「どうしてうちの子はこんなに苦手が多いのだろう?」
発達の特性を持つお子さんを育てる保護者にとって、子どもの将来や支援方法についての不安は尽きないものです。
しかし、苦手なことばかりに目を向けるのではなく、お子さんの「強み」を引き出すことで、大きな変化を生み出せることをご存じでしょうか?
この記事では、ティーンズに通う17歳の少年が支援を通して自己理解と成長につなげた事例をご紹介します。
※ティーンズではスタッフの支援の質向上を目的として、スタッフ同士が支援内容を共有する「チャンピオンケース」を開催しています。本記事はチャンピオンケースで取り上げた一例です。
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今回のケースは、知的障害と診断された17歳の男子高校生です。特別支援学校に在籍しています。スタッフから見たお子さんの強み、課題を見てみましょう。
スタッフの印象として、休みの日はお子さんとお出かけをするなど仲良く過ごしているご家庭です。学校での学習意欲や将来の捉え方などに不安を感じており、お子さんへの「将来のイメージを具体的に描いてほしい」という思いからティーンズの利用を開始しました。
ティーンズでは週末のお仕事体験と平日セッションどちらも利用をしています。支援当初はスタッフから提案した軽作業を中心に取り組んでいました。そのときからとても真剣に取り組むことはできていましたが、作業に対する意欲は薄かった印象でした。
しかし「ウルトラマンが好き」という興味に注目したスタッフが、軽作業にお子さんの好きな要素を合わせてみないかという提案をします。お子さん自身も表情が明るくなり、「パワーポイントで好きなキャラクターの資料をつくる」というPCを用いた作業に変更しました。
完成した作品はティーンズの壁に掲示をしました。次第に、お子さんが作った作品が周囲のスタッフや他のお子さんから「すごい!」と評価される経験を積み、お子さんも自分の取り組んでいる作業に対して自信を持つようになりました。支援の中で「スモールステップ」のアプローチを用いて小さな成功体験を重ねることで、彼の自己肯定感を上げていく取り組みを続けています。
自信のなさから周囲との関わりに強い緊張感を持っていたお子さんに対し、スタッフはアイスブレイクの場面やグループ活動を通じて、お子さんが他のお子さんと安心して交流できる機会を設けました。また、好きなことの話を肯定する土台ができたことで、お子さんが相談しやすい環境を整えました。
半年ほど経過し、「本当はもっと周囲と関わりたいけど過去の辛かったことを思い出して躊躇してしまう」とはじめて自己肯定感に関する悩みを打ち明けてくれました。スタッフもはじめて聞くお子さんの本心を受け止め、その後はお子さんが安心できるよう面談を重ねています。以前と比べて、好きなことに限らず様々なお話をしてくれるようになりました。
ティーンズに通い始めて半年後、お子さんの姿は次のように変化しています。
スタッフの意識のポイントは以下です。
ティーンズでは、個人の支援ではなくチーム全体で支援方針を相談し続けながら日々の支援を行っています。根拠のある支援がティーンズの強みです!
お子さんが安心して過ごせる居場所となったことで、今ではティーンズに来たらすぐに好きなことや今日の出来事について自分からお話してくれるようになりました。今後も、お子さんの興味をさらに深める支援を継続し、ティーンズ卒業後の進路についてより深める支援を行っていきます。
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