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Decobo通信 では当社のノウハウをお届けしています。Kindleや冊子で購入できます。(4/16に第3号発刊決定)
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当社として3か所目となる放課後等デーサービス事業所「TEENS御茶ノ水」が4月1日に予定通りオープンしました。御茶ノ水でも、新宿・横浜の既存事業所と変わらず、学習支援とお仕事体験を提供してまいります。4月22日には、3月オープンした大人向けの就労移行支援事業所Kaien池袋との合同お披露目会も予定しています。医療・福祉・教育・行政関係者向けとなっております。ご都合がつきましたらぜひご参加ください。
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TEENSは第3拠点(御茶ノ水)を設置したばかりですが、すでに全拠点で待機者がでており、今後も事業所の展開を考えています。募集職種は児童発達支援管理責任者、エイブルシーカー、インターンの3つです。
教育や発達心理に興味のある方や、福祉業界での経験者はもちろん、当社のミッション事業に共感し、事業を推進してくれる力のある方でしたら未経験者も歓迎しています。大学生や大学院生のインターンも引き続き募集中です。東大・慶應大・横浜市立大・法政大・立教大・筑波大・神奈川県立保健福祉大学などで日々の講義での学びを実践の場で生かしていただいています。スタッフブログで社員の目線で見たTEENSをお伝えしていますので、そちらも参考にされてください。
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このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害*に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『自閉症関連遺伝子 高知能と知的障害の両極を生む』、『親向け 自閉症についての無料オンラインコース』の2本です。
英・エジンバラ大学の研究です。これまで自閉症に関連すると言われる遺伝子は200~400程度あると言われています。遺伝子が自閉症の発症にかなり大きな影響があることはわかっていますが、発症メカニズムの完全解決には至っていません。今回の研究はその自閉症関連遺伝子のどの部分を研究したかはわかりませんが、自閉症とのかかわりがあるとみられる遺伝子が知的水準に与える影響に注目した研究です。
具体的には、自閉症の遺伝子を持ちながら、一方は自閉症を発症している人、もう一方は自閉症の症状がみられない人、という2グループについて調査を行っています。自閉症の診断があるタイプは、知的には「普通」か「低い」ということですが、もう一方の、つまり遺伝子を持ちながら発症していないほうは、「高い」というデータが出たとのことです。数的処理能力や問題解決力の豊かさ、空間的な論理思考などに表れているとのことです。記事によるとこうした本格的な研究は世界で初めてのようです。
実際、発達障害で言われる特性は優秀になるための特性でもあります。例えば、自閉症の典型的な特徴である「こだわり」というのは、職人のこだわりなどとプラスの文脈で使われることがもともとの意味であることからも分かるように、高品質につながる特徴ですし、衝動性・突発性はうまく制御できれば行動力や突破力になりますし、脳内が多動で混乱していることが多い”とっちらかった”部分も制御できれば発想力につながります。
これほどまでに複数の遺伝子が絡んでいるということは、ダーウィンの進化論的に考えると遺伝的に淘汰されずこれまで残っている人間のタイプということになります。何らかの意味を持って人類の中で引き継がれてきている遺伝子の組み合わせが自閉症・発達障害とも思われるわけです。今後も遺伝子の研究や人工知能の研究によって様々に解明されることを期待するとともに、発達障害への支援のアプローチも進化が期待されることになると思います。
すでに1万人を超える人が6週間のオンラインコースに申し込んだとのこと。需要は非常に高いようです。当社でも行ってみようかと勇気をもらえる記事です。Swinburne University(スウィンバーン工科大学)はオーストラリアのメルボルンにある大学。で、実際に使うオンラインコースの仕組みは米国のもののようです。英語圏というところでは一緒ですが、世界規模で簡単に情報が入手できる時代だなと改めて感じます。
記事によると、診断や心理的な面は様々な文献や研修があるが、実際的なかかわり方については学べるところがほとんどない、とのこと。そのためにMOOC(大規模オープンオンライン講座)を始めるとのことです。またコースだけではなく、その後の関係づくりも想定しているとのこと。
発達障害は千差万別で困りごとが似ているようで微妙に違うこともあるので、そのあたりをどう個々人に満足いくように教えていくのかが興味があり、課題も感じますが、取り組みが増えて、そこからまた次への学びがあるでしょうから、期待したいところです。
