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TEENSが主催する、利用者の方以外にもご参加いただける夏期講習プログラムのご紹介です。
「高校生になってアルバイトをしたいけど、なかなか面接に受からない…」「金銭感覚が弱く、お金の大切さや稼ぐことの大変さが理解できていない」というお子様のために、より実践的なお仕事体験プログラムをご用意しました。プログラムの中では採用面接から上司評価まで、リアルな職場環境を再現。終了後は保護者様に、お子様の「現在と未来の仕事力」のアセスメント結果をご報告します。※現在東京会場は満員。横浜会場は空きがございます。
お子様の学習理解の特徴、理解度をアセスメント。お子様の理解特性にあわせてオーダーメイドする完全オリジナルの教材を使ってこの夏に苦手克服を克服しましょう!※現在満員のため、お申し込みを一旦締め切らせていただきます。再開する場合は当社ウェブサイト上でお知らせします。
このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害*に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①学習障害の人に職人への道を拓く』、『②マオリ族に新語 自閉症や精神障害』の2本です。
Use apprenticeships to increase employment for those with learning disabilities, says charity
イギリスの学習障害支援団体 Mencap が徒弟制度を使って学習障害の人に職人への道を拓こうという呼び掛けをしているというニュースです。
これによると昨年、イギリス政府は徒弟制の試験で、英語と数学の最低点を引き下げ、学習障害の人が職人になる道を広げる政策を取りました。これまで職人の中に学習障害と自認する人は1%未満しかいなかったそうですが(そういうアンケートを政府が取っている事自体驚きですが)、これによってより学習障害で読み書き計算が苦手な人にも仕事の幅が広がると歓迎されているようです。
イギリスの学習障害の概念はアメリカや日本のそれよりもやや広い概念だと感じますが、本記事を読んでもイギリスは学習障害支援の先進国だと感じます。
New Māori words for autism, mental health terms
ニュージーランドのマオリ族。今までは自閉症や精神障害を意味する言葉が、言語の中に存在しなかったそうです。今回、新語として作り出されました。
自閉症は、自分のタイミングや空間、ペース、人生のリズムを大切にすることから、「独特の時間・空間」を意味する takiwatanga が新語として選ばれたとのことです。なお、障害は「強みや脳力を持つこと」という whaikaha が選ばれました。
マオリ族は英語ではなくまだまだ自らの言語を好むとのことで、既にいる障害のある人達にとって自らを表すのにプラスになるのではと期待されているそうです。
ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
Q1. 小学4年女子ですが、学校にいけない日が続いております。原因の一つに、先生や周りの人のいう事が良くわからないと言っています。ただ今、発達障害のテストを受け、結果を待っている所ですが、子供の苦手とする部分の訓練ができたらと考えております。特別支援学級の申し込みもしてみようと思っておりますが、御社の取り組みにとても関心があります。宜しくお願いいたします。
A. 「言われていること・求められることを聞いたり理解する力」のことを当社では”受信力”と呼んでいます。発達障害のあるお子さんの場合、この受信力が弱かったり特異的だったりするために定型発達の子どもと同じようなスピードや正確さでものごとを咀嚼していくことが困難になります。ただしそもそもの原因は様々で、話の重要度やニュアンスを理解することの困難さからくる場合(中枢性統合の弱さ)や、語彙が少なかったり言葉の理解のあいまいさからくる場合があります。同じ受信力の課題でも、理由が違えば対応が異なるので、検査結果を見ながら専門家と相談できるとよいでしょう。
小学校4年生の女の子だと、お友達同士のやりとりも高度になるのでなかなか大変だったと思います(男の子だとまだそこまで複雑ではないのですが…女の子の方が成長が早いので難しいですね) ご本人のペースで、同じような空気感をもつ人と、安心して交流ができる場所を確保することをおすすめします。
Q2. 高校1年女子です。お友達が出来づらくできれば同世代のお子さんと交流できたら、と思ってます。近くの放課後デイサービスにも聞いてみたところ、高校生はいないとの事。こちらには高校生は多いでしょうか?
A. TEENSは放課後等デイサービスの中では高校生の在籍数が多いほうだと思います。拠点や曜日・時間帯にもよりますが、小:中:高で大体3:4:3くらいの割合となっています。
Q1でもお答えしたように、女の子の場合同世代のやりとりが複雑になってくるので安心してやりとりができるグループに参加ができるとよいですね。実際、学校ではお友達がひとりもいない、というお子さんもTEENSの中で知り合った子と大の仲良しになるケースは少なくありません。
同世代の友人を作る場合、ポイントとなるのは同質性と同じ目的をもって活動ができるかどうかです。ご本人にとって安心できる雰囲気で、興味関心意欲をもって取り組める活動がある場所での交流機会をもつことをおすすめします。
Q3. 現在中学3年生で、フリースクールに通っています。進学、就職に関しては常に不安を感じています。今現在、高校進学が迫ってきて具体的な方向が定まらず困っています。軽度のアスペルガーとの診断を受けておりますが、障がい者手帳などは持っておらず、フリースクールに通っている状態でも、そちらを利用することは可能ですか?
A. まず、放課後等デイサービスという福祉サービスは障害者手帳をお持ちでなくともご利用いただくことができます。実際TEENSに通われているお子様の多くが障害者手帳はお持ちでないです。
フリースクールとの併用も特に問題はないです。ただし放課後等デイサービス自体が原則「学校に籍のある方」のためのサービスのため、学校に籍のない状態だと利用できない場合がありますのでご注意ください。また、TEENSでも不登校のお子様や通信制・定時制のお子様向けに10:30~14:00までに日中支援というサービスも行っていますのでそちらも併せてご参考ください。
現在は先が見えずご不安な状況かと思いますが、高校になると選択肢は広がり様々な進学の形が考えられるようになります。現時点で就職のことまで考えたとしてもご不安が募る一方だと思いますので、まず来年からの3年間、ご本人にとっての居場所となるような場所をお子様と一緒にお探しください。
【参考】平日日中の学習指導
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます