日本と違って、学生が寮に入ったり、ルームシェアをしたりすることが多く、同年代の学生にどう合わせるのかで苦労をすることが多いようです。記事でも、食事・風呂・就寝というリズム通りにしようとしても他の学生の生活リズムと合わないことが多く大きなストレスを抱えている様子が取り上げられています。
記事で驚いたのが、英国自閉症協会(National Autistic Society)の取り組みです。早くからゴールドマンサックスなど大手企業と組んで雇用対策に乗り出すなど世界の自閉症協会の中では最も取り組みの進んだ団体だと思いますが、ここにはすでに学生相談サービスという大学生向けのサポートプログラムがあり、記事でもそこに連絡をするとよいと結ばれています。
日本では発達障害の学生が大学や専門学校にいることがようやく確認され始めたところです。学生支援というところについての記事の多さやサポート体制の充実ぶりは今のところ英国や米国には遅れを取っていることは否めません。
代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。
Q1. 中学二年生の息子です。診断は受けていませんが、恐らくADHDです。とにかく勉強嫌いで5年ほど塾に通わせましたが、一向に成績が上がらず先生もお手上げ状態でした。そのため、今年に入り辞めました。今はテストの前に私が勉強を見ていますが、全く身が入らず、本人はすぐ寝てしまいます。結果はいつもさんざんです。もう八方ふさがりのように感じ、家庭教師を探していたところ、偶然御社を知りました。良いきっかけになってくれれば有難いです。
飯島. 今回は2つの視点から、ご本人のことを捉えて頂けるとよいかと思います。(1)ご本人にとっての勉強のモチベーションは何でしょうか。誰かに褒められるためなのか、高校受験なのか、もっと未来の将来のためなのか、、、とにかく、目的や目標がなければ行動しません(大人もお給料がでないのであればお仕事はできませんよね)。勉強を「やるべきもの」としているうちはモチベーションも上がりませんので、学習の先にご本人にとって魅力的な「目的」を設定してあげましょう。(2)なぜ勉強が嫌いなのでしょうか。障害特性のために学習に困難が生じているのかもしれませんし、もっと別の理由かもしれません。障害特性のために結果がでないようであれば、ご本人としてもとても辛い状況かと思います。「なぜ」の部分はご本人にも分からないことが多いため、専門性のある第三者に確認してもらうことをお勧めします。
Q2. 大学進学を希望する高校3年生です。書字障がい等あり学習に困難さを抱えています。AO受験を考えており、エントリーシート、小論文等、至急取り組まなければならないところですが、独特のこだわりや思春期が重なり、家族の支えでは対応できない状況です。
飯島.「家族の支えでは対応できない状況」とのことですが、高校3年生という年齢を考えるととても自然なことかと思います。親御様にとっては辛い時期かとも思いますが、順調に発達している証だと前向きに受け止めてあげてください。そのため、受験に関しての対応は学校や塾等の外部の機関に指導してもらうのがよいでしょう。なお、書字障害があるとのことですが、小論文には本当に取り組めるのでしょうか。過去に大学のAO入試で、発達障害者に対してワープロの使用が認められた例もあります。「書くこと」が壁にならないよう、志望校に対応をお願いしてみるのもひとつの手段です。
Q3. 私立進学校へ通う中2の男の子です。授業妨害をして迷惑をかけています。授業以外でも行動全般に対して、権利意識が高く、なぜダメなのかが腑に落ちないようで、改善の兆しが見えません。本人にわかる形で、世の中のルールを教えて頂けることを希望しています。
鈴木. 発達障害の人は基本的に純粋で平和を愛するタイプのはずですので、授業妨害をするということはルールが理解できないというよりも違う課題があるような印象を持ちました。まとまっていない意志や感情を言葉でうまく表示できず、妨害行為になってしまっているのかもしれません。あるいは、自分を理解してくれる人がいないという絶望感から子どもにとっての社会全般(=学校)で潰されないよう一生懸命に自己防衛をしているのかもしれません。さらには、今回のケースには当てはまらなそうですが、お子様によっては発達障害の療育の過程で成功体験だけを積ませようとしすぎると過保護と言いますか、大人が怖いものという恐れを持たないといいますか、自分勝手に未熟な状態が残ってしまう状況も見てきています。発達障害をベースに対応を考えることは良いですが、そもそもどういう精神状況に追い込まれているかなど見てあげる、考えてあげるのが最も重要な気がします。
Q4. 嗅覚過敏のため、教科書を開くことができません。タブレット端末の利用法など、具体的な支援が受けられる場を探しています。発達凸凹がわかったのが小5の終わりと遅かったため、具体的な養育を受けてきていません。
飯島. 確かに新品の教科書は臭いますね。似たようなケースで、教科書に本人の好きな香りをつけて対応する、、、という話も聞いたことはありますが、一度「嫌な臭い」とインプットされてしまうと難しいかもしれません。感覚過敏は本人にしか理解できないものなので、仰る通りで無理強いするのではなく代替物で対応できた方がよいでしょう。年齢を重ねると共に、ある時ふと解消される場合もあります。なお、TEENSでは学習支援の時間でPCやタブレット端末の使い方についても指導を行っています。是非一度体験セッションにご参加ください。
Q5. おすすめのお子さまの所にIQがボーダー以上とありましたが、ボーダーラインの子ども(自閉症スペクトラム)でも参加は可能なのでしょうか?お仕事体験は放課後等児童デイとはまた違うサービスなのでしょうか?
飯島. はい。療育手帳を取得されている方もご利用されています。ただ年齢によって同じIQでも理解できる部分が変わります。お子様の個々の理解力を見ますので一律に数字で切り分けはしておりませんが、境界知能のお子様の場合は小学高学年程度からのご利用がスムーズかもしれません。なお、2点目の質問であるお仕事体験は放課後等デイサービスの一環です。当社は平日は主に学習支援、週末はお仕事体験という二本柱で放課後等デイサービスを提供しています。
Q6-1. 貴社について、東神奈川開設前より知っていましたが、少し遠かったため、息子はやめて、周囲のお子さんに教えてあげて、今、数人知人が通っています。そのため、内容やシステムなど知人より少し伺っています。今度、新規拠点ができるということで、東神奈川より近ければ、ぜひ通わせたいと思っています。
Q6-2. ニーズに沿った活動なのだと感じています。今後そちらのような活動が、こちらの北国までも広がることを願っています。
鈴木. 現在4拠点目(新宿、横浜、御茶ノ水に次ぐ拠点)を神奈川県内に予定しています。物件を探している段階で今しばらく開所までかかりそうです。なお、質を向上させ、スタッフを採用・教育しながらとなりますので、ニーズがあったとしても5拠点目、6拠点もじりじりと増やしていく予定です。まずはしっかりと現在のお客様を考え、余裕があれば一つずつという方針です。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます