発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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将来を見据えて、児童期に知っておくべきことは?2019年2月号

  1. 予告!TEENS春期講習『進学・進級準備講座』を開催
  2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「休憩や昼食時間は長めに取るのも配慮?ASDの学生の合理的配慮 親や医師はYES」他
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「将来を見据えて、児童期に知っておくべきことは?」他
  4. TEENSの一ヶ月を振り返る 毎日新聞朝刊に掲載 「ともに・2020バリアーゼロ社会へ」他

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スタッフブログ 現場目線で発信しています。また当社著作本、好評発売中です。

1. 予告!TEENS春期講習『進学・進級準備講座』を開催

3/26(火)~3/29(金)の4日間、発達障害*のある小中高生のための、”進学・進級準備講座”を実施いたします。

お子様・親御様にとって「近い未来」・「ちょっと遠い未来」について準備ができる講座をご用意します。内容の詳細・お申込は当社ウェブサイトで2月中旬までに公開予定です。正式告知までもう少々お待ちください。

▶プログラム予定
3/26 クラスで使える!合理的配慮&ICT講座
3/27 新学年デビューをサポート!新学期準備講座
3/27 発達障害の子のための発達障害講座
3/28・29 親子で学ぶ!特例子会社見学ツアー

▶3/27に親御様向け「夜の部」も実施!
親御様向けの講座です。3/26・27で行ったプログラムのダイジェストに加え、親御様からのご質問にお答えするグループセッションとなります。

2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「休憩や昼食時間は長めに取るのも配慮?ASDの学生の合理的配慮 親や医師はYES」他

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『休憩や昼食時間は長めに取るのも配慮?ASDの学生の合理的配慮 親や医師はYES 』、『米国の俳優 ディスレクシアについて児童書シリーズを刊行』の2本です。

①休憩や昼食時間は長めに取るのも配慮?ASDの学生の合理的配慮 親や医師はYES (米国)

Should ASD students have longer recess and lunch? Parents and doctors say ‘yes’

学校で現在45分しかない昼食休憩。ASDの子どもには短すぎると、米国アラスカ州で合理的配慮の陳情がされています。

アラスカは冬になると日照時間が限られ、昼食を食べるだけではなく日光を浴びる時間も取るべきだというのが特殊事情とのこと。ただし発達障害のお子さんは、どこの国でも処理や行動の速度が遅く、あらゆる行動がゆっくりしていることが多くなります。また睡眠が苦手で昼寝をすることがプラスになる子も多くいます。このため全くの他人事というわけでもないでしょう。

またこのような訴えが行われるのもアメリカらしいと言えます。記事を見るとすでに対応している学校もあるようで、州での決定がなくても柔軟に動けている点も感心します。親の動き、学校の対応、行政の対応。いずれも日本でも真似をしたいところです。

②米国の俳優 ディスレクシアについて児童書シリーズを刊行(米国)

Henry Winkler turned his dyslexia into a children’s book series

ゴールデングローブ賞やエミー賞を受賞した俳優、ヘンリー・ウィンクラー。30歳を過ぎてからLDを知ったそうです。彼がディスレクシアの子のための出版を行っているという記事を見つけました。

小さい時は自分のことをバカだと思っていたとのこと。当時と今、LDの子どもが感じていることはあまり変化がないとして、その子どもたちに未来を感じてもらいたいということが出版の背景にあるそうです。

先日、LDを公表されている噺家の柳家花緑さんにお会いしました。ディスレクシアは文字や音の関係で、アルファベット圏で多いと言われますが、日本にもまだまだ単に勉強が苦手、あるいは努力が足りないという子が多く、芸能人や有名人がその経験を語ることは将来への希望になることでしょう。

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「将来を見据えて、児童期に知っておくべきことは?」他

ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。

将来を見据えて、児童期に知っておくべきことは?

Q1. 複数形態の高校が選択肢にあることと比して中学校の少なさの違いがある中で、児童期に進路選択をどのような見通しをもって親子で考えていくと良いか、また教育従事者が知識をもっておくとよいかなどの提案をしていただきたいです。

A. 難しい質問ですね!考えてみましょう。

結論としては、「どんな選択肢があるのかを知りつつ、どの可能性も完全には排除しない」ことが大切かなと思います。

確かに中学校は高校と比べると選択肢が少ないようにも見えますが、学校だけでも、公立なのか私立なのか…地域の学校の中にも通常級、通級、支援級、特別支援学校とあり、もちろん学校に通うことにこだわらない、という選択肢も考えると、実は子どもたちの過ごし方というのは無限に広がります。特定の進路にこだわるとうまくいかなくなった時にお先真っ暗のように思えてしまいますが、「これが合わなかったならこれもあるよね」と柔軟に考えられるマインドは一生涯役に立つスキルとなります。

「日本はいくらでもやり直せるね」…と、中高と不登校だった末大学に進学したお子さんがおっしゃっていましたが、まさしくその通りだと思います。どの学校でも、どの自治体でもそれが通用するとは限りませんが、必ずどこかには自分の力になってくれる人がいる、ということを彼は知っていたのだと思います。

そんなわけで、もちろん支援・教育をする側の人がもっておくとよい知識というのもたくさんありますが、根本的には上記のようにその子に合わせた多彩な選択肢があるのだというマインドセットができていれば、まずは良いような気がします。「この知識さえあればOK!」ということはなく、制度やリソースは常に変わりますので、都度その子に合わせた最新情報を収集する、自分は無知で世の中にはたくさんの選択肢があるということを知っていることが支援の現場では最も活きる力となるでしょう。

なお、昨年TEENSでは「発達障害フレンドリー校実態調査」というのを行いました。既に数百の貴重な回答をいただいています。なかなか濃度の高い情報だったため、当初は当社利用者様のみに開示する予定でしたが、できるだけ広く活用してほしい、というご意見を受けて全国に公開できる「発達障害フレンドリー校情報サイト」を今春立ち上げ予定です。生きた情報を皆様にダイレクトにお届けできるよう、現在準備中なので今しばらくお待ちください。

【参考】発達障害に理解のある学校 インタビュー特集

感覚に違和感がある どうすれば?

Q2. 甥が中学3年生なのですが、幼い頃から、学校の先生に質問をする等の特定の場面で何も言えなくなってしまう場面緘黙のような状態が続いています。本人も非常に困っており、彼の希望もあってTEENSのお仕事体験に興味を持っています。診断は受けていませんが、匂いや触覚に対して違和感を持つことが非常に多く、親も含めて発達障害かもしれないという認識です。

A. いきなり脱線しますが…当社Kaienの中では「発達障害的だね」というのは誉め言葉として使われるのですが、最近社外で同じ言葉を使って称賛したら、ちょっと誤解されてしまい驚くことがありました。何が言いたいかというと、当社の目線からしますと”発達障害的”に、鋭い、ひととは違う感覚を持っているなんて貴重だね、と感じます。そういう人は、実は結構たくさんいますのでそういう場所で過ごせるといいですね。

さて、感覚の違いについて言及すると「自分が何をどう感じるか言語化できるようになる」と楽になると、感覚過敏の方からはよく伺います。人間はどうしても自分が感じているのとほぼ同じ度合いで他の人も刺激を受けていると錯覚しがちで、自分の感覚をダイレクトに他者と共有することも当然できません。でも、あなたのことをわかりたいと思ってくれている人であれば「4人以上が話している場所だと雑音が気になって仕方がなくなる」「他人の弁当の匂いを嗅ぐと気分が悪くなる」といったような、具体例を交えるとどういった場面で配慮が必要なのかが理解できるようになる可能性が高いです。

感覚はその日やコンディションや年齢によっても変化がありますが、それ自体をどうにかしようとするよりもそれを合理的に避けるための意思表示ができるようになると理想的ですね。感覚を言葉にするのはなかなか難しいですが、ぜひチャレンジしてみてください。

4. TEENSの一ヶ月を振り返る 毎日新聞朝刊に掲載 「ともに・2020バリアーゼロ社会へ」他

この1か月のTEENSのイベントやニュースをまとめてご報告します。

実践障害児教育 2019年1月号 に寄稿しました

毎日新聞朝刊に掲載 「ともに・2020バリアーゼロ社会へ」

【発達障害専門放課後等デイサービスTEENS】支援者向け見学会を開催@TEENS本八幡

千葉県松戸市 「興学社高等学院」| 発達障害に理解にある学校 インタビュー特集 vol.004 発達障害に理解にある学校 インタビュー特集

ICTを活用した矯正知力の時代の到来 「魔法のプロジェクト2018」に参加しました

だから発達障害は面白い!放課後等デイTEENS三鷹、支援の現場から

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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