発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
MENU

海外メディア「ADHDの子どもは 止まっているより 動いているときに良く学ぶ」 Q&A「高次脳機能障害と発達障害の類似性」他2015年5月分

  1. TEENS紹介ビデオ YouTubeで公開
  2. スタッフ募集 ウェブサイトを大幅更新
  3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース
  4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

□■□■□■□■

Decobo通信blank では当社のノウハウをお届けしています。Kindleや冊子で購入できます。(4/16に第3号発刊)

□■□■□■□■

1. TEENS紹介ビデオ YouTubeで公開

今月6日に公開。TEENSのサービスを動画でご紹介しています。ご利用説明会や体験セッションの前にご確認いただけますと幸いです。なお同日にKaien(大人向けサービス)の動画も公開しています。合わせてご覧ください。

<リンク>

□■□■□■□■

2. スタッフ募集 ウェブサイトを大幅更新

TEENSは第3拠点(御茶ノ水)を設置したばかりですが、すでに全拠点で待機者がでており、今後も事業所の展開を考えています。募集職種は児童発達支援管理責任者、エイブルシーカー、インターンの3つです。

TEENSでは拠点拡大を計画していますが、もっとも難しいのが良質なスタッフを集めることです。より多くの福祉・教育関係者、また未経験者にTEENSでのキャリアを検討していただこうと、「情報が少なくて判断しづらい」という求人情報を大幅に追記しました。今後もスタッフの一日など情報を追加していく予定です。ぜひ応募の際のご参考にされてください。

<リンク>

□■□■□■□■

3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害*に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『ADHD薬が大学生の間で乱用されている』、『ADHDの子どもは、止まっているよりも、動いているときに良く学ぶ』、『神童と自閉症の遺伝子的関係 初の証拠が発見される』の3本です。

①ADHD薬が大学生の間で乱用されている

ADHD drug abuse on the rise in colleges, study shows

ADHDは当社ウェブサイトでもご紹介している通り、米国では11%もの子どもが診断され、そのうち3人に2人がADHD薬を服薬しているという「ADHD薬先進国」です。その米国で今大学生の中で、ADHD薬を試験前、一夜漬けなどの集中力が落ちがちな時に”集中増強薬”として蔓延し始めている、というリポートです。(参考データ:子どもの発達障害 統計データ

このテレビリポートはノースカロライナ州のテレビ局によるもの。なんと自閉症の支援法で有名なTEACCHを生み出したノースカロライナ大学が取り上げられています。同じ州にあるデューク大学も取材対象になっていたようで(しかし取材に応じなかったとのことですが)、ともに全米トップランクの大学ですので、ショックは大きいと思います。

記事によると、70%以上の学生が、知り合いがADHD薬をつかって試験前に勉強をしている、と回答しているとのこと。また記事によると、その入手先は同じ大学生ということですので、ADHDの薬を診断された学生から、ほかの学生が買い取っていることがわかります。リポートでも「ブラックマーケット」があるという表現が使われていました。

米国ではスポーツ選手の筋肉増強剤によるドーピングが常に話題になりますが、その学生版・勉強版のような印象です。米国では日本に比べると学生はよく勉強しますし、その傾向はトップ校であればあるほど強まると思います。大学での成績が将来に大きく影響してしまうためです。ただし、だからと言って副作用も懸念されるADHD薬をむやみに飲んでよいわけではないですし、大学時代にとどまらず、彼らが就職をすると、一般社会にも広がるのでしょう。あるいはすでに米国では集中して働くために診断を受けていない人がADHD薬を常習しているかもしれません。

日本では、良いのか悪いのかわかりませんが、大学がそれほど厳しくないですので、ADHD薬をつかって学生が試験前に頑張るというのは考えにくいですが、むしろ大学受験や、職場での乱用というのが気になる時代が来るかもしれません。

②ADHDの子どもは、止まっているよりも、動いているときに良く学ぶ

Children with ADHD ‘learn better when fidgeting’

次はADHDの話題です。セントラルフロリダ大学の研究によると、これまでADHDの多動を抑えることが良しとされてきましたが、それが実は逆効果かもしれないということです。