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代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。
Q1. 広汎性発達障害と診断されている高校2年生で、本人は大学進学を希望しております。それが本当に本人のためになるのか、進学させるなら発達障害のある学生に対してより手厚い配慮のある大学に関する情報を探して、御社のホームページに出会いました。アドバイスいただきたく、お願い申し上げます。
飯島.発達障害がありながら大学に進学する方は沢山いらっしゃいますし、特定分野の興味・こだわりの強さを活かして成果を上げられる可能性もあります。一方で履修登録やサークル活動など、主体的に段取りを組ながら行動していかなければならない場面が増えるため、フォローできる体制を整えておく必要があります。大学の支援体制は小・中・高のいずれと比べても遅れているのが現状ですが、発達障害への支援体制を整えている大学も徐々にですが増えてはいます。いずれにせよご本人に合った環境を選べることが重要になりますので、オープンキャンパスなどに参加をして実際に構内をみて情報収集することをおすすめします。
Q2. 4月より小4になる男児の母です。普通級に通っていますが、課題が色々あります。現段階では、いかにして二次障害を防ぐかに集中しております。人と関わりたいという気持ちが大いにありますが、うまくいかず、常にストレスを抱えています。自宅でのフォローはある程度可能でも、学校生活での厳しい現実を変えることは困難です。空きが出た通級に通い始めたり、スクールカウンセラーとのやりとりはしていますが、自尊心低下の出来事を親が阻止することもできません。(本人も詳細を話しません) 非常に素直な性質で、感受性が高いです。他の子供達にやられている姿を見ると辛いです。
鈴木. お子さんによって通級や支援級の使い方は変わります。ご質問を読ませていただく限りは、今のうちはしっかりと支援級に在籍して自信を高めてから中学校や高校で普通級を目指すほうが良いように思います。(お子さんによっては逆のケースもありますし、普通級で初めから終わりまでというケースももちろんあります。) 二次障害が現実的な恐れとして出てきているようでしたら、早めに落ち着いた静かな環境に変えることをお勧めします。
Q3. 発達凸凹のある高校生の親です。WISC‐Ⅲは、市のほうで幼児期から小学校卒業まで継続的に受けましたが、医療機関での診断はしていないです。TEENSを利用するには、まず何をすれば良いでしょうか?
鈴木. お住いの自治体によります。医師による診断書を必須とするところもありますが、通級に通っているという事実で受給者証が出るところもあるようです。まず何をすればというところですと、TEENSの利用説明会に参加いただくこと、そしてお住いの自治体(障害福祉課等)にどのような書類・手続きが必要かお問い合わせいただくことになります。
Q4. 今回は私の都合で、御茶ノ水での説明会に参加する予定ですが、住んでいるのは横浜なので、子どもが通うのは、横浜を希望します。それでもよろしいのでしょうか?それとも、横浜開催の説明会に参加した方がよろしいでしょうか?
鈴木. 利用説明会の参加場所と、実際の利用の場所は異なってもまったく問題ございません。横浜での開催は4,5月は予定しておりません。他の拠点での説明会にご参加ください。
Q5-1. B2の診断をうけた現在15歳の男子です。この春から養護学校への進学を予定しております。社会に出るためのこれからの3年間を有意義に過ごしてもらいたいのと同時に、本人の環境と可能性が広がりをもつようになればと思って利用を希望します。 Q5-2. 4月から高校2年生ですが卒業後の進路に不安を抱いています。社会に出る前に必要なスキルを身につけさせたいです。
飯島.発達障害のお子さんは、教えられていないことに関して周囲を見ながら自然に学んでいく「潜在的学習」は苦手としていますが、きちんとやり方を明示して実践してもらいながら習得する「顕在的学習」を行えば社会に出てから必要なスキルもきちんと身につけていくことができます。指導を行う場合は、「当たり前なこと」も視覚的に明示するなど、確認を行っていきましょう。TEENSのお仕事体験は上司や先輩社員とのコミュニケーションの取り方や、同年代のお子さんとのやりとりの仕方、お仕事を行う上での時間管理や段取りの組み方について実践的に学んでいけるプログラムとなっております。プログラムはお子さんの興味・関心に応じて選ぶことができ、事務作業やカフェ店員など様々な職種を体験することのできるお仕事体験一般コースや、仕事を通じてPCスキルを習得できる専門コースがございます。なお、集団セッションが苦手なお子さんや集団指示が入りにくい方には難しい内容となっておりますので、まずは無料の体験セッションへご参加ください。
Q6. 4月から普通クラスに通うことになり、算数が特に苦手なので苦手な科目の訓練ができますか?
