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【ティーンズ利用者の声】合理的配慮は意味がない?!(Kさん・女性)

放課後等デイサービスティーンズで放送した「合理的配慮」特集のサムネイル
保護者インタビュー合理的配慮 公開日:2024年12月16日(月)

保護者・Kさんプロフィール

お子さんについて:中学2年生のときに学習面で合理的配慮を受けていた。現在は高校2年生(2024年時点)

抱えているお悩み:診断名はADHD・限局性学習症(LD)

利用しているサービス:放課後デイサービス

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中学2年生で合理的配慮を受けようと思った理由は?

インタビュアー:よろしくお願いいたします。はじめにお子さんのことについてお伺いします。お子さんが抱えていた困り感や合理的配慮(※)を受けようと思ったきっかけなど、お話できる範囲でお聞きしたいです。

※合理的配慮とは…日常生活に困り感のある人たちの要望を受けて、社会の中にあるバリアをとりのぞくこと。学校現場では教室などの環境調整、授業で用いるツールなどの面で合理的配慮が認められるケースも多い。

Kさん:本人はADHDと限局性学習症(LD)(※)の診断を受けており、現在は高校2年生になっています。合理的配慮を受けていたのは中学校2年生のときです

Kさん:小学生のときはあまり学習に関する困りごとはなく、学習以外の相談ごとなどで学校の先生とやり取りをしていました。そんな中、中学校の特別支援教育コーディネーター(※)の先生が本人を見たうえで面談をしてくださる機会がありまして、そのときに保護者と先生で話し合いながら「中学生になったらサポートが必要な場面が出てくるかもね」といったやり取りをしたことがきっかけだったと記憶しています。

Kさん:特別支援教育コーディネーターの先生から、スクールカウンセラーの方、通級の先生、担任の先生と広がっていき、本人の様子や配慮の必要性について「本人が学校生活を送りやすくするために」周囲の支援者に向けて共有してくださった印象でした。

※限局性学習症(LD)とは…学習面に困難があり、大多数の人とはちがう学び方の方がフィットしやすい特性。

※特別支援教育コーディネーターとは…特別支援教育において、保護者への窓口や支援機関への接続など関係者をつなぐ役割を担っている先生。

LDの特性で困ったエピソードは?

インタビュアー:そうなのですね。一点気になったのですが、お子さんは合理的配慮を中学2年生で受けたのですよね。LDといえばもう少し早い時期から困りごとが出てくるイメージがあります。いつ頃困りごとが出てきたのでしょうか?

Kさん:小学生の頃はあまり心配していませんでした。テストも比較的点数が取れていたので、読み書きに困難があるとは本人も親も気が付いていませんでした。

Kさん:しかし、中学生になってアルファベットが全く読めていないことが分かりました。小学校のテストは問題と解答欄が一体になっているので書き写しもできていたものの、中学校は問題用紙と解答用紙が別々になっているため、本人のワーキングメモリーの低さから、書き写す間に忘れてしまうようなこともあり、成績がガクッと落ち込んだんです。

Kさん:さらに本人が中学校に入学した年がコロナの初めの時期で、休校も重なり連携が取れなくなってしまったことも合理的配慮を中学2年生から受けた要因となりました。

具体的に受けた合理的配慮は?効果はあった?

インタビュアー:中学校の学習の難しさも相まったかと思いますが、お子さんのADHDとLDの絡んだ部分に対して中学生の段階で課題が見え、配慮を受けることになったのですね。では具体的に行われた配慮について教えていただきたいです。

Kさん:2点、テストに関する合理的配慮を受けました。


Kさん:1点目は、別室受験かつ10分の延長時間をもらうことになりました。書き写しなどに時間がかかることから考慮されています。

Kさん:2点目は、「カラーガイド」という色付きのガイドを使って視覚的にサポートする補助具の持ち込みが許可されました。授業中は明確な配慮というより、先生が細かく口頭確認をしてくださるような形でしたね。ただし、大きく点数が変わるようなことはなかったため中学3年生まで継続はしませんでした

先生や本人の受け止め方は?

インタビュアー:合理的配慮を受けたが大きな変化は見られないといった例もあるのですね。では最後に、具体的な先生とのやり取りやお子さんの受け止め方について伺ってもよろしいでしょうか?

Kさん:やり取りとしてはそこまで多くはなく、①主治医が出した診断書を担任の先生に提出(そこまでは必要ないとも言われました)②翌日には担任の先生から本人に聞き取り(別室受験は嫌ではないか、など)③その翌日には校長先生の許可が取れた、という流れで決まっていきました。特別支援教育コーディネーターの先生がはじめに面談してくださったことも、スムーズに進む一因だったように思います。

Kさん:本人としても、別室受験かつ時間延長があったことで「見直しをする時間がとれるためとても良い」と感想を述べていましたし、元々ティーンズに通っていて特性理解が進んでいたこともあり受け入れも柔軟でした。1年でストップしたとはいえ、合理的配慮を受けてよかったと思います。学校も広い地域から集まるような環境でしたので、周囲も受け入れの体制があったようです。配慮を受けるにあたって周辺環境は大切だなと感じています。

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ティーンズスタッフからのコメント

今回の事例は「合理的配慮を受けたが1年で止めた」というものでした。合理的配慮が直接成績に影響することはなかったものの、ご本人が特性について見つめなおすきっかけとしては必要な支援となったようです。「ティーンズで特性理解を深めていたことも良い影響を与えた」と嬉しいお言葉もいただいています。残りの学生生活も充実することを願っています!

この記事を書いた人

ティーンズ編集部:野田渓介

資格:小学校教諭一種免許状
一言:誇りをもって障害を受け入れられる世界に。
プロフィール:幼少期に走ることができない、ボタンを掛けられないなど些細なことから他者との違いを感じ、周囲や家族に違いがばれない様に学齢期を過ごす。大学生で発達障害の診断を受け、そのとき感じた疎外感や自身のような悩みを抱えたお子さんの力になりたいと感じて福祉の道へ。株式会社Kaienに入社後、自身の障害をオープンにしつつ、児童向けサービス”ティーンズ”のオンライン講座等のプログラム開発及び運営を担当。誇りをもって障害を受け入れることを目指している。

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