TEENS御茶ノ水スタッフの大橋です。
寒さが大分身に染みる時期になり、体調を崩すTEENSのお子さんも増えてきました。体調管理や予防の徹底を呼び掛けているところですが、「それどう見ても寒いよね!」という薄着で来所するお子さんもいるので、衣服の調整についても声掛けが必要だなと感じている今日この頃です。
さて今回は、TEENSで作成した「学力アセスメント問題」についてご紹介します。TEENSの平日学習支援では、当社独自の教材は今までほとんどありませんでした。
基本的には学校の宿題やワーク、市販の教材、検定試験問題集など、お子さんそれぞれが課題を持参し学習します。(※ただし学校の勉強だけではなく、PC学習、面接練習、SSTなども対応可能です)。
この方式は学校の勉強についていくためには大変有効なのです。しかしTEENSに来る(学習障害*や軽度の知的障害のある)お子様の場合、学校の課題がお子さんにとって適切なレベルでないことがしばしばあります。もっと前の段階に遡って教える必要があったり、今この問題の解説をしても理解は難しいだろう、と思いながら定期テストで自尊心を失わないために勉強を教えるのは支援者としても辛いものです。
そこで、持込教材の方式は残しつつも、学習におけるつまづきの特徴を把握するとともに適切な課題レベルを見極めるために作成されたのが「学力アセスメント問題」です。国語・算数・英語の3教科で、主な対象は小・中学生となります。
国・算・英の3科目。全8種類あります。
アセスメント問題では発達障害*のあるお子さんが間違いやすい問題や過程を意図的に盛り込みました。用意した「落とし穴」にかかるかどうかを支援側が判断し、つまづきの特徴や適切な課題レベルを考えるヒントにさせていただいています。
例えば算数であれば、ひっ算の繰り上がり・繰り下がりを忘れていないか、短い文章題(例:Aは6.3gで、Bより1.5g重いです。ではBの重さは?など)を解く際に適切に四則を選んで計算が行えるか、グラフ・目盛りを正しく読み取れるか、などであり、国語であれば、複数の文章を時系列に正しく並び替えることが出来るか、人物イラストの表情を見てその人物の心情を表す適切な言葉を選択出来るか、などです。
結果を分析し、それを踏まえて親御様と課題についてのすり合わせを行い、「お子さんがより適切な課題を取り組んでいけるようにする」ということが一番の目的です。現状に合っていない難しい課題に取り組まなくてはならないのは、お子さん本人にとってとても苦痛なことです。また難しいと思っていても中々それを言葉に出来ないお子さんもいますし、難しいということ自体がうまく認識出来ていないお子さんもいます。
それぞれのお子さんが適切なレベルの学習課題を取り組み「出来た!」を積み重ねつつ、それを適切に評価することで自尊心を伸ばしていきたい、それが存分に出来る場所にしていきたいと思っています。また多くのお子さんに受けていただいてデータが溜まってきたら、全体傾向や特性毎の傾向なども分析し、公開出来たらと考えています。
*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます