ADHD(注意欠如多動性障害)とは、発達障害*の一種で、特性として「不注意」と「多動性/衝動性」の特異性があげられます。
★不注意
マイペースなおっとりタイプ
★多動性/衝動性
エネルギーいっぱい!猪突猛進タイプ
ADHDは、子どもで20人に1人程度にみられると言われています。
大人になると、もともとの傾向は変わらないものの多動性などの症状が目立たなくなって、診断の枠に入らない状態になる人もいます。
また以前は男性の方が女性よりも何倍も多いと言われていましたが、最近の報告では男女比は同程度に近づいてきています。
【参考】公益社団法人日本精神神経学会 今村明先生に「ADHD」を訊く
人間の中には「神経」という電線のようなものが張り巡らされており、この神経を通じて色々な情報を脳から体に伝えていきます。
神経は「ニューロン」という名前の細胞からできています。健康的な脳みそには、約2000億個のニューロンがあり、このニューロンは「シナプス」と呼ばれる架け橋を使って、「神経伝達物質」という名前の信号を送り情報を伝えていきます。
神経伝達物質くん(ドパミン・ノルアドレナリンなど)
意欲や興奮をUPするすごいやつ
ニューロンさん
脳みそで色んな情報を伝達してるすごいやつ
シナプスちゃん
ニューロンとニューロンをつなぐ架け橋。
ADHDの人はシナプスちゃんが一生懸命すぎるがために色々起こる。
脳内ではニューロンとニューロンにあるシナプスが頑張って様々な情報を伝達しているのですが…
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ADHD方の不注意は頑張りが足りないのではなく、上で説明したような頭の中の細胞たちの動きによって起こっています。つまり、努力だけでは解決ができません。
★「不注意/衝動性を治す」のではなく、「不注意が起こっても大丈夫!」な状況を作ろう!
★多動性・衝動性をうまく活用し、コントロールしていくための工夫を知ろう
自分自身の感覚はその人だけのものであり、他の人がすべてを理解することはできません。
特にADHDの人特有の行動は、発達障害でない人(定型発達と呼びます)の人にとって、なかなか理解がしづらい部分があります。
自分はどんなことが好きで、安心できるのか。どんなことが苦手で、どんな配慮をしてもらえると助かるのか。説明できるように練習をしたり、説明のためのシートを用意できるとよいでしょう。
ADHDの方は、疲れやすかったり、休憩することが苦手だったりする人が多いです。そこで、上手にリラックスできる方法を探しておきましょう。
どうすれば自分自身の強みや個性を活かせるのか?どうしたら困りごとや悩みを解消できるのか?
発達障害のある・なしに関わらず、自分一人でなにかを解決することは難しいです。上手に人に頼る力をつけるためにも、信頼できる人に相談するスキルを身につけていきましょう。
親御さんや担任の先生など、身近な人に相談しづらい場合は、学校のスクールカウンセラーの先生に相談してみることをおすすめします。
※近くに相談先できる人がいない場合は…
24時間子供SOSダイヤル ☎0120-0-78310(文部科学省HPより)
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
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