飯島.学習支援の中で取り組むことが可能です。宿題やドリルなどの教材をご用意いただき、実際に取り組む中でお子様がどこで躓いているのかをアセスメントして、支援方法を検討して参ります。また、読み書き算数についてマンツーマンで指導を行う「読み書きそろばん科」も近日開講予定です。なお、学習の理解を促すだけでなく「ご本人の将来にとってどの程度取り組む必要があるのか」ということを考慮したうえでTEENSでは指導を行っております。例えば算数が人並みにできるようになったとしても、苦手なことへ過度に取り組むストレスから問題行動が出て社会性を損ねてしまっては元も子もありません。将来お子様が社会に出たことを見越して、本当に必要な能力は何なのかを見極めながら支援を行っていくことが大切です。
Q7. 小学校5年生ですが、小学校4年生の秋から、学校に全く行けていません。自閉症スペクトラムの診断を受けています。学習は、学校のプリントを親が教えながらやっているという状態です。普通級在籍ですが、集団が苦手で、不安が強く、今後も学校に行ける見込みはありません。平日日中の学習の場と、本人が安心して行ける居場所を探しています。こんな利用でもよろしいのでしょうか?
飯島.もちろん可能です。TEENSでは10:30~14:00まで「日中支援」と呼ばれる、学校をお休みされているお子様や通信制学校に在籍されている方を主に対象としたセッションを行っております。内容は夕方行っている「学習支援」よりも利用者人数が少なく自由度も高いため、お子様の状況に併せて学習時間と自由時間のバランスを相談しながら決めることができます。不登校のお子様であれば、まずは安定して楽しんで通えることに目標を置き、その上で対人関係におけるルールやマナーについてお伝えをしてまいります。こちらに利用しながら安定した生活習慣や自尊心を高めていく中で、自信をつけていき学校に再度通い始めるお子さんもいらっしゃいます。また、保護者面談を通して学校でどのような配慮をしてもらうのがよいのか、という点についてもご相談いただけます。
Q8. 学校に行きにくくなってしまっています。不登校になってからでは、放課後等ディサービスは受給者証が更新できなくなったりしないかと心配です。市の方では、基本的にはそのような方針なので、今は使えていますが、今後心配です。
鈴木. 放課後等デイサービスとありますが、放課後以外の利用もできます。例えば土日、長期休暇です。また義務教育の場合は、学校の所属が奪われるわけではないので、不登校であっても放課後等デイサービスの利用はできます。行政上の盲点というか、解釈がわかれそうなのが、高校生の年代(つまり15~18歳)で在籍している学校がない場合、放課後等デイサービスを使ってはならぬ、といいますか、使えるとは書いていない、ということで不許可になっている自治体があることです。行政とよく相談されることをお勧めしていますし、当社でもできる限り利用していただけるようにサポートしています。
Q9. 大阪在住です 関西方面の情報ありますか?
鈴木. TEENSは今しばらく首都圏限定となります。今後、第4,5拠点を展開していくことになると思いますが、東京、埼玉、神奈川、千葉が候補です。(このため他の地域から飛行機や新幹線、高速バスで通っている方もいらっしゃいます。) 関西方面の地域に即した情報はいまだ発信できておりません。ご了承ください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます