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スタッフブログ 現場目線で発信しています。また当社著作本、好評発売中です。
6~7月の間、TEENS大阪天六で何度でも受けられる無料体験セッション受付中です。 発達障害*のある小中高生のために「学習支援」や「お仕事体験」などのプログラムを実施し、子どもたちの『はたらく力』を育くむセッションを是非ご体験ください! 大阪にいるたくさんの発達凸凹の子どもたちに出会える機会にしたいです。
年1回、国内最大規模の発達障害の子のための進路相談セミナーを 6/15(土)@品川で開催します。
今年からは学校だけでなく企業も参加!就職編では、コンサルティング企業『アクセンチュア』様に、発達障害のある方々の新しい働き方の可能性についてお話しいただきます。
進路選択には将来像から逆算して考えていくことが不可欠です。「どんな大人になるのかな?」をイメージするために、発達障害のある方の学び方・働き方の未来を知る一日にしましょう!
このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『10代のアルバイトが自閉症の女の子の買い物を援助』、『米国でも精神障害の学生が急増中』の2本です。
Teen shop worker goes ‘above and beyond’ for autistic girl [BBC]
イギリスの靴屋でのエピソード。アルバイトで働いていたスタッフが、感覚過敏でパニックになりながら靴を選ぶ少女に辛抱強く対応。その様子を見ていた母親が、満足以上のショッピングができたと、後日メールを送ったことが社内で表彰され、さらにはその様子がSNSで拡散し、既存メディアでも何度も取り上げられたというお話です。
アルバイトの男性スタッフは、女の子がパニックになっているのは知っていたが、自閉スペクトラム症と診断されている子だとは知らなかったとのこと。当然のように対応したとメディアの取材に語ったそうです。
他国はすごいなとなるお話かもしれませんが、こういう事例もどこの国も珍しいからこそ取り上げられているのかもしれません。いずれにせよ発達障害などの知識がなくても当たり前の対応を当たり前にすることの重要性を改めて感じます。
The Mental Health ‘Epidemic’ On College Campuses [NPR]
米国のラジオ番組から。うつなどの精神障害やADHDなどの発達障害がアメリカでも急増。高等教育である大学で爆発的に増えているとのことです。
背景として、SNSなど衆人環視の世の中があり若者がプレッシャーに常にさらされていることや、高騰を続ける米国の大学での授業料のために多額の借金を工面して学ぶことへのプレッシャー、レールを外れると失敗へ転落し戻りづらいと思われやすい現代社会、親が子どもと携帯電話などで常に連絡を取り合いなかなか子離れ親離れができにくい社会、など日本と重なる部分があるようです。また精神障害をおった学生の4人に1人しか学内などの相談機関を頼らないこと。このため問題が大きくなりやすいことなど、色々興味深い放送でした。
番組の中で、ドナルド・トランプ大統領など著名人を政財・文化界で排出し続ける東海岸の名門、ペンシルベニア大学で、新入学生の親がADHDの我が子が朝起きられないので、大学にモーニングコールのサービスが有るかを尋ねたという逸話が紹介され、番組のコメンテーターが信じられず笑うという一コマがありましたが、日本でも笑い話にならない状況で、親と子、そして教育・医療機関などの役割や、育て方の課題はどこの国でも似ているかもしれにあと思わされる番組でした。
ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
Q1. 友人から、emouのシステムの事を教えてもらい。こちらの活動に興味を持ちました。今年度に入り、学校での療育に関するフォローに不安点が多くなり、問い合わせさせて頂きました。
A. ありがとうございます。emou(ソーシャルスキルトレーニング VR)について少しご紹介しますね。
emouの世界では、360°カメラで撮影された教室内で様々なできごとが起こります。テスト前におなかが痛くなったり、友達に自慢話をされたり、話し合いをしたり…。時には先生になり、教壇からクラスを見渡します。
VRで学校でのできごとを疑似体験した後、「こんなときどうする?どう思う?あの人はどんな気持ちだったかな?」といったような問いに答えながら、処世術を学んでいくプログラムです。TEENSでは今新宿校と川崎校で導入しています。
これで子どもたちの行動が変わるか?う~ん…少なくとも即効性のあるものではなさそうです。このVRの良さは、①自分の考えを説明する機会をもてること、②自分とは違う価値観に触れられるところ、にあると思っています。
「①自分の考えを説明する機会をもてること」…自分の経験した出来事(事実)や自分の考えたこと、感じたこと(認識)を他者に伝えることが苦手な発達障害の子たちは多いです。しかし、日常の中でこの力を育もうとしたときに、支援者は必ずしもその子が経験をした場面に一緒にいたわけではないので、真実は何なのか?、認識がずれているのか、表現がずれているのか?ということが確認できず中途半端なやりとりで終わってしまうことが多いです。
VRの場合、例えば「●●くんが意地悪してきた」と言ったときに、本当に相手の子に悪意があったのか?表情の読み取りが間違っている?あるいは本人が感じたことと説明に使った語彙にズレがある?ということを確認することができます。同じ体験を共有できるため、丁寧な振り返りをして子どもたちの認識レベルや説明の力をアセスメントし、アドバイスすることが可能なのです。
「②自分とは違う価値観に触れられるところ」…複数人セッションでは、上記のことをそれぞれが意見をだしながら進めていきます。同じ場面でも、人によって考えていることや感じていることが違う…。それを体感してもらうためにぴったりの機会です。
気になる方は体験セッションにお越しください!
発達障害の方のためのVR SST徹底レビュー | “羨ましい”特別支援を目指して
Q2. 病院等の検査結果は色々持っており課題はわかっているのですが、親がそれらのデータを生かせておらず、本人も宿題をするだけで精一杯の毎日で、勉強を何から初めてよいのか、何が理解出来てないのかはっきりわかりません。勉強のプログラムから作って頂けるのでしようか。
A. 先にサービスのご説明をすると、まなびTEENS(学習塾)の方であればアセスメントに基づいて教材をご用意することから可能です。ぜひ体験セッションにお越しください。
いただいた情報からひとつアドバイスしますと、可能であれば学校に相談して宿題の分量や内容を調整していただくのが良いと思います。
宿題はどうしても「こなす」ことに終始してしまいがちで、学年相応の学習についていかれていない子たちにとってはただの作業となってしまいます。その状態を放置していると、理解する喜びやわからないことに立ち向かおうという意欲が削がれ続けてしまうリスクが生れるでしょう。全く何もしない、ということではなく、代わりに提出する課題など交渉した上でご本人の理解に合わせてスモールステップで学ぶ機会を持てるとよいと思います(どの程度の理解レベルかは、TEENSのような場所にお通いいただければアドバイスできるかと)
更に…このあたり、大人たちだけではなく本人も交えて交渉していくスキルも磨けるとご本人の自立の力の育成に繋がります。いきなり全てをお子さんに任せる必要はありません。部分的にでも良いので、お子さんが自己理解をしたうえで適切な権利主張をしていくためのお作法を併せて学んでいかれると理想的ですね。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます