発達障害*”にまつわる情報を3分程度で読める文章と1枚の図表にまとめてお届けします。
今回は「高校受験」についてご紹介します。
特に私立の学校ですが、発達障害のある生徒のサポート体制が整っている高校は最近では増えてきています。そういった学校はウェブサイトや説明会などでそのことについて大々的に発信しているため、探すのはそれほど難しくないでしょう。
一方で、多くの学校は発達に凸凹がある生徒に対して個別的に対応をしていても、そのことを公にはしていません。その理由としては以下の2つが多いです。
①熱意のある先生が個人的にできる範囲で対応している状態で、学校全体としての体制は整っていないため
②ある程度組織的に対応していたとしても、それを公にすると発達障害のある生徒が集まり、結果的に十分なサポート体制がとれなくなるリスクがあるため
そのため、実際に志望校へ足を運び先生に特別支援に対する考え方を聞いたり、親の会などを利用して情報を集めていかれるとよいでしょう。
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発達障害について、学校への告知の義務はありません。特別な配慮を希望しない場合には特に告知をする必要はないでしょう。しかし、学校へ配慮やサポートを求める可能性があるのであれば、入学前に相談をしておけた方が望ましいです。
「障害を告知することで不利になるのではないか?」という不安がでてくるかもしれません。障害を理由に不合格にすることは法律で禁止されてはいますが、実際に障害が理由かと思われる定員内不合格(定員割れをしているにも関わらず不合格となること)の事例もごく稀に聞かれます。
ただし、障害を理由に不合格をだすような学校であれば、仮に合格したとしてもその後の学校生活のどこかで苦しい状況に陥るでしょう。「入試さえクリアできれば、学校生活において合理的な配慮は行う」というフェアな姿勢の学校であるかどうか見極めるためにも、ナチュラルサポート以上の対応が必要な場合は事前の相談をおすすめします。
平成28年4月1日に施行された「障害者差別解消法」により、障害のある方が受験する際には、負担が重すぎない範囲で配慮することが国公立の学校には義務付けられました。私立学校の場合は「努力義務」となっており、強制力は国公立よりも低いです。
受験時の合理的配慮の対応事例には以下のようなものがあげられます。
ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)…不安感の軽減ができるよう会場の下見の許可をしたり集団面接を個別面接に変更する
ADHD(注意欠如多動症)…集中しやすくなるように別室受験を行ったり、座席位置を配慮する
LD(学習障害*・ディスレクシア)…試験時間の延長や問題用紙の拡大、問題文の読み上げるなどの対応をして読み書きの苦手さから理解度の測定の妨げにならないようにする
【参考】文部科学省 高等学校の入学試験における発達障害のある生徒への配慮の事例
受験時に合理的配慮を求めるには、医師の診断書や個別の教育支援計画、これまで学校内で行ってきた支援の実績などの「配慮の必要性」を示した上で事前に申請をする必要があります。対応できる範囲は自治体や学校によって異なるため、本人・保護者・在籍校・志望校の四者ですり合わせをしていきましょう。
※※図の使用について※※
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます
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