実験によると、ADHDの子どもは身体がもっとも動いているときに課題が最もでき、診断がない子どもは身体が動いていると課題の出来が悪くなったということです。ただし研究者は「これはADHDの子に勝手に教室を歩き回ってよいというメッセージを与えるものではない。しかし彼らの動きを上手に活用して、学びに必要な脳の機能を高く保つ方法を探るほうが良い」と言っています。

これまでの研究で身体の多動は大人になるにつれて、自然に消えていくもの、弱くなっていくもの、という結果が出ています。(ただし頭の多動は残ると思われます。参考:ADHD(注意欠如多動症)とは) つまり今回の研究は、身体の多動性がある未就学児や小学生に主に当てはまる研究だと思われます。

そもそも体が欲するので多動になるわけで、やはり意味はある可能性が高いのだなという印象です。TEENSの現場でどのように取り入れていけばよいかすぐに明確ん答えはありませんが、このような視点をご家族や支援スタッフが共有することは重要そうです。一方で繰り返しになりますが勝手にルールを守らず他人の迷惑をかけるような、かつ指導によって収まる程度の多動はやはり小さいうちにこそ注意を受けてもよいと思われ、クラスルームを走り回ることが礼賛されているわけではないということは抑えておくべきだと思います。

なお、記事に最後にてんかんのお子さんの5分の1はADHDを併発するという研究結果も載っていました。二つの症状の関連を調べたのは初めてとのことです。たしかにこれまで自閉症とてんかんの関連性は様々な研究を見ましたが、ADHDとの関係は初めてです。もちろん自閉症とADHD自体はかなり相関関係が高いと思われますので当然といえば当然の内容かもしれません。

③神童と自閉症の遺伝子的関係 初の証拠が発見される

Researchers have uncovered the first evidence of a genetic link between prodigy and autism.

最後も米国の大学から。オハイオ州立大学のチームの研究によると、音楽や数学に秀でた神童と自閉症の子どもの遺伝子を比べたところ、第1染色体で共通しているものがあることがわかったということです。まだ細かな分析が必要であるそうですが、(同じ染色体での変異なのでしょうか)共通点が見られることで、何が神童を生むのかの研究や、自閉症の症状が出る場合はそれをより社会適応に結び付けるために何が必要かの研究が、一つ前に進んだといえるでしょう。

そもそもこの研究は、研究者たちの「神童の親類には自閉症の人がいることが多い」という気づきを分析結果に結びつけたものだそうです。細部へのこだわりや、異なる視点、素直な心などは、もちろん優秀さの重要な構成要素であり、実はそれが自閉症の要素でもあるということなので、仮説や検証結果は非常に納得がいきやすいところです。

一つ一つのニュースに一喜一憂はできませんし、脳の解明はものすごいスピードで進んでいながらも、少なくとも生きているうちに画期的な支援法につながることは難しいだろうと思いますが、解明が進んで悪いことはないですし取り入れていける部分が少しでもあれば日々の支援や生活に取り入れていきたいと思います。

なお先月のニュースレターでも『自閉症関連遺伝子 高知能と知的障害の両極を生む』で同じようなニュースをお伝えしました。(参考:自閉症関連遺伝子 高知能と知的障害の両極を生む)そちらもぜひご一読ください。

□■□■□■□■

4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

<高次脳機能障害>

Q1. 高校3年の息子は、脳こうそくの後遺症の高次脳機能傷害で、精神手帳取得済みです。症状が、発達障がいと似ているのですが、通所可能なのでしょうか?いま、進路を決める段階です。

A. はい。ご利用可能です。発達障害は”先天的”な脳の機能障害といわれ、鈴木の理解ですと脳の各所の連携が強すぎたり弱すぎたりバランスに偏りがあるような状態です。一方で高次脳機能障害は、”後天的”な脳の機能障害であり、つまり原因は先天的か後天的かで異なりますが、現象は発達障害と同じように脳の各所の連携が強すぎたり弱すぎたりバランスに偏りがあるような状態になりやすいと思われます。不安障害や強迫性障害など発達障害と重なりやすい特性のある方と合わせて、高次脳機能障害の場合も当社の考えや方針が当てはまりやすい方だと感じる所以です。実は高次脳機能障害がある方で、すでに当社を利用をしている方もいらっしゃり、非常に高い満足度を得られているようです。もちろん一人一人で状態は違うと思いますが、当社として受け入れはしております。まずは利用説明会にお越しいただけますと幸いです。 ※この質問はKaienのニュースレターblankでもお答えしています。

<学習支援の内容・方針>

Q2. 現在中学2年特別支援学級へ通学中。書字障害。数学は中1レベルを学習中。国語は、小学2年レベルを学習中。愛の手帳の取得はできないため、特別支援ではない高校への進学を希望。どのように、今後の学習に取り組んだらよいのか?高校進学のため、その後の就労のため、なにを行えばよいのか?今からでも間に合うのか?不安&心配がたくさんです。

A. メールを拝見する限りでは、受験のための学力をつけるというよりも、将来仕事などで困らない学力をつけたい。特別支援学校には行けないが、そのためにそれに合うような学校を見つけていきたい。そのためにどのような支援が今から必要か、ということと理解しました。ご質問・ご相談の文章を拝読するだけですが、その方向性で良いのではないかと思います。高校と言っても単位制の学校や通信制の学校など、自分のペースで学べるところはたくさん出てきていますのでそちらを選ばれるとよいと思いました。あるいは、進学はせずほぼ確実に就職をさせたいということでしたら、高校卒業時に就職を選ぶ子どもの多い高校を選ぶというのも手だと思います。やはり周囲に影響されて本人の就職へのやる気・真剣度も高まっていくと思うからです。(ただし一般に高卒で就職する割合が多い学校については、発達障害のお子さんが通うと荒っぽいお子さんなどに絡まれたりすることを心配する親御さんがいるのも確かです。) 高卒は一般枠でしたら今はたくさん求人が出ていまして、コツコツと言われたことをしっかりするということでしたら受け入れてくれる会社がある可能性はありますし、また、障害者枠を排除しなければ(専門学校であれ大学であれ)卒業時に就職という新卒枠が少ないのが難点ですが就職できる確率は大きく高まると思いますので、どうしても高校入学時に就職か進学かということを決める必要もなく、就職が難しかったら専門学校などに行き体制を整えるということも選択肢としてあります。なお、療育手帳が取得できなくても、ほとんどの場合精神福祉手帳は取得できます。まだまだそれらの申請は早いと思いますが、まとめますと、高卒で一般枠でということや、高卒後、就労移行や専門学校などを挟んで障害者枠で就職という二つの道が見えるのかなと思いました。(もちろん高卒後の障害者枠もあると思いますが、当社の事例がまだ少数なのと、やや給与や職務内容が限られることがあります。)この辺りの見立てやその後の計画の練り直しなどもTEENSで行ってまいります。

<利用説明会の開催場所>

Q3. 出来れば、横浜で説明会を受けたいのですが、予定等はありますか?もし、実施していないようでしたら新宿まで伺います。

A. 体験セッションは各事業所でお受けいただければと思いますが、利用説明会は開催頻度が月に1~2回であるため、どの事業所の説明会でも同じ内容です。加えて、横浜での説明会の開催は時間帯の関係上、今後しばらく計画がございません。このため新宿の回にご足労頂けますと幸いです。

<対象年齢>

Q4.プレティーンズお仕事体験の体験セッションに興味があります。うちの娘は、高機能自閉症(IQ100)です。ウェブサイト上の対象児に当てはまると思います。予約してよいでしょうか。

A. はい。可能です。事前にウェブサイトの細かいところまで目を通していただきありがとうございます。体験セッションでフィット感を確かめていただけますと幸いです。受け入れ可能な方については各コースの最下段で説明しています。一般コース/プレティーンズの例を以下にあげます。

Q5. 3月に高校を卒業した子供の母です。対象年齢では、ないのかもしれませんが、説明会に参加させて頂けたらと思い、メールさせて頂きました。発達障害のグレーゾーンと診断されたのが、小学一年生、それから、不登校や、昼夜逆転など、様々な体験をしつつ、なんとか高校を卒業しましたが、これからどうしていいのか、先の見えない状態です。

A. すでにTEENSの対象年齢である高校を卒業されていますので、(大学・専門学生を含む)大人向けサービスになると思います。以下のサイトから大人向けサービスの説明会にご登録いただくことが良いと思います。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

ニュースレター登録ティーンズからの様々な最新情報を
毎月1回配信しています。
ページトップへ